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裁判はもっと公開すべき⁉ 諸外国(G7)での裁判のインターネット上での発信状況について調査

昨日の記事では、裁判の公開、特にインターネットでの公開を進めていくべきとの考えを書かせていただきました。

裁判公開の原則は、日本国憲法にも記載されています。

第82条 裁判の公開 | 日本国憲法を対話で学ぼう

第八十二条

裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。

裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

さて、確かに裁判は公開されているのですが、実際の裁判を撮影した映像・音声がインターネット上で配信されているわけではありません。世界に目を向けてみると、裁判の映像・音声がインターネット上で発信されていることがあるようです。

さて、今回は海外において、裁判の映像・音声がインターネット上での発信状況について、参議院調査室を使って調べてみたことを共有します。

G7で裁判をインターネット上で公開している国について

G7=日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、イタリア

○アメリカ

・連邦最高裁の動画は見つかりませんでした(音声の公開はされています)。

・フロリダ州最高裁判所は、1997年から口頭弁論を公開しています。

gavel to gavel

・カリフォルニア州最高裁判所は、2016年から口頭弁論を公開しています。

https://www.courts.ca.gov/35333.htm

・オレゴン州最高裁判所は、2011年から口頭弁論を公開しています。

http://oregoncourts.mediasite.com/mediasite/Catalog/catalogs/default

○イギリス

・最高裁判所ホームページに、決定した事件(decided cases、2017年以降)と現在の事件(current cases)の動画が公開されています。

decided cases

current cases

○フランス

・確認できませんでした。

○ドイツ

・2017年、裁判所構成法が改正され、連邦通常裁判所及びそれと同じレベルの連邦行政裁判所、連邦労働裁判所、連邦社会裁判所、連邦財政裁判所において、特別な事件に限り、判決の言渡しを放送等の公表のために録音・録画することが可能となりました。ただし、これを認めるか否かは、裁判所の判断に委ねられているとのことです。(鈴木秀美「ドイツにおける裁判テレビ中継と裁判の公開」『法学研究』第91巻第1号(平成30年1月))

○カナダ

・最高裁判所は、2009年2月10日より、公開禁止又はプライバシー上の懸念があるために適切でないとされたものを除いて、法廷手続がウェブ配信されています。

https://www.scc-csc.ca/case-dossier/info/webcasts-webdiffusions-eng.aspx?

○イタリア

・確認できませんでした。

アメリカ、イギリス、カナダあたりは裁判の映像・音声がインターネット上で発信されつつあるようです。特にカナダでは積極的に発信されているように感じました。

インターネット上で裁判が発信されるようになると、国民の司法に対する意識は変わってくると思います。多くの方にとって、裁判が日常生活上ではあまりかかわりのないものではないかと思います。

裁判をより知る機会として、例えば大学の学園祭などで行われている模擬裁判は良い取り組みではないでしょうか。

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