今回は自衛隊のあり方について。
私が政策立案でお世話になっている救国シンクタンクが作った書籍があります。
合憲自衛隊 – 新自衛隊法 九条のままでも戦える組織に – Kindle版 小川 清史 (著), 倉山 満 (その他), 横山 賢司 (その他)
憲法改正は必要かもしれませんが、その大きなハードルを越えなくてもできることはたくさんある、という考え方は重要と思います。
この本の内容紹介動画を2つ。
要約は以下の通り。
動画「【合憲自衛隊】自衛隊がポジティブリストで戦うとどうなる?」の要約を報告します。
元陸将の小川清史氏と憲政史家の倉山満氏が、自衛隊の運用を縛る法体系の問題点と、それを「ネガティブリスト(禁止事項以外は自由)」へ転換する必要性について議論しています。
1. ポジティブリスト運用の限界
現在の自衛隊は「法律で許可されたこと以外はできない」というポジティブリスト型で運用されています [00:34]。
有事の際でも、道路交通法、建築基準法、消防法などの一般法(行政法)に抵触しないよう、膨大な「適用除外」をあらかじめ設定しておく必要があります [03:33]。
この方式では、想定外の事態が起きた際に「法律違反」を恐れて動けなくなるリスクがあり、軍事組織としての機能を著しく損なっていると指摘されています [04:15]。
2. 「行政組織」から「軍事組織」への転換
小川氏は、ポジティブリストを増やすことは「仕事を増やす行政組織」への道であり、軍事組織の本質から離れていくことだと警鐘を鳴らしています [00:42]。
本来の軍隊は、作戦目標の達成のために「原則自由」に動き、政治がROE(部隊交戦規定)によってコントロールするものであるべきだと述べています [06:52]。
3. 『合憲自衛隊』による具体的提言
小川氏らの著書『合憲自衛隊』では、自衛隊を「禁止事項以外は自由に行動できる」ネガティブリスト型の組織にするための具体的な法改正案を提示しています [08:44]。
この改正案には、自衛隊法88条を基軸とした運用や、他省庁・地方自治体との連携についても考慮された詳細な対照表が含まれています [08:01]。
4. シビリアンコントロールの本来の姿
リーダー(政治家)が強力な道具(軍隊)を使いこなす能力を持つことが、真のシビリアンコントロールです [06:21]。
「危なくないから安心」という理由で軍隊を弱めるのではなく、強い組織を政治が責任を持ってコントロールする体制が必要であると強調されています [06:03]。
視聴URL: https://youtu.be/i56o2g-fMxQ
この件については、私は参議院で参考人の先生に質問したことがあります。
要約は以下の通り。
この動画は、NHK党の浜田聡議員が国会中継において、元海上自衛隊自衛艦隊司令官の香田洋二氏(動画内では「甲田参考人」と呼称)に対し、**「自衛隊のあり方(軍隊か警察か)」**について問いかけた際のやり取りをまとめたものです。
主な内容は以下の通りです。
1. 浜田議員の問いかけ [01:42]
浜田議員は、警察と軍隊の法体系の違いを以下のように定義し、自衛隊の現状に疑問を呈しました。
警察: 「やっていいこと」が決められている(ポジティブリスト)。
軍隊: 「やってはならないこと」が決められており、それ以外は自由(ネガティブリスト)。
死に物狂いで最新兵器を持って攻めてくる相手に対し、警察のような法体系(やっていいことしかできない状態)では対処できないのではないか、自衛隊も「軍隊」として動けるべきではないかと質問しました。
2. 香田氏の回答:「一番恐れていた質問」 [02:43]
香田氏はこの問いに対し、「一番恐れていた質問が来た」と前置きし、実務者としての視点から回答しました。
法の及ばない相手: 警察が相手にする国内の犯罪者は日本の法律でコントロールできるが、軍事組織が相手にする「外国」には日本の法律が及ばず、相手は何でもありで攻めてくる [03:24]。
自衛隊の制約: 自衛隊は警察予備隊を前身とし、憲法9条の下で「警察的」な仕組みでコントロールされているため、実戦において大きなブレーキ(制約)がかかる懸念がある [04:37]。
3. シビリアン・コントロールの真意 [05:13]
香田氏は、シビリアン・コントロール(文民統制)には2つの側面があるべきだと強調しました。
自衛隊を暴走しないよう厳格に管理・抑制すること。
有事の際に、自衛隊が国を守るために最も能力を発揮しやすい環境(法整備など)を整えること。
香田氏は、これまでの40年間は前者の「抑制」ばかりが議論されてきたが、後者の「働きやすい環境作り」も国民の責務であり、真のシビリアン・コントロールであると締めくくりました [05:41]。
視聴URL: https://youtu.be/DOl0gailvVQ
次の動画。
要約は以下の通り。
動画「【合憲自衛隊】現行憲法下で軍法会議は作れるのか?」の要約を報告します。
弁護士の横山賢司氏が、現行憲法の下でどのように軍法会議(またはそれに準ずる組織)を合憲的に設立できるか、その具体的な試案を解説しています。
1. 憲法による「特別裁判所」の禁止
日本国憲法第76条第2項は「特別裁判所」の設置を禁止しており、これは戦前の軍法会議のような、最高裁判所から完全に独立した司法機関を否定するものです [01:28]。
したがって、現行憲法下で従来型の「軍法会議」をそのまま作ることは憲法違反となります [01:11]。
2. なぜ「軍事裁判」の機能が必要なのか
武力攻撃事態においては、自衛官や敵国の捕虜が国際法(国際人道法)に違反したかどうかを判断し、戦争犯罪を処罰する機関が不可欠です [02:41]。
現在の政府見解では、戦争犯罪も日本の刑法(殺人罪や傷害罪など)を適用して通常の裁判所で裁くことになっていますが、これでは国際法を日常的に扱わない裁判官に過度な負担がかかるリスクがあります [05:13][06:31]。
3. 合憲的な解決策:「軍事審判所」の提案
横山氏は、完全独立型ではなく、通常の裁判所をサポートする形での「軍事審判所」の設置を提案しています [04:14]。
具体的には、防衛省や自衛隊内に設置された審判所が国際法違反の有無を独自に心理し、その結果を「意見」として通常裁判所に提出する仕組みです [04:43]。
この形であれば、最終的な判断権は通常裁判所にあるため憲法に抵触せず、かつ専門的な知見に基づいた合理的な処罰が可能になります [06:55]。
4. 結論:国際標準への歩み寄り
日本が国際紛争において適切に戦争犯罪を処理し、国際的な信頼を得るためには、現行憲法の解釈の範囲内でこのような準司法的な機能を備えることが重要であると述べています [07:10]。
視聴URL: https://youtu.be/E4dtTO96hyY
合憲的な解決策としての「軍事審判所」は興味深いです。
イラン情勢、台湾情勢など日本がいつ戦争をふっかけられるかわからない状況で、その対策としての法令改正そして憲法改正が進むことを期待します。

