サイトアイコン 前参議院議員 浜田聡のブログ

「人が足りないから外国人を入れる」「税収が足りないから増税」という発想からの転換が必要!

今回は、私が普段の政策立案でお世話になっている救国シンクタンク(チャンネルくらら)さんの毎週木曜日のYouTubeライブを紹介します。

最近のニュースに関して研究員の方々の考え方は大変参考になります。

要約は以下の通り。

概要としては「対中外交・外国人政策・増税阻止」をまとめて、高市政権と国民の“最初の共同テスト”だと位置づけた回です。少し細めに整理します。


1.中国「渡航自粛」と水産物制裁:高市政権にとっての最初の試練

(1) 今回の中国側の動き

  • 中国が
    • 対日「渡航自粛」通達
    • 日本産水産物の再輸入停止
      を打ち出し、「日本側が必要な技術資料を出していない」「市場がない」などと理屈をつけて揺さぶりをかけている、という整理。
  • 目的は単に経済制裁ではなく、
    • 日中対立の争点を拡散させる
    • 日本国内の世論分断を深める
      ことにある、と分析。

(2) 倉山氏:外交観と外務省批判、高市政権の“正念場”

  • 外交とは本来「国益をかけたケンカ」であり、
    • 譲るところは譲り、譲れないものは譲らず
    • 国内に一定の不利益を飲ませる覚悟でやるもの
  • しかし日本の外務官僚の一部には
    「他国と仲良くするのが外交」=“親善”と勘違いしている層がいて、
    それが戦後日本外交の弱さにつながってきたと批判。
  • 戦後日本は「日本が謝って丸く収める」パターンで対中関係を処理してきたが、
    高市政権がここで突っぱねれば、この“負の流れ”を断ち切るチャンスだと位置づけ。
  • 中国側としては今回の件で完全に「言い訳不能のやらかし」をしており、
    これに対して日本側が“悪い握手”を求められている状況。
    それを丁寧にさばけるかが高市政権の試金石だと指摘。
  • 薛・中国総領事については、本来なら他国なら即座に「ペルソナ・ノン・グラータ(国外追放)」級だが、
    日本は長年甘やかしてきたため、ここで初めて急にやるのは政治的に難しい面もあると説明。

(3) 内藤氏:やり取りは本来“外交上の挨拶レベル”、外務省の対応ミス

  • 台湾有事をめぐる発言応酬は、本来は
    「寒いですね」「そうですね」レベルの“外交上の挨拶”に過ぎないはずなのに、
    中国側がブチ切れている構図だと皮肉。
  • そういう相手に対して日本がやるべきことは、
    • 表向きは毅然と付き合いを減らす
    • 実務は水面下で調整
      という、静かな距離の取り方だと主張。
  • このタイミングで外務省局長が中国側と会談に行ったことが大々的に報じられたのは、
    情報管理として非常に悪手。
    「決まっていたスケジュールだから行きました」という言い訳は通らず、
    それを変えるのが政治の仕事だと批判。

(4) 渡瀬氏・柳ヶ瀬氏:制裁の実害は限定、日本にとっては“チャンス”でもある

  • 渡瀬氏
    • 中国人観光客の消費や水産物向け輸出は、日本経済全体から見れば“外需の一部”に過ぎない。
    • それが制限された今こそ、「内需拡大のための消費減税」をやる絶好の大義名分が整った。
    • ところが高市政権は、対中強硬姿勢は示しているが、国内向けの大規模減税(消費税減税)を打ち出せておらず、「産業ごとの補助金」に留まっていると批判。
  • 柳ヶ瀬氏
    • 日本の水産物輸出は全世界で約4,000億円規模、その一部が中国向けに過ぎず、制裁のインパクトは限定的。
    • 本当に日本を苦しめるなら半導体で揺さぶるはずだが、中国側は日本への依存が大きく自分が困るので踏み込めていない。
    • つまり中国もかなり追い込まれているサインだ、と分析。
    • 薛総領事は日本の選挙に露骨に介入するポストもしており、以前から「PNGにすべき」と国会で追及していたが、それをやらなかったツケが今きていると回顧。

2.外国人政策・入管制度・移民/帰化問題

(1) 最近の対策:一定の前進

柳ヶ瀬氏が、救国シンクタンクの共同研究として進めている中間報告として紹介。

  • 外免切り替えの厳格化
    • 以前は中国人がホテルを“住所”として簡単に免許切り替えできる状態だったが、
    • 問題数増加などで大幅に厳格化。
  • 経営・管理ビザの要件引き上げ
    • 資本金500万円で不動産買って民泊化する“なんちゃって経営者”を抑えるため、
    • 要件を3,000万円などに引き上げ、審査も厳格化。

(2) それでも残る重大な課題

  • 犯罪外国人の強制送還が十分行われていない。
    • 例えば軽犯罪で執行猶予がつくと、送還対象になりにくい仕組みなど「制度の穴」がある。
  • 帰化要件の「逆転現象」
    • 永住権は原則10年なのに、帰化は5年で可能という逆転状況。
    • 日本パスポート目当て・社会保障目当てなど、「日本への思い入れが薄い“とりあえず帰化”」志望者が急増。
    • 帰化予備軍は200万人規模とされ、中国人100万人単位が帰化した場合の扱いについて国家としての方針がない。
  • 「移民ではない」と言い張る政府
    • 実態としては移民受け入れ政策(技能実習→育成就労制度など)を進めているのに、
    • 「移民ではない」という建前のために、移民戦略そのものを作っていない。
    • 逃亡者・不法滞在者・治安悪化への対処も不十分。

(3) 求められる方向性

  • どこまで外国人を受け入れるのかを含む「人口戦略」を、
    • 人口戦略本部で少子化対策とセットで議論する必要性。
  • 外国人政策の司令塔(小野田氏)の下で、
    • 帰化要件の見直し
    • 違法滞在者・犯罪者の厳格送還
    • 技能実習・育成就労制度の全面的見直し
      を進めるべき、と提言。

(4) 渡瀬氏・倉山氏の視点:規制改革と「足りないから入れる」発想の否定

  • 渡瀬氏
    • 米国の例:学歴・健康・スキルなどによる移民選別は、長期的な社会保障負担を考えた合理的基準。
    • 日本も「誰を受け入れ、誰を受け入れないか」を財政・治安に基づいて決めるべき。
    • 介護・物流などで“人手がかかる”前提の「必置規制」(人員やベッド数などの細かい縛り)が残っているため、「人が足りないから移民を」という本末転倒が起きている。
    • ロボット・自動運転・デジタル化などで省人化し、規制緩和で人手依存構造を変えるべき。
  • 倉山氏
    • 「人が足りないから外国人を入れる」「税収が足りないから増税」という発想は同根。
    • 戦後直後の日本本土人口は6〜7000万人程度で、そこから1億人を超えたのは1965年。
    • 今後仮に8,000万人まで減っても、戦後直後よりは多い。
    • 技術進歩を前提にすれば、まずは「今いる人員と予算でどう回すか」を考えるべきだと強調。

3.増税阻止と減税への道:市民キャンペーン「増税100番」

(1) 高市政権と12月税調:短期決戦の位置づけ

  • 高市政権はまだ財政・税制で十分な“力”を持てていないが、
    • 今年12月の自民党税調こそ「短期決戦」であり、
    • ここで
      • 防衛増税
      • 金融所得課税の増税
      • 各種新税や負担増(GX付加金・社会保険料アップ・出国税など)
        をすべて潰せるかどうかが勝負だと説明。
  • 2025年中に「一切の増税をさせない」実績を作れれば、
    2026年1月に「消費減税」を打ち出す地ならしになると構想。

(2) 具体的ターゲット例:出国税など

  • 出国税:
    • 海外に出る日本人にも一律課税しつつ、
    • 使い道は外国人観光客向けPRや観光協会向け補助など。
    • 「納税者と受益者がズレており、税の正当化ができていない」として、
      → 即時廃止が筋だと主張。
  • 一方、2026年頃導入予定のESTA型入国管理システムの手数料は、
    • 入国希望者が負担する「受益者負担」であり、一定の合理性はあると評価。

(3) 視聴者参加型キャンペーン「増税100番」

  • 新税・負担増を見つけたら、
    • ハッシュタグ「#増税100番」(当初案の「増税警察24時」との比較の末、こちらに決定)でSNS投稿
    • 救国シンクタンクや渡瀬氏宛てに通報
      を呼びかけ。
  • 最近の増税は「税」の名前を避け、「負担」「拠出金」「付加金」など名称を変えているので、
    • 市民からの“通報”がないと拾いきれない、と説明。
  • 渡瀬氏
    • 「マイナス情報(誤報気味情報)でも0よりはマシ。そこから調べて本物なら叩けばいい」
      とし、とにかく情報を上げてほしいと強調。
  • SNSの政治的影響力
    • かつては「地盤が固ければネットは無視」で済んだが、
    • 今は自民党議員でもSNSを意識せざるを得ない時代。
    • 高市総裁誕生自体が「旧メディアに対するSNSの勝利」との位置づけ。
  • メッセージ:
    • 「良いことをした政治家は褒め、悪いことをしたら徹底的に叩く」
    • 「増税したら政治生命が終わる」という恐怖を政治家に植え付けることが重要。

4.救国シンクタンクと関連プロジェクトの紹介

(1) シンクタンクの特徴と会員募集

  • 政府補助金も、大企業・団体からの“紐付き資金”も受けておらず、
    会費と寄付で運営していることを強調。
  • そのため「自由な政策提言」ができているとし、
    • 通常会員
    • 年100万円の特別賛助会員
      への参加を呼びかけ。

(2) 『救国月報』とニュース分析

  • 会員限定レポート「救国月報」では、
    • 一般ニュースで話題になっている重要テーマを適切に分析しつつ、
    • 「皆があまり知らないが実は重要」なテーマも掘り下げる方針。
  • 例として、トランプの支持動向とベネズエラ問題を絡めた分析など、
    他では見られない視点を紹介していると説明。

(3) 小冊子・グッズ類:草の根啓発ツール

  • 内藤氏の冊子『コーランは語る』
    • イスラム教の教えに基づき、「迷惑行為・犯罪行為は彼ら自身の価値観から見ても許されない」と整理。
    • 「外国人への批判=差別」ではないことを示すツールとして位置づけ。
    • モスクに持ち込んだところ、指導者層が写真を撮って拡散しようとするなど、一定の効果があったエピソードを紹介。
  • 「正統図(消頭図)」
    • 皇室の系図を示す巻物を制作費も取らず“着払いで無料配布”。
    • 政治家が事務所に貼っている例(斎藤健一郎氏など)を紹介し、
      皇室への理解を深める啓発ツールとしてPR。

(4) 新刊『合憲自衛隊』とセミナー告知

  • 新刊『合憲自衛隊』
    • 憲法改正が当面進まない現実を前提に、
    • 自衛隊法88条を軸に、自衛隊の権限や運用を見直すことで、
      現行憲法下でも安全保障を強化する“現実的路線”を提示する本として紹介。
    • 年末年始に「カレンダー代わりに本を配ろう」と冗談交じりに複数冊購入を勧める場面も。
  • 11月30日のリーダーシップ講座(地方自治と減税・選挙)
    • 名古屋市の減税事例をもとに、住民投票だけでなく他の税も下げる可能性があることを説明。
    • 地方議員や候補者向けに、「2期目で落ちないための実務」「地域の信頼を得る方法」などを柳ヶ瀬氏・渡瀬氏が解説予定。

5.全体を通じたメッセージ

  • 日中対立・対中制裁は「高市政権にとっての最初の外交試練」であり、
    これをどう処理するかで戦後日本の対中パターンを変えられるかが決まる。
  • 外国人政策・入管・帰化の問題は、
    「人が足りないから入れる」「増税で穴埋め」という発想と根っこが同じであり、
    真っ先に見直すべきは
    • 人手がかかる前提の規制
    • “移民ではない”という建前
      だと指摘。
  • 視聴者・国民に対しては、
    • 「あなたは無力ではない。微力は無力ではない」
    • 増税100番での通報、SNSでの発信、シンクタンクへの参加を通じて、
      高市政権の増税阻止・減税実現、対中外交の強化、外国人政策の立て直しに関与してほしい
      というメッセージで締めくくっています。

「人が足りないから外国人を入れる」「税収が足りないから増税」という発想からの転換が重要です。

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