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インターネット上の海賊版対策として海賊版サイトへの広告出稿の抑制について調べてみました

国会には、ある目的に向けて党派を超えて協力する集まりである議員連盟なるものがあります。

議員連盟(Wikipedia)

議員連盟とは、議員がなんらかの目的をもって結成する会の総称である。略して議連ともいう。

私もいくつかの議員連盟に参加させていただいております。先日、MANGA議連Manga, ANime,GAme→マンガ・アニメ・ゲーム)なる集まりがあったので、参加してきました。

このMANGA議連では、春頃には首相官邸に行って加藤勝信官房長官に提言書を提出しに行ったこともありました。

それはさておき、この議連の中で中心的な課題と思われるものに、いわゆる海賊版サイトの問題があります。

漫画海賊版サイト被害、過去最悪 「巣ごもり」も影響か 朝日新聞 2021/05/31

 人気漫画を不正に複製した「海賊版サイト」の被害が過去最悪とされる状況にあることが、出版社などでつくる対策団体の調査でわかった。社会問題になり、2年前に摘発された海賊版サイト「漫画村」の最盛期に比べ、アクセス数ははるかに上回っているという。(以下略)

この問題を分かりやすく解説している動画がありました↓。

海賊版対策として、政府や国会、その他各所で色々と考えられてきているようです。

解決が非常に難しく、依然として存在している問題であり、様々な対策が必要なのでしょう。そのひとつとして、海賊版サイトに広告を出した広告主を取り締まる、広告出稿を抑制する、というものがあります。

こういう対策の現状について、参議院調査室に相談して調べてみました。

色々と対策は進められているようです。以下、紹介します。

1.海賊版サイトに広告を出稿する広告主の責任について

早稲田大学知的財産法制研究所「海賊版サイトと広告主の関係 -資金流入を防ぐには- (尾形阿友美)」(2017.11.30)
https://rclip.jp/2017/11/30/201712column/

「広告主が積極的に海賊版サイトに広告出稿を行えば、著作権侵害の幇助が認められる可能性はある。
ただし、インターネット上の広告については、広告主が広告出稿先を把握できない広告サービスが発達しており、そのようなサービスを利用している場合は広告主に幇助の故意があるとはいえないように思われる。
一方で、広告主企業が意図せず違法サイトに広告を出稿して、世間の評価が低下することも考えられる」などとしています。

2.海賊版サイトへの広告出稿の抑制

広告関係団体として自主的ガイドラインを策定し、広告出稿を抑制する取組が進められているようです。

(1)インターネット上の海賊版に対する総合的な対策及び工程表について

2021年4月、政府(内閣府、警察庁、総務省、法務省、外務省、文部科学省、経済産業省)から下記の資料が公表されています。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/chitekizaisan2020/pdf/kaizoku_taisaku.pdf

○同資料の2頁では、「海賊版サイトへの広告出稿の抑制」について、
「海賊版サイトに対する広告出稿の自主的な抑制に関し、権利者等と広告関係団体の合同会議を通じた海賊版サイトリストの共有、広告関係団体の自主的ガイドライン策定・普及の推進を図る」とされています。

(2)知的財産戦略本部 インターネット上の海賊版対策に関する検討会議 中間まとめ(案)

2018年6月、知的財産戦略本部にインターネット上の海賊版対策に関する検討会議が設けられ、同会議は同年10月に中間まとめ(案)を公表しています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2018/kaizoku/dai9/siryou1.pdf

○同中間まとめの55頁では、海賊版サイトに対する広告出稿の抑制のうち、広告業界による自主的な広告出稿抑制の取組について、
「JIAA においては、今後、広告業界における海賊版サイトへの出稿抑制の実効性を更に高めるため、恒常的な委員会(デジタルプラットフォーム委員会)を設置し、違法・不当サイトの問題に対応しつつ、広告配信プラットフォーム事業者が適切な広告掲載先の選定を行うための「広告配信ガイドライン(仮称)」の策定に向け、検討を進めているほか、業界横断でアメリカ、イギリスの自主規制団体との間で連携の動きを模索している。既にアメリカのTAG(Trustworthy Accountability Group)との情報交換を開始しており、本年11 月にはイギリスのJICWEBS (the Joint Industry Committee for Web Standards)との間で意見交換を予定している」とされています。

JIAA:日本インタラクティブ広告協会

○同中間まとめの57~58頁では、海賊版サイトに対する広告出稿の抑制のうち、とりわけアドフラウド(広告詐欺)について、
「このように巧妙・悪質な手法で広告費を詐取する詐欺行為は、アドフラウドと呼ばれ、海賊版に限らず国際的な問題となっているが、今般、本検討会議において、広告関連3 団体(JAA、JAAA、JIAA)からは、WFA (World Federation ofAdvertisers: 世界広告主連盟)、IAB (Interactive Advertising Bureau)等との国際連携の下、アドフラウドの排除、監視対策を引き続き推進するとの表明がなされた。
また、広告業界及び事業者各社の取組として、米国業界団体が提唱し、グローバルで普及が進んでいる仕組み「ads.txt」55の導入が進められており、これにより広告配信の数値や挙動に異常を検知し、基準外のサイトや広告枠であることが判明した場合、配信先から排除することが期待される。
このほか、検討会議においては、不快な広告をブロックする等の機能のあるブラウザアドオンのフィルタリングソフト57を活用することにより、海賊版サイトになお出稿するオンライン広告の表示を防ぎ、海賊版サイトへの資金流入を一定程度防ぐことができるだけでなく、一部のアドフラウドやフィッシング詐欺等への対策にもなるのではないかとの指摘があった」とされています。

JAA:日本アドバタイザーズ協会
JAAA:日本広告業協会

なお、本中間とりまとめ(案)自体については、特定サイトへの接続遮断を認めるか等iに関して議論が紛糾し、成案を得られなかったとのこと。
(参考)朝日新聞デジタル「海賊版サイト対策、まとまらず 検討会議は無期限延期に」(2018.10.16)
https://www.asahi.com/articles/ASLBH5W88LBHUCLV00L.html

(3)国会における質疑、答弁

衆文科委(docxファイル)

【参考】NHKのHP
https://www3.nhk.or.jp/news/special/net-koukoku/article/article_23.html

3.その他

令和2年10月施行の改正著作権法(第201回国会)において、
リーチサイト・アプリ(侵害著作物を掲載したウェブサイトに対するリンク情報を掲載したウェブサイトやアプリ)が著作権侵害として規制されることとなったようです。

・企業法務コラム【令和2年10月施行】 改正著作権法におけるリーチサイト規制とは?(2021.6.8)
https://corporate.vbest.jp/columns/5171/

・文化庁「令和2年通常国会 著作権法改正について」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/r02_hokaisei/

というわけで、様々な対策が進んでおり、これらが功を奏すことを応援しつつ、毎日このブログを更新している自分自身も著作権侵害の片棒を担ぐことのないように注意していく必要性も感じています。

調査していただいた参議院調査室の方、どうもありがとうございました。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

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