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「非課税」と「ゼロ税率」を混同するな!食料品消費税ゼロを大幅減税への突破口に

今回は(も)私が政策立案でお世話になっている救国シンクタンクのレポートから。

救国シンクタンク注目ニュース 2026/06/11~2026/06/17

昨日とは別のニュース解説を。

54【経済財政】

日経新聞 2026/06/16 自民の農相経験者ら、消費税減税に慎重論 農家に3800億円負担の試算

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA161960W6A610C2000000/?n_cid=dsapp_share_ios

【研究員コメント】

「食料品を非課税にすれば農家が3800億円を負担する」という主張は、消費税の非課税とゼロ税率の扱いを区別しない記事。消費税非課税になれば農家は通常税率の肥料などに含まれている消費税を転嫁できず3800億円負担になるという主張だが、ゼロ税率ならそういった負担は生じないことを自民党内でもきちんと区別して議論すべきだ。推進すべきは消費税のゼロ税率だ。(金子)

わかりやすい追加説明。

消費税の「非課税」と「ゼロ税率」の違いは、一見どちらも「お店で消費税を払わなくていい」という意味で同じように思えますが、「お店や農家(事業者)が、仕入れのときに払った消費税を国から返してもらえるかどうか」という点で、天と地ほどの差があります。

お店や農家の視点に立って、説明しますね。

前提:ふつうの消費税のしくみ

農家が100円の肥料を買い、作った野菜を300円で売るとします(わかりやすく税率10%で計算します)。

  1. 仕入れ: 肥料を買うとき、10円の消費税を払う。

  2. 売り上げ: 野菜を売るとき、30円の消費税をお客さんから預かる。

  3. 国への納税: 預かった30円から、自分が先に払った10円を差し引いて、差額の20円を国に納める。

これが普通のしくみです。農家が先に払った10円はちゃんと差し引かれるので、損はしません。

1. 「非課税」は、農家が大損する

政府が「食料品は非課税にします!」と言った場合です。

  • お客さん: 野菜を消費税なし(300円)で買えるので嬉しい。

  • 農家: お客さんから消費税を預からない(0円)ことになります。

  • ここが落とし穴:非課税になると、農家は消費税の計算ルールから完全に仲間外れにされます。その結果、「肥料を買ったときに払った10円」を国から返してもらえなくなります。

💡 結果: 先に払った10円の消費税が、そのまま農家の「自腹(コスト)」になってしまいます。これが積もり積もって、記事にある**「日本中の農家で合計3800億円の負担増になる」**という話の正体です。

2. 「ゼロ税率」なら、誰も損しない

研究員が「こっちにするべきだ」と言っている、税率を「0%」にする場合です。

  • お客さん: 消費税0%なので、もちろん税金なし(300円)で買えて嬉しい。

  • 農家: お客さんから預かる消費税は0%なので0円です。

  • ここがポイント:「ゼロ税率」は仲間外れではなく、立派な消費税のルールの内側です。そのため、「肥料を買ったときに払った10円」を、国に申請してしっかり返してもらう(還付)ことができます。

💡 結果: お客さんは税金ゼロで買えて、農家も仕入れの消費税を国に返してもらえるので、誰も損をしません。

まとめると…

政治家たちが「食料品の消費税をなくすと、農家が3800億円も自腹を切ることになってかわいそうだ!」と反対しているのは、「非課税」のやり方しか頭にないからです。

研究員は、「やり方を『ゼロ税率』にすれば、農家は1円も自腹を切らなくて済むんだから、そっちで議論しなよ」とツッコミを入れているわけです。

関連ポストを紹介します。

食料品消費税率0%にした場合、農家は消費税還付を受ければ良いだけなんじゃないのかなと。

税理士を雇うことは経営コストとしてそもそもやっておくべきであるし、農業の大規模化が進むきっかけにもなるので、むしろ政策としては望ましいです。

何の問題があるのか分かりません。

国民民主党の主張は、自民党が農業大規模化に舵を切ろうと改革しようとしているのに、あえて自民党の支持基盤である零細農家を焚き付けて、その方向を潰そうとしているように見えます。

日本の農政をどうしたいのか、競争力強化の観点から政策を見るべきです。

関連する動画を紹介します。

内容は以下の通り。

YouTube動画は、公認会計士・税理士の山田真哉氏による「食料品の消費税ゼロ(0%)が実現したときに日本で本当に起きること」を専門家の視点からリアルに解説したものです(2026年2月の衆議院選挙時の公約議論をベースにしています)。

先の「非課税」と「ゼロ税率」の話とも深くつながる内容ですが、動画ではさらに「実務上の生々しい問題」に踏み込んで解説しています。主なポイントを3つに分けて分かりやすく説明します。

1. お店やスーパーの「価格」は本当に下がるのか?(10%分安くならない?)

理論上(税抜き派の考え)では、税率が0%になればその分だけ商品価格は安くなるはずです。しかし、山田氏は「実際には10%分丸々安くなるケースはほとんどない」と指摘しています。

  • 理由①:世界的な前例

    過去にヨーロッパなどで食料品の税率を引き下げた国々でも、お店側が便乗値上げをしたり、価格を据え置いたりしたため、消費者が実感できるほど下がらなかったケースが多い。

  • 理由②:物価高の吸収

    今は円安や原材料高で、お店側も「本当は値上げしたいけれど我慢している」状態です。消費税が0%になったタイミングを機に、たまっていたコストを価格に転嫁(実質的な値上げ)する可能性が極めて高い。

2. 小さなお店や農家に襲いかかる「大増税」と「事務負担」

ここが先ほどの「ゼロ税率なら農家は損しない」という話の裏側にある、実務上の大きな落とし穴です。

  • 毎月確定申告が必要になる(資金繰りの悪化)

    ゼロ税率になれば、仕入れで払った消費税を国から返して(還付して)もらえます。しかし、国の還付は通常「年に1回」です。

    先に仕入れの税金を払い続け、戻ってくるのが1年後では、小さなお店や農家は手元の現金がなくなって倒産(黒字倒産)しかねません。 これを防ぐには「毎月、消費税の確定申告をする」という、とてつもなく面倒な事務作業が発生します。

  • インボイスの強制登録

    国から税金を返してもらうためには、インボイス(適格請求書)の発行事業者にならざるを得ません。これまで免税事業者だった小さな農家や個人商店も、強制的に複雑な税金の世界に巻き込まれます。

3. 税率が「3つ」に乱立する大混乱

もし食料品が0%になると、日本の消費税率は以下の3つが同時に存在することになります。

  1. 通常のもの:10%

  2. 新聞など:8%(現状維持の可能性が高い)

  3. 食料品:0%

レジの設定、会計ソフトの入力、領収書の仕分けなど、現場の事務負担はこれまでのインボイス導入時を超えるレベルで「相当めんどくさいことになる」と、会計士の視点から強く警鐘を鳴らしています(山田氏個人としては、やるなら新聞も10%にして、0%と10%の2つにすっきり分けてほしいと述べています)。

💡 この動画の結論

消費税を「ゼロ(0%)」にすることは、一見すると「消費者の味方」で素晴らしい政策に見えます。

しかし現実は、「思ったほど食料品は安くならず、その一方で農家やスーパー、飲食店は地獄のような事務負担と資金繰りの苦しさに追われることになる」という、理想と現実のギャップ(怪物のような複雑なシステム)が待っている、というのがこの動画の一番伝えたかった「超真相」です。

山田真哉さんの警告内容はもっともですが、それでも私はこの食料品消費税減税は進めるべきと考えます。

それは「さらなる減税を推進するための突破口」として。

先の衆院選での私の掲げた政策を共有します。

【Q11】食料品にかかる消費税を0%にすべきだ

賛成

【Q11】詳細回答(自由記述)

日本自由党は軽減税率を一律減税に改め、インボイス廃止を掲げています。高市首相がテレビ番組で食料品減税は可能と白状したのは一歩前進です。本来、税制は簡素であるべきで「一律減税」が理想ですが、英国等の「ゼロ税率」成功例を鑑み、食料品減税を突破口とすることは否定しません。ただし、ゼロ税率ではなく、仕入税額控除が使えない「非課税」の導入の弊害には注意が必要です。まずは食料品を足掛かりに、最終的にはシンプルな一律大幅減税で国民負担率50%の現状を打破すべきです。徴税側・納税側、双方の利益のため、制度はシンプルなほうが良いのです。

このように、食料品の消費税ゼロ(0%)の導入には、会計士の山田真哉さんが警告されるような事務負担や資金繰りの問題、さらには既得権益の抵抗といった「実務上の高いハードル」が存在することは紛れもない事実です。

しかし、だからといって減税の手を止めてしまっては、財務省の思うツボであり、国民負担率50%という「五公五民」の過酷な現状を打破することはできません。小規模農家の会計の適正化や農業の大規模化・競争力強化といった課題は、減税とセットで乗り越えていくべき前向きな変革です。

まずは救国シンクタンクの金子研究員が指摘されるように、自民党内や国会での議論において「農家に負担を押し付ける『非課税』」と「誰も損をしない『ゼロ税率』」の仕組みを明確に区別させることがスタートラインです。

私たちは、この食料品減税を決してゴールとは考えていません。これを確実な足掛かり(突破口)としながら、最終的にはインボイスを廃止し、誰もが理解しやすい「シンプルで公平な一律大幅減税」を実現すること。これこそが、徴税側・納税側、そして何より物価高に苦しむすべての国民の利益につながる唯一の道だと確信しています。

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