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経産省トランスジェンダー職員へのトイレ使用制限を違法とした最高裁判決→特殊事例であり一般適応すべきでない

本日の最高裁判決が話題となっています。

戸籍上は男性で、女性として働く経済産業省の職員が、省内の女性用トイレの使用を制限されたとして処遇改善などを求めた裁判で最高裁は、制限を認めないとの判断を示しました。裁判では、経済産業省が戸籍上は男性で女性として働く職員に対し職場があるフロアの女性用トイレの使用を制限したことを人事院が是認したことの違法性が争われました。11日の判決で最高裁は職員が女性用トイレを使用することに明確に反対した人がいないことや別の階の女性用トイレを使用してトラブルが起こっていないことなどから職員の不利益を不当に軽視するものと指摘し人事院の判定について「裁量権の範囲を逸脱・乱用したもので違法」と判断しました。最高裁がLGBTなど性的少数者の職場環境をめぐり判断を示すのは初めてです。

この判決について、SNS上では色々と盛り上がっております。

https://twitter.com/takigare3/status/1678656325528743936?s=20

不安をあおるようなコメントを紹介しましたが、一方で冷静なコメントもあります。

要は「今回の判決は、本事例のみに適応されるべきものであり、トランスジェンダー女性が一般的に女性用トイレに入ることを認めるものではない」ということです。

https://twitter.com/LawyerDialyzing/status/1678704720570109953?s=20

https://twitter.com/LawyerDialyzing/status/1678704735506034689?s=20

経産省生物学的男性トランスジェンダートイレ訴訟最高裁判決文の射程

本件の重要事項を箇条書きにします。

1.既に管理権者たる経産省が、2階離れた女性トイレの利用を当該男性について認めていた
2.当該人物は生物学的男性で、性同一性障害の診断を受けてホルモン治療を受けてるが健康上の理由で未手術であり、よって戸籍上も男性
3.性自認が女性であり(トランス女性)外見は女性に見える者として扱われていた
4.当該男性が女性トイレを利用することについては説明会が開催されていた

1番について、当該男性(冒頭画像アカウントの運用者)は職場の女性トイレを自由に使用させることを含め、原則として女性職員と同等の処遇を行うこと等を内容とする行政措置の要求をしたのが今回の訴訟の請求内容の一つです。

つまり、既に施設の管理権者の側が、個別に相談した上で、身体男性の女子トイレの利用を認めたのであって、誰もかれもがいきなり女性用トイレを使ってよい、という話にはならない。

したがって、本判決は不特定多数の人々の使用が想定されている公共施設・民間施設の使用の在り方について触れるものではありません。これは今崎幸彦裁判官の補足意見の末尾(PDFの最下部)でも指摘されていました。

最高裁の判決文の最後の部分を共有します。

生物学的な性別が男性であり性同一性障害である旨の医師の診断を受けている一般職の国家公務員がした職場の女性トイレの使用に係る国家公務員法86条の規定による行政措置の要求を認められないとした人事院の判定が違法とされた事例

(最後の部分)

こうした種々の課題について、よるべき指針や基準といったものが求められることになるが、職場の組織、規模、施設の構造その他職場を取りまく環境、職種、関係する職員の人数や人間関係、当該トランスジェンダーの職場での執務状況など事情は様々であり、一律の解決策になじむものではないであろう。現時点では、トランスジェンダー本人の要望・意向と他の職員の意見・反応の双方をよく聴取した上で、職場の環境維持、安全管理の観点等から最適な解決策を探っていくという以外にない。今後この種の事例は社会の様々な場面で生起していくことが予想され、それにつれて頭を悩ませる職場や施設の管理者、人事担当者、経営者も増えていくものと思われる。既に民間企業の一部に事例があるようであるが、今後事案の更なる積み重ねを通じて、標準的な扱いや指針、基準が形作られていくことに期待したい。併せて、何よりこの種の問題は、多くの人々の理解抜きには落ち着きの良い解決は望めないのであり、社会全体で議論され、コンセンサスが形成されていくことが望まれる。

なお、本判決は、トイレを含め、不特定又は多数の人々の使用が想定されている公共施設の使用の在り方について触れるものではない。この問題は、機会を改めて議論されるべきである。

ということで、判決文を読めば、特殊な事例のみに適応すべき、という趣旨なのですが、報道は一般事例に適応されるように報じており不安をあおる意図が見えます。

冷静に判断する国民が増えることを願いつつ、私も努力していこうと思います。

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