今回はこの案件について。
2025/06/11
「大川原化工機」の冤罪事件を巡り、捜査の違法性を認めた判決について、都と国が、最高裁に上告しない方針を固めました。「大川原化工機」の冤罪事件を巡っては、東京高裁が5月、警視庁公安部と東京地検の捜査の違法性を認め、都と国に合わせて約1億6600万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
判決を受けて、東京都と国は上告しない方針を固めたことがわかりました。
警視庁は再発防止に向け、捜査の問題点などを検証する方針です。
軍事転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴され、勾留中に胃がんが見つかり亡くなった元顧問・相嶋静夫さん(当時72)の長男は、検証と謝罪を求めると話します。
相嶋静夫さんの長男:
(冤罪事件の)被害者に対して、真摯(しんし)に謝罪すること、真相を自ら明らかにすること、再発防止を図ること。嘘の供述をしなかった父を今でも尊敬しています。これで2審の判決が確定することになります。
朝日新聞の記事を紹介します。
記事内容はもちろん重要なのですが、私にとってはあの朝日新聞がしっかりと謝罪をしている点に驚いています。
大川原化工機側の否定、掲載せず 冤罪事件めぐる朝日新聞報道を検証 https://t.co/aB1VLf5qX3
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) June 11, 2025
不適切な判断、おわびします 東京社会部長・延与光貞
大川原化工機をめぐる冤罪(えんざい)事件で、朝日新聞は当初、警視庁の発表や見立てに沿って報じました。会社側の主張も取材したものの、紙面・デジタルの記事に反映していませんでした。起訴取り消しを受け、逮捕時などの記事を速やかに修正すべきでしたが、相嶋さんのご遺族から指摘を受けるまで対応できていませんでした。今回、会社側の反論を報じなかった判断は報道の姿勢として不適切で、迅速に名誉回復を図れなかったこととあわせて、大川原化工機の関係者のみなさまに深くおわびいたします。
事件報道では、当初は警察発表に基づいて報道せざるを得ない面もありますが、捜査機関の監視を怠らず、容疑をかけられた側の主張も丁寧に伝える「対等報道」を改めて心がけます。特に否認している場合は、本文や見出しで目立たせるとともに、推定無罪の原則に立って継続的な取材に努めます。事実を伝えるために実名報道は重要だと考えていますが、今回のご指摘をふまえ、社内で事件報道のあり方について議論を続けていきます。
事件の主な経緯
2020年3月 警視庁が中国への違法輸出容疑で大川原さんら3人を逮捕5月 警視庁が韓国への違法輸出容疑で3人を再逮捕
10月 相嶋静夫さんの胃がん判明。11月に勾留が停止され、入院
21年2月 大川原さんら2人が保釈される。相嶋さんが死去
7月 東京地検が大川原さんら2人の起訴を取り消し
9月 大川原さんらが国と東京都を提訴
23年6月 証人尋問で捜査をした警察官が「捏造(ねつぞう)」と証言
12月 東京地裁の判決で「違法捜査」認定
24年10月 証人尋問で捜査をした別の警察官が立件の理由は「なかった」と証言
25年5月 東京高裁が再び「違法捜査」と認定
6月 国と東京都が上告を断念
朝日新聞のみならず、私含め皆が留意すべき事項とは思います。
ちなみにNHKは2022年11月に冤罪の件を大々的に報道しています。
これは、無罪の結論を得る前に亡くなった男性がのこした手書きのメモです。
拘置所外の病院での専門の治療を求め、保釈請求を行いましたが退けられました。
入院ができたのは、病の発覚から1か月半経ってから。その3か月後、男性は亡くなりました。https://t.co/7GvS203txa pic.twitter.com/5luGCGXmFz— NHKクローズアップ現代 公式 (@nhk_kurogen) November 16, 2022
この報道は評価すべきものと思います。