今回は減税TVの動画から。
内容は以下の通り。
1. シンガポールと沖縄・日本
地理的ポテンシャルの差:シンガポールは東京23区ほどの狭さでありながら、世界屈指の経済都市に発展している [01:09]。沖縄も地理的に上海、台北、九州、韓国に近く、流通のハブになれる高いポテンシャルがあるにもかかわらず、全国所得ランキングで最下位が続いている [01:20]。
政府や政治の質の差:沖縄の所得が上がらない原因は政府や保守側の質にあると指摘 [01:52]。公共事業(土木など)でお金を持ってきても、結局は本土の技術を使うため地元に還元されにくい構造になっている [02:06]。観光業も資本が東京や海外のホテルに流れてしまい、地元には安い労働力としての利益しか残りにくい [02:21]。
製造業の重要性:シンガポールは金融都市のイメージが強いが、実は製造業が土台としてしっかり機能しているからこそ強い経済が作られている [02:43]。
2. シンガポールの移民政策と日本の課題
移民の「分散」政策:シンガポールでは、特定の民族が一箇所に集中して不透明なコミュニティを作るのを防ぐため、マンション(団地)ごとに居住できる民族の割合を徹底的に「分散」させて規制している [03:55]。
日本のほったらかし現状:日本(埼玉の川口市など)では外国人コミュニティの集中を放置しすぎているため、日本人が逃げ出してしまいブラックボックス化が起きている [04:24][05:24]。移民や外国人を受け入れる際は、強制力を持ってバランスよく住んでもらう仕組み(ゾーニング・分散)が必要であると提案 [05:28]。
3. 南アフリカの発展と先進的な仕組み(リープフロッグ現象)
人口爆発と医療変化:これまでは感染症で子供が亡くなる前提で多く産んでいたが、ワクチン等の普及により死亡率が下がり、今後は人口爆発と生活習慣病の増加のフェーズへ移行している [06:14]。
日本を超えるテクノロジー導入:インフラが整っていないからこそ、一足飛びで最新技術が普及する「リープフロッグ(蛙跳び)」が起きている。具体的には、オンライン診療の普及や、道路事情が悪いため血液製剤をドローンで運ぶ仕組みが実用化されている [06:42][06:59]。
健康増進型保険(バイタリティ)の発祥:健康努力(歩く、禁煙など)で保険料が下がる民間保険の仕組みは、実は南アフリカが開発したもの。病気にならないインセンティブを作る仕組みが日本よりも進んでいる [07:07]。
中国のアフリカ進出:アフリカ全体にいる日本人は約1万人に対し、中国人は約100万人。日本企業はコンプライアンス等で進出を躊躇しているが、成長市場への投資で遅れをとっている [08:32]。
4. 台湾・韓国の経済と日本の規制問題
日本の「安さ」と貧困化:台湾は半導体景気で物価も日本より高く、韓国も日本より物価が高くなりつつある。海外旅行に行けなくなるほど日本が貧乏になっている現実がある [11:22]。
ライドシェアと交通規制の遅れ:台湾や南アフリカ、ラオスなどではUberをはじめとするライドシェアが1分で来て安く利用できる。一方、日本はタクシー業界が過剰に守られており、価格が高く、アプリ利用で謎の手数料(500円など)が取られるなど、いかに日本の規制が遅れているかが指摘されている [11:47][12:08]。
価格統制の弊害(台湾新幹線):台湾の新幹線(日本の技術がベース)は非常に快適だが、政府が上限価格を約6000円に固定している。ダイナミックプライシング(変動料金制)を認めないため、競合する航空会社が1社潰れるなどの弊害も起きている [12:43]。
5. 総括・告知
ライドシェア解禁については何度か取り上げてきました。
現時点での日本におけるライドシェア解禁の動きをまとめてみました。
日本におけるライドシェア解禁をめぐる現状と動きは、大きく次の2つの段階に分かれています。
1. 現在の状況:「日本版ライドシェア」の部分解禁(2024年4月〜)
現在は、海外のような完全な自由化(Uber等のプラットフォームと個人が直接契約する形)ではなく、「タクシー会社の管理下」で一般ドライバーが自家用車を使って客を運ぶという日本独自の仕組み(正式名称:自家用車活用事業)が運用されています。
限定的な運用:全国各地(主要都市部や観光地など)へ順次拡大されていますが、客観的なデータに基づいて「タクシーが不足する地域・時期・時間帯」に限定して許可される仕組みです。
参考リンク:どうする!?ライドシェア②「日本版ライドシェア」とは | SOMPOインスティチュート・プラス / 2024年4月より本格スタートした「ライドシェア」の現在地と課題|SmartDrive
2. 今後の焦点:一般企業・個人の「完全解禁(新法)」をめぐる議論
タクシー会社を介さない、海外と同様の「完全解禁(自由参入型)」を認めるかどうかについて、政府内や国会で議論が続いています。
推進派の主張:観光地や地方の「移動の足不足」を根本的に解消するため、一般企業の参入やダイナミックプライシング(需要に応じた価格変動)の全面導入、新法の制定を急ぐべきだとしています。
慎重派(国交省・タクシー業界)の主張:事故が起きた際の「運行責任」や、ドライバーの「安全管理・適切な労働環境の確保」を前提とすべきであり、安易な自由化ではなく管理された形での導入を重視するスタンスです。
直近の法改正の動き:地方や過疎地などのいわゆる「交通空白地帯」を解消するため、自治体やNPOが主体となる「公共ライドシェア」の推進に向け、スクールバスや病院バス、地域の輸送資源をフル活用して最適な形態で運送を提供する「地域公共交通活性化再生法」の改正案などが議論・整備されています。
参考リンク:地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案(PDF) | 国土交通省 / 日本版ライドシェアとは?自治体事例や公共ライドシェアとの違い・制度を解説 | ジチタイワークス
【まとめ】
現状は「タクシー会社が運行を管理する限定的な解禁(自家用車活用事業)」にとどまっており、誰もが自由に参入できる「完全解禁」に向けた法改正については、安全性の担保や責任の所在、労働環境の確保をめぐり、慎重な議論と調整が続けられている段階です。
6月30日の日経新聞記事:
ライドシェア全面解禁また先送りhttps://t.co/bscvzq9imL
国交省や自民議連などは、今回の政府答申でライドシェア自体の記載を削除しようと動きました。移動の足不足が深刻な中、自民が固定票として期待する業界団体への配慮が透けます。
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) June 29, 2026
【記事のまとめ】
ライドシェア全面解禁の再先送り
政府の規制改革推進会議が2026年6月29日にまとめた答申では、タクシー会社以外の参入を認める「国際標準のライドシェア全面解禁」の明記が見送られ、慎重な表現にとどまりました。
背景にある「政官業のなれ合い」と政治的駆け引き
国土交通省や自民党の議連(高市首相や城内規制改革相が中核)は、業界団体の固定票への配慮や安全面への懸念からライドシェアの記述自体の削除を求めました。これに対し、政権に参画した日本維新の会が反発したため、文言自体は残ったものの実質的な進展は先送りとなりました。
世界の潮流との乖離(イノベーションの停滞)
海外では、イギリスで米中の新興企業が自動運転タクシー(ロボタクシー)の運行を競うなど「移動の最先端」が進化しています。日本は資金・技術的な壁がないにもかかわらず、規制緩和が進まないため企業のイノベーションや新陳代謝が阻まれています。
高市政権の姿勢(財政主導、規制改革への熱意不足)
現政権は「責任ある積極財政」を掲げ、AIや半導体への巨額の財政出動に軸足を置いています。そのため、お金をかけずに経済成長を促せる「規制改革」への熱量が乏しいと指摘されています。
国民の認知度と賛否のギャップ
日本国内ではライドシェアの利用経験がない人が多いため導入反対が約6割を占めますが、海外での利用経験者に限ると賛成が8割を超えており、国民の経験不足も改革が進まない一因となっています。
海外での利用経験者が少ないことが、改革が進まない一因というのはその通りだと思います。
一度、海外に出て経験することは重要と思います。その候補先をまとめてみました。
日本から飛行機で数時間で行くことができ、移動手段として国際標準のライドシェアが完全に定着している手軽な旅行先を3つ厳選してご紹介します。
いずれの国も、海外のライドシェア特有の「事前に行き先を指定」「明朗会計」「アプリ決済」という快適さを、治安の良い環境で安全に体験することができます。
1. 台湾(主要都市)
日本から約3〜4時間、週末弾丸旅行も可能な最も手軽な海外旅行先です。
使えるアプリ:Uber(ウーバー)
特徴:日本でダウンロード・設定したUberアプリがそのまま画面も日本語で使えます。台北、台中、高雄などの都市部では数分で車が到着します。ぼったくりの心配がなく、日本のクレジットカードで自動決済できるため非常に手軽です。
2. 韓国(ソウルなど)
日本から約2〜2.5時間と最も近く、旅費も抑えやすい旅行先です。
使えるアプリ:Uber(現地では主に地元タクシーと提携した「Uber Share」やタクシー配車として稼働)
特徴:韓国も日本で使っているUberアプリが設定変更なしでそのまま利用可能です。目的地をアプリ上で日本語検索でき、クレジットカードによる事前決済に対応しているため、現地の言葉が話せなくてもスムーズに移動できます。
3. シンガポール
動画内でも言及されていた、東南アジアのイノベーションと経済のハブ都市です。日本からは約7時間かかりますが、英語が通じ、治安が極めて良いのが特徴です。
使えるアプリ:Grab(グラブ)
特徴:シンガポールをはじめ東南アジアでは、Uberの事業を引き継いだ「Grab」が圧倒的なシェアを持っています。一般の自家用車(ライドシェア)やタクシーを瞬時に呼ぶことができ、料金の透明性やドライバーの質も非常に高いです。
【体験する際のアドバイス】
どの国に行く場合も、「日本にいる間にアプリのダウンロード、アカウント登録、クレジットカードの連携まで完了させておくこと」を強くおすすめします。現地に到着してから登録しようとすると、日本の電話番号宛てのSMS認証(番号確認)が届かず登録できないトラブルが多いためです。
もし旅行の計画を立てる場合は、現地の交通事情や最新スポットが網羅されたガイドブックを一読しておくと便利です。
台湾エリアの移動や観光情報には D10 地球の歩き方 台湾 2025~2026 が非常に詳しくておすすめです。
シンガポールの最新スポットや交通網を網羅するなら、るるぶシンガポール’26 などが見やすくて重宝します。
世界の「移動の最先端」は、自動運転タクシー(ロボタクシー)の運行競争が始まるなど、ものすごいスピードで進化を続けています。
資金や技術的な課題がほとんどないにもかかわらず、日本だけが独自の「限定的な解禁」に固執し、世界から置いていかれている現状には、一人の国民として強い危機感を覚えます。海外旅行のハードルが物価高で上がっている今だからこそ、まずは手軽に行ける台湾や韓国などで、国際標準のサービスを肌で感じてみる重要性は増しているのではないでしょうか。
政治が業界への配慮を優先し、イノベーションの芽を摘み続ける現状は打破しなければなりません。
日本の衰退を止め、豊かな社会を取り戻すため、引き続き国政・地方それぞれの視点から、徹底した規制改革と社会のアップデートを訴えてまいります。

