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成年被後見人に対する新型コロナワクチン接種について成年後見人が医療機関等から同意を求められることに関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年3月8日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は、意思表示の困難な成年被後見人が予防接種を想定した質問です。

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Q 成年被後見人とは、どのような方をいうのでしょうか?

成年被後見人とは、民法では以下のように、定義されています。

成年被後見人 … 精神上の障害により、事理を弁識する能力を『欠く』常況にある者

ちなみに、成年被後見人に似たような方で、

被保佐人 … 精神上の障害により、事理を弁識する能力が『著しく不十分』である者
被補助人 … 精神上の障害により、事理を弁識あする能力が『不十分』である者
という方の定義もあります。
つまり、簡単にいうと、

成年被後見人 … しっかりしているときがほとんどない方
被保佐人    … 忘れるときがだいぶん増えてきたが、しっかりしているときもある方
被補助人    … 以前と比べて、忘れっぽくなった方
といえるでしょう。

↑の記載にありますように、成年被後見人の方は、しっかりしているときがほとんどない方ですので、後見人(代理人等)の方の役割が大変重要です。

この新型コロナウイルス感染症が問題となっている中で、予防接種を検討する際にどうするか、難しい問題です。今回、そのあたりについて問題意識をお持ちの方から今回の質問主意書をご提案いただいた次第です。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

成年被後見人に対する新型コロナワクチン接種について成年後見人が医療機関等から同意を求められることに関する質問主意書

 本年四月十二日から一部の市町村で高齢者等に対する新型コロナワクチン接種(以下「ワクチン接種」という。)が開始される見込みであると承知しているが、ワクチン接種の対象者の中には、既に認知症等を原因として事理弁識能力を喪失し、家庭裁判所により後見開始審判を受け、成年被後見人となっている者も多数存在する。
一方で、医療機関等より、成年被後見人に対するワクチン接種について、成年後見人が同意を求められることが多々あると聞いている。また、「同意」という名目ではなくとも、「意向調査」などと称して、実質的な同意を求められることもあると聞いている。
右を踏まえて、以下質問する。

一 一般に、成年後見人には、成年被後見人が受ける医療に関する同意権限(いわゆる医療同意権)も同意義務もないものと思慮する。これは、憲法第十三条により保障されている自己決定権に基づいて、自分の身体に関する処分は、自分だけがなすことのできるものであり、他人が処分することはできない。ましてや、身上監護権はあるにしても、財産管理を主として任命されているはずの成年後見人が、成年被後見人本人の身体について処分する権限が認められているはずがないと思慮するが、成年後見人の医療同意権に関し、政府の見解如何。

一について
御指摘の「同意」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。なお、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百五十八条においては、成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならないと規定されている。

二 ワクチン接種についても、成年後見人には、成年被後見人が受ける接種に関し、同意権はないものと思慮するが、政府の見解如何。

三 予防接種法第八条第二項及び第九条第二項は、成年後見人について、成年被後見人の「保護者」として、「予防接種を受けさせることを勧奨」し、予防接種を「受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と規定しているが、あくまで成年後見人には、医療同意権がないことが大前提であるものと思慮する。
これに対し、予防接種実施規則第五条の二第一項は、成年後見人を含むものと思慮される「保護者」から「文書により同意を得なければならない」と規定している。しかし、成年後見人には、医療同意権はないのであるから、当該文書による同意は法的に無効であるものと解すべきではないか。政府の見解如何。

四 例えば、事理弁識能力が全くなく、認知機能も大幅に低下しているような成年被後見人に、身寄りがなく、親しい関係にある者も一切存在しない場合を想定すると、当該成年被後見人に成年後見人が就任していても、成年被後見人のワクチン接種について、成年後見人に同意権はなく、同意できないのであるから、有効な同意が存在する状況は観念することができない。
このような状況で、当該成年被後見人に対し、ワクチン接種を行うことは、法的に可能なのか。政府の見解如何。

二から四までについて
「成年後見人には、成年被後見人が受ける接種に関し、同意権はないものと思慮するが、政府の見解如何」及び「このような状況で、当該成年被後見人に対し、ワクチン接種を行うことは、法的に可能なのか」とのお尋ねについては、一についてでお答えしたとおりであるが、政府としては、成年被後見人が新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「予防接種」という。)を受ける場合は、当該成年被後見人の意思を可能な限り確認する必要があると考えている。また、御指摘の「事理弁識能力が全くなく、認知機能も大幅に低下しているような成年被後見人」に対する予防接種についても、当該成年被後見人の意思が尊重される必要があると考えている。
予防接種実施規則(昭和三十三年厚生省令第二十七号)第五条の二第一項において、「文書により同意を得なければならない」と規定されているのは、「予防接種を行うに当たって」被接種者又はその保護者の意思を尊重する観点から必要な手続を定めたものであり、保護者の同意があれば、成年被後見人の意思に反して予防接種を受けさせることができるとの趣旨ではない。

なお、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

右質問する。

予防接種をする際には被後見人の意思表示が最優先というのは当然とは思いますが、意思表示が困難な場合がほとんどなので、難しい問題です。個人的な意見としては、現場での裁量に任せる、現場での判断を尊重する、等でもいいのでは、と思います。

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