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中川コージさんによる自民党総裁選分析 → “政策”より“構造” 分化を促す候補者か? 再統合・融和を促す候補者か?

今回は私がコメンテーターとしても、一視聴者としてもお世話になっているニッポンジャーナルを取り上げます。

2025年9月12日(金)のニッポンジャーナル、エックス上で絶賛コメントが目につきました。


というわけで、その動画です。

要約は以下の通り。自民党総裁選の中川コージさんの解説がユニークでした。


番組の骨子(オープニング〜告知)

  • 配信日時・場所:9/12(金)朝/大阪・長堀橋スタジオから。
  • 配信形態:前半は YouTube/ニコ生で無料、後半は有料パート。
  • 出演者
    • 伊藤俊幸(金沢工大・虎ノ門大院教授/元・海自潜水艦隊の提督)
    • 中川コージ(戦略学者、インド情勢にも通じる)
  • YouTubeメンバーシップ:一般 1,190円/ごひいきさん 2,990円/「谷町」12,000円。上位会員は“夜鍋”招待や特典動画(「日本偉人伝」、阿比留瑠比氏の回など)視聴可。ニコ動6か月継続者も対象。
  • 楽屋チラ見せ&小ネタ:音声入り/入ってないのボケ、東京豪雨トーク、潜水艦は上層ほど揺れるなど伊藤さんの“元艦長あるある”。

万博トピック

  • 「ミャクミャク」公式使用許可を番組として正式取得
    • 申請〜使用まで約2週間。今後も素材ごとに同程度のリードタイムが必要。
    • 厳格なレギュレーション:半透明化禁止/同一ポーズ多用NG/吹き出し等で“喋っているように見せる”演出禁止など。
    • 運用が「国際標準化」してきたとの所感。無料パート終盤に万博紹介コーナーを予定。

主要ニュース・話題の扱い

番組内アンケートを見ながら順次深掘り。特に取り上げられたのは:

  1. 自民党総裁選:高市氏が出馬意向。小林氏、小泉進次郎氏も出馬へ。
  2. 少数与党下の野党連携が争点:維新・国民民主との距離感を各候補がアピール。
  3. ロシアのポーランド領空侵犯:NATOの結束と防空能力を試す意図か——を深掘り。
  4. 南西諸島防衛・日米実動訓練「不屈の竜」
  5. 『沈黙の艦隊』特別編地上波放送(伊藤さん監修の裏話ネタ)。
    ほか、関平氏への中国制裁、原油備蓄、米移民摘発、トランプ関連、米国内テロ事件(参政党関係者と対談歴ある若手保守系の死亡)等も触れています。

深掘り①:ロシアのポーランド領空侵犯(#10)

  • 重大性:海の無害通航と違い、領空侵犯は即アウト級。本来は撃墜・強制着陸も当然視されるレベルの案件。
  • 伊藤俊幸さんの見立て
    • ロシアは“いつでも越えられる”という示威」。うっかりミスは軍事的に極めて起こりにくい。
    • 背後にはベラルーシとロシアの演習も。抑止維持のため、NATOが“過剰なくらい”政治対応するのは理に適う。
  • コスト非対称安価なドローン vs 高価な迎撃の構図。今後は近距離火器・電子戦・重層防空など費用対効果の高い対処へ。

深掘り②:無人機が変える海の戦い

  • 黒海のロシア艦隊が小型無人艇で大打撃など、低コスト側の優位が現実化。
  • 米海軍でもネットワーク中心戦の深化と“巨大艦偏重”への反省が続く一方、組織文化的抵抗も。
  • 日本では**防衛力強化の柱に「無人アセット」**が明記され、海域運用は比較的進めやすいとの見立て。
  • ただし戦争終結は最終的に有人・占領を伴うため、「ドローン対ドローン」で完全代替はしない。

【重点】中川コージさんの総裁選・政局「構造論」

中川さんは、人物評や単発の政策論よりも、政党システムの“構造”をどう作り替えるかを重視してコメントしています。主張は概ね以下:

1) 自民党=「大屋根(ビッグテント)」という土台

  • 自民党は右から左まで呑み込む“土台(構造)”。総裁選はその“土台の上”でどの形(人物・派閥)を載せるかの話にすぎず、**決着は政策より“人と数(力学・人間関係)”**でつく。
  • この大屋根が強すぎると、有権者は**“土台”にしか投票できず**(細かな政策を選べない)、民意の反映が鈍る

2) 望ましい進化=「分化→近代政党化→再統合もあり」

  • 分化(斥力)してイデオロギーが見える化された複数政党に分かれると、有権者は政策で選べるようになる。
  • 多党でも二大政党でもよいが、一強・55年体制型は日本の国力を痩せさせたという経験則を重視。
  • 分化が進めば、減税論や移民・労働政策などで本気の政策競争が起き、政府側の**説明責任(“投資としての正当化”)**が強まる。
  • 三権分立の再調整(行政優位の是正→国会と司法を強く)も必要。短期的な外交一貫性の後退は許容し、2040年代の厳しい国際環境に備えた**“近代政党化”**を優先すべきというロングレンジ志向。

3) 候補タイプの色分け(“構造”の観点)

  • 分化を促す側(斥力型)高市早苗、石破茂
    • 立ち位置(イデオロギーや人脈)がクッキリしており、自民の“輪郭”をハッキリさせる方向。
    • 中川さんは**「構造改革(分化)の観点なら高市氏に“うんかな”」と、慎重に好意的**評価。
  • 再統合・融和側(引力型)小泉進次郎、林芳正
    • “大屋根”を復元しやすい融和型。見た目は若くとも“自民再統合”の力学に向く。
    • 小泉氏は「元の有和的な自民」に回帰させる方向の人材と位置づけ。
  • ※イデオロギーの右左は異なるが、“構造への効き方”で同じ箱に入ることがある、というのが中川流の整理。

4) いまの総裁選の「実務的焦点」=連立可能性

  • 自民が少数与党になった以上、**“誰がどこと組めるか”**が核心(維新・国民民主が現実的軸)。
  • 参政党との連携を期待する声は一部にあるが、政権運営の現実性からは維新・国民民主が重くなる。
  • 高市氏は右寄りで組みにくいとの受け止めもある中、連立の算段を誰が具体的に引けるかが勝負処。

5) 直近の「三段ショック」が分化を加速

  • 岸田氏の派閥解体宣言 → 政治資金問題の噴出 →(番組文脈では)石破政権誕生、という連鎖で自民の分化が一気に進んだ
  • とはいえ自民の地方組織は依然強大で、再統合(大屋根回帰)の可能性も残る。
  • したがって**“今は分化を前に進めるチャンス”**だが、総裁の力量次第で元に戻るリスクも——という現実的見立て。

中川さんの結論感
「誰の“政策が好き”か」ではなく、“構造をどう動かすか”が肝
分化を進め民意の選択肢を増やすリーダーを評価(=高市氏に相対的な好意)。
同時に、政権運営の現実(連立を組めるか)を満たせる人物でなければ意味がない——という二段の評価軸で総裁選を見ている。


さらなる論点(番組後半で触れた方向性)

  • 「不屈の竜」:南西諸島の離島防衛を想定した日米の実動連携強化。
  • 『沈黙の艦隊』特別編:監修・現場の“摩擦”系の裏話も“低督案件”として軽くイジり。
  • 国会の質:悪口中心の旧来的野党は議席で淘汰されつつあり、政策軸の競争に移行。これは**分化の“効能”**だと評価。

まとめ(要点凝縮)

  • 安保:領空侵犯は“即アウト級”。NATOの政治的過剰反応は抑止上妥当。海は無人アセット主役化でコスト構造が激変。
  • 国内政治(中川論):総裁選は**“構造の争い”**。
    • 分化を進める=高市・石破融和で大屋根回帰=小泉・林
    • 中川さんは構造改革(分化)を優先し、高市氏に相対的な好意。ただし連立の現実性が最重要の実務条件。
    • 分化→近代政党化政策選択が有権者に戻る。行政優位の是正、司法・国会の実効性強化が次の課題。
  • 番組運営ミャクミャク素材の正式許可・厳格運用、**メンバーシップ(ごひいきさん 2,990円)**特典強化でコミュニティを醸成

中川コージさんによる、自民党総裁選の候補者の分類が興味深く感じました。

とにかく、自民党総裁選では多くの国民にとって日本がかかえる課題について数多くの議論がなされることを期待します。

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