サイトアイコン 前参議院議員 浜田聡のブログ

東京都議会で可決した女性活躍推進条例←憲法訴訟をせよ by 飯田泰之教授

今回は(も)インターネット番組、ニッポンジャーナルから。


要約は以下の通り。

以下、**ご提示いただいたスクリプト範囲(無料パート中心:~有料切替直前)**を、流れが追えるように「詳しめ」に要約します。
(※冒頭の雑談も“番組の空気”として短く拾い、政策論・論点の部分は厚めにまとめます)


1) 番組の導入・空気感(00:01:25~)

  • MC(山田さん)が「1人MCは辛い」と自虐しつつ、前回MCだった“かやさん”の話題で軽く盛り上げる。
  • 今日の出演は内藤陽介(国際情勢アナリスト/郵便学者)と飯田泰之(明治大教授)
  • ニュース項目を提示し、コメント・アンケで「どれから行くか」を決める流れ。
    • その中で視聴者人気が高いのが「年収の壁178万円」関連。

2) 「内藤陽介氏:英国“王立ロンドン郵趣協会”フェロー就任」(10番ニュース)

2-1. 何が起きたか

  • 内藤氏が英国の“Royal Philatelic Society London(王立ロンドン郵趣協会)”のフェローに選出され、証書を受領したという“番組独自ニュース”。

2-2. 内藤氏の説明(ここが意外と濃い)

  • 「郵趣=趣味」のイメージが強いが、英語圏の **Philately(郵便・切手の研究・鑑定・展示など広い領域)**は“研究”側面が強い、と説明。
  • 日本で「趣味扱い」されると研究として通しづらい、という経験から「郵便“学”者」と名乗るに至った…という背景披露。
  • 協会の権威性として、
    • 王室コレクションは“切手の墓場(ブラックホール)”=市場に戻らない
    • 本物鑑定(特に消印なども含む“真正性”判断)が重要
      など、切手の世界の“鑑定ビジネス/権威”の話へ。

2-3. 番組側の反応

  • 「ロイヤル」という肩書の強さをネタにしつつ祝福。
  • 以降の本題(178万円)へ移る“つかみ”としての役割。

3) 本題:「年収の壁 178万円で合意」(2番ニュース:00:22:30~の核)

ここが番組前半の中心で、飯田氏→内藤氏の順で意味付けをします。

3-1. まず結論:基本的に“良い”/政治的インパクトが大きい

  • 飯田氏は「良いこと」と明言。
  • 理由は「消費マインド云々」よりも、日本の再分配(税・給付)への“社会的合意”をつなぎ止める効果が大きい、という評価。

3-2. 「少数与党」の効き方を強調

  • 「国民民主の看板政策だった178万円」が、完全満額ではないにせよ**“ほぼ回答”**された、と位置づけ。
  • さらに「(総理が交代すると)2か月で片が付く」こと自体が、政治の意思決定の実例として大きい、と語る。
  • ガソリン暫定税率の話題も絡め、「やる気と決断で動く」面を強調。

3-3. 「再分配が“高齢者バラマキ”に見える問題」への問題意識

飯田氏の論旨はかなり明確で、要点はこうです。

  • 近年の日本の再分配は「低所得者支援」を掲げながら、実態として
    • 住民税非課税世帯=高齢世帯が多い
    • その結果、“現役で働いて苦しい層”が置き去りに見える
      という不満が蓄積してきた、と指摘。
  • さらに「所得だけで貧困を測ると歪む」例として、
    • 所得が極端に低い人は、親族支援や資産があるケースも多い
    • 支援がない人は生活維持のため一定の所得が必要
      という話をし、「所得だけ基準の再分配」は納得を壊す、と説明。
  • その納得が壊れると
    • 「働いてる側が損」
    • 「生活保護の不正受給などがあると増税への反発が爆発」
    • 最終的に「再分配そのものをやめろ」になり、社会が荒れる
      という“合意崩壊”のストーリーを提示。

→だから今回の178万円は、景気対策というより、“現役・一般層を助ける政策もやる”という合意回復として高評価、という組み立てです。

3-4. カバー範囲の話(番組内の説明)

  • 具体の設計として、飯田氏は「年収660万円程度まで」などと言及し、世帯の8割程度をカバーと説明(番組内の目安)。
  • つまり“上の層だけ得”ではなく、広い層に効かせる設計を評価。

3-5. 内藤氏の補助線:「平等→公平」への世論シフト/公金不信

内藤氏は、政策そのものに加えて「世論の質的変化」を語ります。

  • 近年、(ネット世論を中心に)「平等」よりも**「公平」**を求める方向へシフトしている、という認識。
  • その象徴例として、(具体事例として)補助金・公金の扱いへの不信が高まったことに触れ、
    • 「わけのわからない名目で税金が使われる」
    • 「そこに“公金チューチュー”的な受給スキームが混ざる」
      ことが、現役層の許容限度を超えた、という語り。
  • だからこそ高市政権は「公平性」志向の主流派を背景に出てきたはずで、次は**歳出カット(無駄の是正)**が重要、という提案に繋げる。

3-6. “自動スライド(インフレ連動)”の論点

  • 内藤氏は、今後インフレ局面では「壁」を放置すると**実質増税(取り過ぎ)**になる、と指摘。
  • 対策として、国民民主が主張してきた
    • 定期見直し条項
    • インフレ・最低賃金等への自動連動
      を制度として入れられるかが次の焦点、と整理。
  • ここで「税収過去最高!」を喜ぶ報道に対して、
    • “取り過ぎは恥ずかしい”
    • 税は本来「割り勘」で、余ったら減らす・返す発想が筋
      という価値観を提示します。

3-7. まとめると:このパートの“番組の主張”

  • 178万円は「景気策」以上に、
    1. 少数与党下での政治の作動
    2. 現役・一般層も救う再分配=社会的合意の回復
    3. 取り過ぎ防止の制度設計(自動スライド)
      を示す“転換点”だ、という構造になっています。

4) もう一つの大きな山:「山上被告、検察が無期懲役求刑(死刑求めず)」

※この部分は“法政策・治安の論点”としてかなり強い言葉が続きます。

4-1. 内藤氏の骨子:これは「国家転覆級のテロ」なので死刑求刑すべき

  • 内藤氏は、安倍元首相銃撃を
    • 選挙期間中に元首相を殺害=民主主義そのものへの挑戦
    • よって「テロ」
      と位置づけ、「無期求刑はおかしい」と強く批判。
  • さらに「テロリストなら(本人も)死刑を覚悟すべき」という“テロの論理”にも触れ、無期求刑はメッセージとして誤る、という趣旨。

4-2. 飯田氏の骨子:比較事例(長崎市長銃撃)から見ても“軽すぎる”

  • 飯田氏は、過去の政治家銃撃事件との比較枠組みで、
    • 当該事件が「政治テロか/金銭トラブルか」が量刑で争点になりうる
    • 今回は被告と安倍氏の個人的利害関係がなく、政治性(テロ性)が高い
      として、無期求刑は理解不能と述べます。
  • ここから「地裁だけでも厳しい判断が出ないと司法信頼が揺らぐ」と論を進める。

4-3. “司法不信が生む副作用”の指摘(ここが番組の怖い論点)

  • 「国家がテロを処罰しない」と受け取られると、社会が
    • 自警団化(私刑・暴走)
    • 捜査協力の低下(犯人隠避が“正義”になる)
      に向かう危険がある、という警告。
  • 要するに「どんなに相手が嫌いでも、政治的暴力を肯定する空気を放置すると社会が壊れる」という論旨です。

5) コーナー:「このショート動画どうや?」

5-1. 扱ったショート動画の内容(番組側の説明)

  • 「武蔵野の政治塾」のイベント映像をもとにしたショートが拡散している、という紹介。
  • そこで、安倍氏の死をめぐる発言に会場で笑い・拍手が起きた、という趣旨の場面が取り上げられた…と番組が説明。
  • 番組スタッフが元映像を確認したところ、当該箇所は編集で盛っておらず、笑い声も実際にあった、と“検証”した体裁。

5-2. 評価:止めはしない、ただ「どう見られるか」を引き受けろ

  • 飯田氏は「共鳴する自由は止められない」が、拡散により国民がどう評価するかは自己責任、という整理。
  • 内藤氏は、こうした発言はネット上で“ストック化”され、忘れられにくい時代だとし、発言の帰結(信用の失墜)を指摘。

5-3. 余談としての政治文化分析

  • 「中央線沿線の政治的傾向」など、東京の地理と運動文化の話に脱線しつつ、
    • 一部地域に“固い客層”がいて、イベントがビジネスとして回る
      という観察も出ます。

6) 番組告知・スポンサー枠(終盤)

  • 1月10日のイベント告知(応募締切12/23 23:59など)
  • 会員制度(ごひ・谷町)の案内
  • 不動産系スポンサー&キャンペーン案内
  • 最後に「有料パートに切り替えます」で無料パート終了

要点まとめ(超圧縮 7点)

  1. 178万円合意は“景気対策”以上に、再分配への納得=社会的合意をつなぐ意味が大きい。
  2. 少数与党化で、国民民主の看板政策が「ほぼ回答」され、政治が動いた実例になった。
  3. 「低所得者支援」が高齢者偏重に見える構造が、現役層の不満を増幅してきた—そこにテコ入れする意義。
  4. インフレ時代は「壁」を放置すると実質増税になるので、定期見直し/自動スライドが次の論点。
  5. 山上被告の求刑は、番組側は強く問題視:選挙期間の元首相殺害=民主主義へのテロという認識。
  6. 司法がテロを適切に処罰しないと、自警団化・私刑化など“社会の副作用”が出るという警告。
  7. ショート動画検証は「止めないが、拡散された評価は引き受けろ」—発言のストック化も含めた現代的論点。

今回の動画内容、有権者として留意すべき点を一つだけ挙げるなら。

有権者としてこの回から一番「投票判断に直結する留意点」を1つに絞るなら、これです。

「年収の壁178万円」みたいな“負担軽減”が一度きりの政治イベントで終わるのか、物価・賃金に連動して“自動で見直される仕組み”になるのかを見極めること。

この回の議論でも、

  • 少数与党化で政策が動いた(=圧力をかければ変えられる)
  • ただし“2年かかった”“まだ既存勢力は強い”
  • 次は「定期見直し(自動スライド)」や「歳出カット(公金の無駄)」に踏み込めるかが本丸
    …という流れでした。

なので投票では、「178万円にした」よりも、次の国会で

  1. 壁の自動スライド条項を入れる気があるか
  2. **増税の前に歳出削減(公金・補助金の精査)**を本気でやるか
  3. その方針を実際の法案・採決行動でやるか
    ここをチェックするのが最重要です。

さて、今回の番組では、東京都議会で女性活躍推進条例が可決したことにも触れられていました。この点は↑の要約ではあまり出てこないので、あらためてまとめます。

番組内で「女性活躍推進条例(東京都の施策)」に触れている部分のコメント要旨は、だいたい次の塊です(※この回では“条例条文の精査”というより、「公金の使い方/公平性」の文脈での批判として出ています)。

1) 問題視している対象

  • 東京都などが“男女平等推進”名目で実施・補助している事業の中身が、現役世代の感覚から見て「無駄」「行き過ぎ」「思想的押し付け」に見える、という指摘。
  • 具体例として、男性に“生理・妊娠体験”をさせるプログラムに触れ、
    • 苦痛を伴う(電気刺激のようなものを想起させる)
    • 1回あたり40万円とされる高額
    • 「金が余ってるなら返せ」という感情を招く
      という論調。

2) 何が論点だと言っているか

  • キーワードは 「平等」から「公平」へ
    • 「困っている人の支援」は否定しないが、
    • **“わけのわからない平等”を口実に、公金が吸われる構図(公金チューチュー)**が許容限界を超えている、という認識。
  • その結果、現役で働く層が「自分たちが搾り取られている」と感じ、政治不信・再分配不信が強まる、と説明。

3) 法・人権の観点での言及(強め)

  • その種の事業は、場合によっては
    • 思想・良心の自由への踏み込み
    • 身体的な苦痛を与える行為(“身体罰”に近い)
      の問題がありうる、と示唆。
  • ここで、日弁連など“人権派”が声を上げないのはダブルスタンダードでは、という批判的な語りもあり。

4) 次に求める方向性

  • 「増税/負担増の前に、まず切るべき支出を切れ」という流れの中で、
    • こうした事業・補助金は精査対象
    • “必要なら私費(寄付・クラファン等)でやればよいが、公金を使うな”
      といった整理。
  • 高市政権(番組文脈)には、次は歳出カット=公金事業の見直しに踏み込め、という期待(というより要求)として語られていました。

この点、さらに踏み込んで、この条例が憲法違反の可能性に注目した対処法が語られていました。

番組が勧めていた対処(憲法面を突く)

  • (都の事業・補助金の枠組みの中で)男性に“生理・妊娠体験”をさせるようなプログラム(電気刺激のような“苦痛を与える体験”を想起させるもの/高額補助の話が出ていた)について、
    「憲法上の権利侵害(思想・良心の自由への踏み込み、身体への侵害=身体的苦痛を伴う介入)」になり得るとして、
    **“まともな弁護士が憲法訴訟を起こして止めるべき(問題性を司法の場で明確化すべき)”**という趣旨。

その狙い(番組の論理)

  • こうした事業を「啓発」「平等推進」の名目で公費補助すると、
    現役世代の“公平感”を壊し、再分配そのものへの不信を招く。
  • だからこそ、**「公金でやるな」**を徹底するために、
    違憲・権利侵害の疑いを正面から争点化して“止める手段”として使うべき、という位置づけでした。

※補足:番組内で明示的に出てきたのは「憲法訴訟を起こすべき」という方向性で、細かい手続(監査請求・差止め等)までの具体メニューはこの回では深掘りしていません。

飯田泰之さんが番組内で提案していた憲法訴訟、大変興味深いです。

先日の都議会本会議で女性活躍推進条例が可決したわけですが、参政党会派の反対討論の中に以下の内容が込められていました。

ポイント:条例案において、法律家に相談していない

「そもそも必要性を感じなかったので、合憲性も上乗せ条例の議論も法律家への相談もしていない状態で条例案を上程し、決裁資料は一切ありません。」

行政文書の開示結果です。
他会派の人、何を根拠に賛成するんだろうか…

そう言えば
本会議場で江崎の質問に対して
「当たり前だろ(合憲性について)。」
というヤジがあったけど
その人は何を根拠にそう言えたんだろ…?

僕らは徹底的にレクを受けました。
何日も、何時間も。
その答えが、これです。

手続き上の不備として明らかなものに思えます。

それだけに、飯田泰之さんご提案の憲法訴訟をやる意義が大きいように思います。

色々と動いてみようか、検討します。

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