今回もワクチンです。
先月、参政党の神谷宗幣さんがXに投稿したポストが大きな話題になっていたので、そのポストの引用リポストさせていただきました。300万ビューを越えました。
神谷さんの「世界が正常化していきますね。」という投稿に対して、いくつか申し上げたい点があります。… https://t.co/XZY9eJbxQS
— 浜田 聡 前参議院議員 NHKから国民を守る党💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) August 7, 2025
神谷さんの「世界が正常化していきますね。」という投稿に対して、いくつか申し上げたい点があります。
まず、mRNAワクチンについては、世界各国の公衆衛生機関や多数の研究により、「感染そのものを完全に防ぐものではない」が、「重症化や死亡のリスクを大幅に低減する」効果が科学的に確認されています。特に高齢者や基礎疾患を持つ方々の命を守る上で、現実に大きな成果を上げた技術です。
米厚生省(HHS)が一部のmRNAワクチン開発を段階的に縮小すると報じられたのは、感染予防に限定した用途での新規開発の優先度が低下したためであり、「mRNA技術が否定された」わけではありません。むしろ重症化予防という面での有効性は今も高く評価されており、がん治療など他分野への応用も進んでいます。
このような科学的背景を踏まえず、「責任を取っていない人がいる」と暗に断罪する発言をすることは、誤った印象を国民に与えかねません。
もちろん、政治家にとって「メッセージ力」や「印象的な表現」は重要な資質です。ですが、強い政治的メッセージであっても、事実や根拠を踏まえることは重要です。政治的パフォーマンスが国民の命や医療政策に関わる領域で発信される場合には、特に慎重であるべきではないでしょうか。
神谷さんは参院選で大躍進を遂げた国政政党の代表という立場にあり、発言が社会に与える影響も極めて大きいものです。ワクチンの副作用や政策上の検証を求めるのであれば、冷静な根拠に基づき、科学的理解と倫理的配慮をもって発信されることを期待します。
政治が科学の信頼性を損ねることなく、建設的に社会に寄与することこそが、「世界の正常化」につながるのではないでしょうか。
このポストにいただいたコメントのいくつかに回答をしたところ、そちらもそれなりに反応がありました。順不同で紹介します。
140万ビュー越えのもの。
ご意見ありがとうございます。
ワクチンと超過死亡の関係についてのご懸念、真摯に受け止めます。ただし、その主張にはいくつかの誤解がありますので、整理させてください。… https://t.co/WA1ZrJQ1xw
— 浜田 聡 前参議院議員 NHKから国民を守る党💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) August 7, 2025
ご意見ありがとうございます。
ワクチンと超過死亡の関係についてのご懸念、真摯に受け止めます。ただし、その主張にはいくつかの誤解がありますので、整理させてください。
まず「超過死亡率15%超、20万人増、従来比50〜100倍」とのことですが、事実としては、2021年からの死亡者数は徐々に増えており、たとえば2021年は+約8万人、2022年は+約11万人程度の増加です。「50倍」「100倍」という表現は誇張ではないでしょうか。
死亡増加の背景には、高齢化の進行、COVID-19そのものによる死亡、医療逼迫による他疾患の治療遅延、自殺や生活困窮など、さまざまな要因が複合的に重なっています。単純に「ワクチンを打ったから死者が増えた」とするのは、根拠が乏しいです。
また、「ワクチン接種と完全に相関している」とのご指摘ですが、「相関=因果関係」ではありません。もしワクチンが大量死を引き起こしているなら、同じワクチンを使っている他国でも同様の死者急増が観測されているはずです。しかし、そうした国際的傾向は見られていません。
「日本はワクチンを撃ちまくった」との表現も不正確で、接種回数(人口あたり)は欧米諸国と同水準かやや少ない程度です。突出して多いとは言えません。
さらに、政府が「知らんぷり」しているというのも事実と異なります。厚労省の副反応検討部会では、ワクチン接種後の死亡事例を1件ずつ検討していますし、健康被害救済制度も適用されています。死因や影響の分析も国立感染症研究所などで継続されています。
国民の皆さんの間に不安や疑念があることは承知しています。ただ、その不安を真に解消するためには、印象や感情ではなく、冷静なデータと事実に基づく議論が必要です。
私も、政府がさらに丁寧に情報開示し、必要な調査や見直しを行うよう、引き続き働きかけてまいります。感覚ではなく、根拠ある判断ができる社会を目指すべきだと考えています。
90万ビュー越えのもの。
ご意見ありがとうございます。
ご懸念には耳を傾ける価値がある一方で、現時点での科学的知見と公衆衛生上の合意形成に照らすと、いくつか重要な誤解や論点の整理が必要だと考えます。以下、私の意見を述べさせていただきます。
— 浜田 聡 前参議院議員 NHKから国民を守る党💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) August 7, 2025
ご意見ありがとうございます。
ご懸念には耳を傾ける価値がある一方で、現時点での科学的知見と公衆衛生上の合意形成に照らすと、いくつか重要な誤解や論点の整理が必要だと考えます。以下、私の意見を述べさせていただきます。
① 「コロナワクチンは論文レベルで危険性が指摘されている」ことについて
確かに、mRNAワクチンに関するリスクを指摘する論文や報告は存在します。それは科学にとって健全なことです。副作用や予期せぬ反応を追跡・検証し続ける姿勢は不可欠です。
しかし、重要なのは、「論文がある=真実」ではないということです。科学の世界では、以下のような要素がその論文の信頼性を左右します:
・サンプル数(規模は十分か)
・統計手法の妥当性
・査読の有無と質
・再現性(他研究でも同様の結果が得られるか)
・競合する他の研究との整合性例えば、ある研究がワクチンと特定の症状の発生率に相関を示したとしても、それが因果関係であると結論づけるには、非常に厳格な条件を満たす必要があります。
一方、mRNAワクチンの「重症化・死亡の抑制効果」や「接種による全体的なリスク低減」は、何千万人単位の実地データや複数の国際的なメタアナリシス(統合解析)によって確認されています(例:Lancet 2022, BMJ 2022, WHO 2023)。
要するに、“エビデンスがある”というだけでは不十分で、質と量と一貫性が問われるのが科学の世界です。
② 「2021年から死者が馬鹿みたいに増えたのに政府は調べようとしない」ことについて
2021年からの日本の年間死亡者数が増加したのは事実です。ただし、それがワクチン接種によるものかという点については、現時点で因果関係を裏付ける科学的証拠はありません。
厚生労働省や研究機関は、死亡者数の増加要因として以下のような複合要因を挙げています:
・高齢者人口の増加(団塊世代が後期高齢者層へ)
・COVID-19そのものによる直接的死亡
・医療リソースの逼迫による慢性疾患の悪化・死亡
・社会的ストレスや自殺の増加また、ワクチン接種後の死亡報告に対しては、厚労省の専門家部会が1件ずつ因果関係を精査しており、大多数の事例が「因果関係不明」または「明確な関連なし」とされています。
さらに重要なのは、もしワクチンが死者の大幅増加の主因であるなら、同様のmRNAワクチンを使用している他国でも同様のパターンが出ていなければ説明がつきません。しかし、現実にはそのような一致した傾向は見られていません。
政府が「調べようとしない」というのは事実に反し、ワクチン副反応検討部会や死因審査、医薬品安全対策の専門家チームによって継続的にモニタリングされています。
③ 「安全というエビデンスもある、危険というエビデンスもある。エビデンスとはそのレベルなんです」について
このご指摘は、“科学には確実なことなどない”という相対主義的立場に近いものですが、そこには注意が必要です。
確かに、科学は「絶対に安全です」とは言いませんし、言ってはならないものです。しかし、実際の政策決定や医学的判断は、「エビデンスの強弱」を比較し、「リスクとベネフィットのバランス」で判断されます。
ベネフィット: 重症化や死亡リスクの劇的な低減(科学的に立証済)
リスク: 副反応の発生(稀ではあるが存在し、モニタリングされている)
このように、エビデンスには“ある/ない”ではなく、“強い/弱い”“確かな再現性がある/仮説段階”という区別が存在します。
現在の科学的コンセンサスでは、「mRNAワクチンは重症化・死亡リスクを大きく低減し、その利益が副作用のリスクを大きく上回る」とされています。これは、個人の意見ではなく、世界中の保健機関・学術界による広範な知見の集積結果です。
総括
ワクチンのリスクを否定する必要はありません。だからこそ副反応報告制度や救済制度があるのです。
しかし、科学的に確認されていない因果関係を前提にした「ワクチンのせいで死者が激増」といった断定は、誤情報の拡散となり、かえって本当に必要な議論の妨げになります。
私たちが必要としているのは、「安全だと信じ込むこと」でも「危険だと決めつけること」でもなく、「質の高いエビデンスに基づいて冷静に判断する姿勢」です。
ご意見を受け止めつつも、現時点での私の意見を述べさせていただきました。
30万ビュー越えのもの。
ご意見ありがとうございます。
「ワクチンに問題がなかったことを出せ」というご指摘ですが、科学や医療において重要なのは、「問題が一切ない」と証明することではなく、リスクとベネフィットを比較し、効果がリスクを上回るかどうかを評価することだと思います。… https://t.co/OIDUojHZgG
— 浜田 聡 前参議院議員 NHKから国民を守る党💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) August 7, 2025
ご意見ありがとうございます。
「ワクチンに問題がなかったことを出せ」というご指摘ですが、科学や医療において重要なのは、「問題が一切ない」と証明することではなく、リスクとベネフィットを比較し、効果がリスクを上回るかどうかを評価することだと思います。
実際、mRNAワクチンについては、重症化・死亡リスクの大幅な低減が多数の国際的研究で確認されています。一方で副反応の報告もあり、因果関係の精査や救済制度も制度的に整っています。
つまり、完全な無害性ではなく、「利益がリスクを上回る」という科学的判断がなされてきたということです。必要なのは、リスクを隠すことではなく、正確な情報に基づいた冷静な判断だと考えます。
20万ビュー越えのもの。
ご指摘ありがとうございます。
「12歳以上のワクチン接種が日本人での治験なしで始まった」「海外の治験だけでいいのか」という懸念は、大事な視点です。
歴史的にも、薬によっては国や民族で効果や副作用に差が出た例があります。… https://t.co/PTAjQ0XQ3H
— 浜田 聡 前参議院議員 NHKから国民を守る党💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) August 8, 2025
ご指摘ありがとうございます。
「12歳以上のワクチン接種が日本人での治験なしで始まった」「海外の治験だけでいいのか」という懸念は、大事な視点です。
歴史的にも、薬によっては国や民族で効果や副作用に差が出た例があります。
例えば、結核の薬は日本人で副作用が出やすいことが後から分かったり、血液をサラサラにする薬は日本人は欧米人より効きやすく、少ない量でよいことが分かりました。こうした例は「地域や人種ごとの検証が重要な場合がある」ことを示しています。ただ、新型コロナのような緊急時は、海外の大規模な試験結果を基に接種を始め、その後に国内データを集めて評価する方法が現実的と思います。
したがって日本における副反応の報告制度や健康被害救済制度、接種後の安全性を継続的に監視する仕組みは、こうした状況で非常に重要です。
「完全に安全」と言い切れる薬やワクチンはありません。大切なのは、得られたデータを総合して、重症化や死亡を防ぐ効果がリスクを上回るかどうかで判断することではないでしょうか。
同時に、ワクチンに懸念を持つ方々の不安や疑問にも丁寧に向き合い、安心できる環境を整える政策ができれば理想だと考えます。
20万ビュー越えのもの。
ご質問ありがとうございます。
まず、mRNAワクチンは従来の「生ワクチン」「不活化ワクチン」とは異なる新しいタイプのワクチンであり、単純比較は適切ではないと思います。… https://t.co/tbKG8cYqUK
— 浜田 聡 前参議院議員 NHKから国民を守る党💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) August 7, 2025
ご質問ありがとうございます。
まず、mRNAワクチンは従来の「生ワクチン」「不活化ワクチン」とは異なる新しいタイプのワクチンであり、単純比較は適切ではないと思います。
mRNAワクチンは、抗体を作るB細胞だけでなく、T細胞応答や免疫記憶(メモリーB細胞・T細胞)も誘導することが、複数の研究で確認されています。
たとえば以下のような論文があります:Goel et al., Science Immunology 2021:「メモリー細胞が明確に形成される」
Sahin et al., Nature 2021:「T細胞も強く活性化される」
また副反応についても、
Oster et al., JAMA 2022:「心筋炎は極めて稀(10万人あたり数件)」
CDC報告:「アナフィラキシーも管理可能な水準」
つまり、「効果は不活化ワクチンレベルで副反応は生ワクチン並」という評価は科学的に正確ではなく、
現時点では「高い予防効果と許容範囲のリスク」と評価すべきではないかと思います。
30万ビュー越えのもの。
理念として「健康な人に使うからリスクゼロであるべき」という考えは理解できますが、現実にはリスクゼロの薬や医療行為は存在しません。
ワクチンも例外ではなく、予防効果と副反応リスクを比較し、総合的に利益が上回る場合にのみ、本人の意思を尊重しつつ接種を推奨するのが重要と思います。… https://t.co/xySQ5HSmv5
— 浜田 聡 前参議院議員 NHKから国民を守る党💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) August 8, 2025
理念として「健康な人に使うからリスクゼロであるべき」という考えは理解できますが、現実にはリスクゼロの薬や医療行為は存在しません。
ワクチンも例外ではなく、予防効果と副反応リスクを比較し、総合的に利益が上回る場合にのみ、本人の意思を尊重しつつ接種を推奨するのが重要と思います。
もしこの「リスクゼロ基準」を厳密に適用すると、インフルエンザワクチンや黄熱病ワクチンなど、現在世界的に広く使われている予防接種の多くが承認できなくなります。
そうなれば、感染症による流行や重症化のリスクが高まり、本来ならワクチン接種で防げたはずの疾患を健康な人が患う事態を招きかねません(そういったことを含めての自己責任論はあっていいと思います)。
もちろん、国が公費を投入してワクチンを推奨する場合は、費用対効果・リスク低減策・補償制度の妥当性について透明性のある説明を行い、定期的な検証と見直しを進めることが必要です。
その上で、接種はあくまで本人の意思を尊重し、十分な情報提供のもとで判断できる環境を整えることが、公費の使い方としても望ましいと考えます。
15万ビュー越えのもの。
森田先生、ありがとうございます。
森田先生のご指摘は、現場感覚と科学的検証の双方から見て重く受け止めるべきものと考えます。
確かに、EBMに基づく医学論文は数多く、すべてを個人が独力で精査することは現実的に不可能と思います。… https://t.co/VRaGGRoA0K
— 浜田 聡 前参議院議員 NHKから国民を守る党💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) August 9, 2025
森田先生、ありがとうございます。
森田先生のご指摘は、現場感覚と科学的検証の双方から見て重く受け止めるべきものと考えます。
確かに、EBMに基づく医学論文は数多く、すべてを個人が独力で精査することは現実的に不可能と思います。
世界の著名医学誌であっても、スポンサー企業—特に製薬会社—との利益相反や構造的バイアスにより、否定的な研究結果が査読段階で排除される懸念は否めません。
その中でもなお、コロナワクチンに否定的な論文が発表されているのであれば(私は存じ上げませんが)、学術界の多様性を示す重要な材料です。
他方で、主要医学誌はこうしたリスクを軽減するために、自浄作用と呼ばれる仕組みを運用してきました。
査読による第三者評価、掲載後のデータ再解析や追試、外部からの批判・指摘を受けた訂正や撤回といった手続きは、新型コロナ関連論文でも実際に機能した例があります。
こうした仕組みを理解しつつも、肯定・否定双方の論文やデータを広く参照することが、全体像を見失わないために不可欠です。
また、厚労省が公表する人口動態統計や接種統計、超過死亡のデータに基づき、ワクチンの効果に疑義を呈する視点は、行政監視の観点から極めて重要です。
厚労行政へ高い関心を持つことは、行政の説明責任を促し、国民への透明性を高める契機となります。
総じて、現場の知見、国際的な学術的検証、公的統計の分析という三つの視点を相互補完的に活用しながら、ワクチン行政の是非を検証することが、科学的かつ民主的な政策形成に不可欠だと考えます。
今後、森田先生ともこうした論点について直接意見交換できれば、建設的な議論の深化につながると考えております。
最後に、冒頭紹介した私のポストをまとめていただいた動画を紹介します。