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クラスター感染拡大防止のために接待を伴う店の入店時に個人確認を必須とする法改正について参議院法制局の見解

新型コロナウイルス感染症においてPCR検査陽性者数が増加しています。

クラスター感染が問題となっているわけですが、そのクラスターとして問題と考えられていたのが、いわゆる夜の街です。ただし、現在は接待を伴う飲食店に比べ、会食や職場、学校の方がクラスター発生の件数が多いことも指摘されております。

以前、夜の街クラスター感染についての対策がSNS上で話題となっておりました。

ロックダウンなど営業を自粛させると、その補償が問題となるわけですが、↑の案であればその問題を避けることができます。ということで、接客を伴う店においてクラスター発生時にも追跡を可能とするため入店時に個人確認(+厚労省接触アプリインストール確認)を必須とする風営法改正案作成について、参議院法制局に相談しておりました。

法制局は法案作成において、国会議員のサポートをしてくれるのですが、その際に作成予定の法案の趣旨や意義、その他背景知識など調査したうえで教えていただけるので、私にとって大変勉強になります。

昨日、法制局から法案についての回答をいただきましたので公表します。こちら↓が法制局に作っていただいた資料(現時点ではメモ書き)です。

接待を伴う店の入店時に個人確認を必須とする法改正について

ご依頼事項について(メモ)

○ 新型コロナウイルス感染症のクラスターが確認された店舗の中には来店客を特定できず感染拡大を招いているものがあるという事実認識に基づき、クラスター対策としての追跡調査(例:来店客を特定し、感染者が来店していたことや当該店舗でクラスターが確認されたことを来店客に連絡したり、検査を呼び掛けたりすること)の迅速化・効率化を図るために、営業者に対し、来店客の氏名等を記録・保存させようとする政策の必要性はあり得るものと思われる。

○ ただし、例えば次のような点について整理する必要があると思われる。

(1) 対象店舗(業態)について、

・ 風俗営業に限定するのであれば、その理由は何か。来店した事実を知られたくない業態であるから追跡調査が困難となっているという認識であれば、そのような事実があるかどうかは必ずしも明らかでなく、また、そういった視点から対象店舗(業態)を客観的に線引きすることは可能か。(例えば、同じ風俗営業であっても2号~5号営業については、それぞれの主観によるところが大きいのではないか。)

・ 最近では、風営法の対象とはなっていない飲食店でもクラスター(会食クラスター)が確認されているところであり、対象店舗(業態)をどのような観点(要件)で範囲付けるのか(例えば、新型コロナウイルス感染症に関する専門的・科学的知見から感染リスクが高いと判断されるもの等)という検討が必要となると思われる。(この点、浜田議員も、カラオケ、飲食店、旅館等についても何らかの措置が必要であると認識されておられるところ。)

(2) また、来店客への確認方法・入店の許可については、

・ まず、接触確認アプリが十分に普及・機能しているのであれば、当該アプリのインストール確認と身分証明・来店客の情報取得とを同時に行わなくても、当該アプリの利用によって政策の目的は達成し得ると思われる。

・ 仮に、来店客の情報を取得することとしても、個人のプライバシーとの関係も踏まえ、まずは、身分証明までは求めずに政策目的達成のために必要最小限の情報(例:氏名、連絡先)の記録・保存とする方向での検討となると思われる。(この点、社交飲食業に係るガイドラインにおいても、来店客に連絡先や体調を記載してもらうとされているところ。)

・ 客を入店させるか否かについては、契約自由の原則から基本的に店舗側の判断に委ねられるものであるところ、入店の許可・不許可についてどのように法律上規定するか(例えば、連絡先を伝えない客の入店拒否を義務付けるのかどうか)についての検討が必要となると思われる。

・ このような手段の履行をどのように担保するのかについても検討が必要であろう。

(3) 政策は、感染拡大防止という公衆衛生の観点からのものであり、風俗営業に対する規制であっても、「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する」ことを目的とする風営法において規定することは難しいと思われる。

風俗営業も含め、対象店舗(業態)についてのこの政策をどの法律において対応するかについては、公衆衛生に関連する法体系の中で、この政策に係る措置を恒久的に講じていくのかということも含め、この政策の目的や具体的内容を踏まえ検討が必要となると思われる。

法制局に調査いただき、色々と勉強になりました。自分なりにいくつかポイントを抜粋します。

・営業者に対し、来店客の氏名等を記録・保存させようとする政策の必要性はあり得る。
→政策の必要性は認めていただきました。

・来店した事実を知られたくない業態であるから追跡調査が困難となっているという認識であれば、そのような事実があるかどうかは必ずしも明らかでない。
→事実かどうかの確認は必要かもしれません。学校や職場での感染が多いとの報告があります。

・風営法の対象とはなっていない飲食店でもクラスター(会食クラスター)が確認されているところであり、対象店舗(業態)をどのような観点(要件)で範囲付けるのか?
→風営法対象外の店舗も義務付ける必要があるかもしれません。

・社交飲食業に係るガイドラインにおいても、来店客に連絡先や体調を記載してもらうとされている。
→ガイドラインを各店舗が遵守すればいいのですが…。

・政策は、感染拡大防止という公衆衛生の観点からのものであり、(風営法の制定目的を考えると)風営法において規定することは難しい。
→上で書いたように、風営法対象外の飲食店でもクラスターが確認されていることを考え合わせると、風営法ではなく、新たな法律を作る方向を考えるべきかもしれません。

といった感じで、法案作成における課題がいくつか明らかになったように思います。これらの課題をどうすべきかはひとまず置いておいて、これらの論点を公表してみて意見を伺ってみたいと思います。

あと詳細は不明であるものの、マレーシアでは店舗において接触確認アプリ使用が義務化しているようです。

このように、他国の政策も参考になるかもしれません。

ところで、国会議員の中には「通らない法案を作っても意味がない。」とおっしゃる方がおりまして、その意見に一理あることは認めます。少数政党所属の国会議員である私は法案を作成しても、すぐに法案として通ることはありません。ただし、本当に必要と思われる法案であれば、次第にご賛同いただける人が増えてきて世論を喚起する可能性がないわけではありません。

というわけで、地道にこつこつ頑張っていきます。

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