サイトアイコン 前参議院議員 浜田聡のブログ

2700km超長距離ドローンが変えた現代戦〜ロシアの綻びを冷徹に我が国の国益に変えよ〜

今回は(も)私が政策立案でお世話になっている救国シンクタンクのレポートから。

救国シンクタンク注目ニュース 2026/06/25~2026/07/01

◆◆ 救国シンクタンクメールマガジン 2026/07/03号 ◆◆

救国シンクタンクでは、国内外のニュースを倉山塾有志のご協力により集積しています。

集積されたニュースは、小川清史(救国月報編集長)の方針により倉山満所長と内藤陽介研究員がスクリーニングを行い、その中からさらに注目したものを抽出して、研究員がディスカッションを行います。

今回は7月2日の研究会(ニュース分析)で取り上げた注目ニュースをご紹介いたします。

なお数字は、別添のExcelのニュース集積表の番号です。

青色(今週のTOP)、緑色(最注目)、黄色(注目)のマーキングには研究員コメントが記載されています。

今週のTOPニュース 国際42

42【中南米】 日経新聞 2026/06/25 フジモリ氏長女が事実上の勝利宣言 ペルー大統領選、対立候補は異議              https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN252EK0V20C26A6000000/

【研究員コメント】

コロンビアに続いて、ペルーでも左派政権の退陣が決定。予定通りといえば予定通りだが、キューバを締め上げるうえで周辺諸国を固めていこうというアメリカの政策に沿った形で、民意も動いている(この期に及んで、親キューバの左派はあり得ないとの認識が急速に拡大)のが大きい。ただし、左派勢力もそれなりに票を取っており、それなりに地盤が固いので、油断は禁物(内藤)

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(文責:事務局)

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このレポートで紹介されているニュースのうち、ウクライナーロシア戦争に関するものをピックアップします。

レポートの概要は以下の通り。

全体として、「ウクライナが戦略をガラリと変え、ロシアの『戦争を続ける能力』を限界へ追い込みつつある」という、戦局の大きなステージの変化が見て取れます。

1. ウクライナの新戦略「40日間の作戦」と認知戦

  • 戦い方の目的をシフト: これまではウクライナ領内のロシア軍を排除することに注力していましたが、それではプーチン大統領の意思を挫けないと判断し、戦略を転換しました。

  • ロシア国民の「厭戦(えんせん)気分」を狙う: ロシア領内への直接攻撃を強めることで、ロシア国民に「自分たちも当事者(戦場)である」と認識させ、戦争反対の世論を高める「認知戦」を展開しています。プーチン氏が主張してきた「国内は平時である」という前提を崩すのが狙いです。

2. 進化するドローン攻撃とロシアの損害

  • 自国製ドローンの長射程化: ウクライナは独自にドローンを進化させ、ロシア領内深くの精油所、通信所、兵器工場、防空システムなどを的確に破壊しています。

  • クリミアの孤立化: ロシアが支配するクリミア半島の補給路が打撃を受け、住民が給油もできない状態に陥ったため、現地当局は非常事態宣言を発令しました。

  • 人海戦術を上回る損耗: ロシア軍の兵士の損害数が、新兵の補充数を上回るペースになっており、物理的・精神的に大きなダメージを与えています。

3. ロシア軍の焦りと「限界」の兆候

  • 東部戦線の停滞とベラルーシへの圧力: 東部(ドネツク・ルガンスク)の完全制圧が頓挫しているため、プーチン大統領は隣国ベラルーシに「参戦(約5万人の兵力投入)」の圧力をかけている模様です。ウクライナ軍を分散させ、局面打開を狙っています。

  • 経済・社会的な限界: 兵器の不足だけでなく、ロシア国内のインフレや金利上昇、国民の反発などから、ロシアの「継戦能力(戦争を続ける力)」は限界に近づいています。しかしプーチン氏は損切りの決断ができずにいます。

4. 日本の防衛への教訓

  • ウクライナは多大な犠牲を払い、欧米の支援制限の中で自力で戦わざるを得ない状況にあります。日本はこのような泥沼の状況に陥らないよう、万が一の際にも「早期に決着をつけられる兵器体系」をあらかじめ維持しておく必要があります。

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そして、つい最近では、次のような状況です。

1. ロシア最大の製油所「オムスク」への攻撃成功

  • 絶対的安全圏の崩壊: 攻撃を受けたオムスク製油所(西シベリア)は、前線から約2,500〜2,700kmも離れており、ロシアが「絶対に攻撃は届かない安全な場所」と信じていた拠点です。

  • ロシア全体の1割を担う心臓部: この施設はロシア最大級の製油所で、国全体の石油生成能力の約8〜10%を1ヵ所で担っています。ここが叩かれたことは、ロシア全体のエネルギー供給と軍の燃料補給にとって致命的な打撃(アキレス腱)となります。

2. 化け物級に進化したウクライナ国産ドローン「FP1」

  • 航続距離は3000km級か: 今回の攻撃に使われたウクライナ製の無人機「FP1」は、ミサイル並みの飛距離を持ち、ウラル山脈を越えたロシアの内陸部まで射程に収めていることが証明されました。

  • ジャミング(電波妨害)が効かない: ロシア側のGPS妨害を無効化する「AIナビゲーション」や、レーダーを避けるための「超低空飛行プログラム」を搭載しており、安価でありながら極めて高い精密打撃能力を持っています。

3. ロシア最新鋭ステルス戦闘機「Su-57」の迎撃失敗とミスマッチ

  • 最新鋭機でもドローンを落とせない: ロシアが誇る最新の第5世代ステルス戦闘機「Su-57(スホイ57)」が迎撃に出動したものの、ウクライナのドローンを防げませんでした。

  • 「遅くて低い」標的に大苦戦: ドローンは時速150〜250km程度で超低空を飛ぶため、地面の反射(ノイズ)に紛れてしまい、音速で飛ぶ最新鋭の戦闘機からは逆にレーダーで捉えにくく、照準を合わせるのが極めて困難という弱点が露呈しました。

  • 強みのステルスを捨てるハメに: ドローンを迎撃するために、Su-57の機体の外側に臨時のミサイルや装置を無理やり取り付けたため、戦闘機最大の武器である「ステルス性能」が台無しになっているという本末転倒な事態が起きています。

4. このニュースがもたらす最大の意味

  • 広大な国土が逆に「弱点」へ: ロシア全土に安全な場所(後方地域)がなくなったため、ロシア軍は貴重な防空ミサイルや部隊を全国のインフラへ「分散して配置」せざるを得なくなりました。結果として、前線への戦力集中が難しくなります。

  • 圧倒的なコストの非対称性: 数十億円もするロシアの最新鋭戦闘機が、わずか数百万円〜数千万円のウクライナ製ドローンに振り回され、防空の限界を迎えているという、現代戦の恐ろしい変化を世界に突きつけています。

YouTube動画「【ロシア】プーチン襲う負の連鎖 戦況”泥沼”ロシアの綻びとは?」の内容を、わかりやすくかみくだいてポイントを羅列しました。

ウクライナによる戦術転換(ボディブロー戦術)が、ロシア国内のインフラや国民生活をじわじわと深刻なパニックに追い込みつつある現状が解説されています。

1. ロシア軍・プーチン大統領の「政治的な焦り」

  • 大々的な攻撃とアピールの裏側 [02:42]: ロシアは国際会議(NATO首脳会議など)を前に「ロシアが優勢である」と内外に見せつけるため、ウクライナへの大規模なミサイル攻撃や東部要衝の制圧を一方的に発表していますが、実態はそこまで進んでおらず、政治的な焦りの裏返しとみられます。

  • 膨大な兵士の消耗 [04:19]: 前線では甚大な犠牲者が出ており、新兵を補充してもすぐに戦死してしまう悪循環に陥っています。突撃を拒否した兵士への拷問や監禁なども横行し、前線の士気は極端に低下しています [23:31]。

2. ウクライナの「ボディブロー戦術」(ドローン攻撃の進化)

  • 圧倒的なドローン生産量 [33:59]: ウクライナは自国でのドローン生産能力を飛躍的に高めており、目標の誘導技術やAI・スターリンクの活用によって、ロシア側の弱点である平坦線(補給路)を的確に叩いています [26:33]。

  • ロシア領内深くへの超長距離攻撃 [25:37]: 西シベリア(ウクライナから約2700km離れた場所)にあるロシア最大の製油所への正確なドローン攻撃にも成功しました。まずロシアの防空システムを破壊してから重要施設を狙うため、効率的な攻撃が可能になっています [27:45]。

3. ロシア国内を襲う「ガソリン不足とパニック」

  • 製油能力の4割以上が破壊か [29:11]: ウクライナのドローン攻撃により、ロシアは製油能力の多くを一時的に失ったとされ、ガソリンや航空燃料の輸出を禁止する事態に追い込まれています。

  • 国民生活への重大な影響 [30:18]: ガソリン価格の高騰や深刻な燃料不足から、給油所に長蛇の列ができ、暴力事件や闇取引が発生するほどのパニックが起きています。これまで「国内は平和(平時)」だと思っていたロシア国民が、いよいよ戦争を実感し始めています。

  • 農業(食料生産)への打撃懸念 [35:56]: 8月の収穫期を前に大型の農業機械を動かす燃料が不足する恐れがあり、プーチン大統領も農業への打撃の可能性を認めています。

4. ロシア軍の新たな動員と「IT人材(大学生)」の狙い

  • 大学生をドローン要員へ [37:48]: 現在の戦いはパソコン画面を見ながら操作する「テレビゲーム感覚」のドローン戦が主流です。しかし、現在のロシア新兵(低学歴の少数民族など)はこれを扱えないため、ロシア当局は「デスクワークだ」と称してITに強い大学生を志願兵として呼び込もうとしています [38:54]。

5. 今後の焦点

  • プーチン氏が恐れる「政権の命取り」 [42:35]: ロシア国民の約7割が和平交渉を望んでいるというデータもありますが [39:57]、プーチン大統領が最も重視しているのは「自身の長期政権の維持」です。中途半端に戦争をやめて国内から批判が出ることを恐れており、どのように国民を納得させて終わらせるか(あるいは終わらせられないか)が最大の焦点となっています [43:43]。

ここで、2025年10月に書いたブログ記事を振り返ります。

🔴浜田聡のブログ要約🔴

📌 ロシアの継戦能力に限界が見えつつある?

ロシア・ウクライナ戦争の最新分析。
欧州とロシア双方の「継戦力」に大きな変化が出ています。

🔹3行まとめ
・欧州がロシアの凍結資産“本体”約53兆円の活用を検討、長期支援の覚悟を示す。
・ロシアは志願兵集めが頭打ちで、“予備役200万人”の動員可能化に踏み切る。
・地方や少数民族の犠牲が増加し、財政・人口・士気の限界から「あと1年」が節目との見立ても。

🔹ポイント解説
・欧州はこれまで利子だけを使っていた凍結資産を“本体”ごと活用へ。法的リスクは大きいが、後戻りしない支援の象徴。
・ロシアは高額報酬での志願制に限界が見え、制度改定で予備役の幅を拡大。ただし即時動員ではなく“潜在的動員”にとどまる。
・犠牲は地方や少数民族に集中し、都市部では「戦争の実感」が薄い。
・人口・予算・装備維持の面から、現行ペースの戦争継続は「おおむね1年」が限界との分析。
・北朝鮮の関与拡大も示唆されるが、未確認情報として慎重姿勢が必要。

💬浜田先生コメント
「日本としては、北方領土奪還のチャンスをうかがっておくべきところです。」

振り返れば、2025年10月の時点でデータ上すでに指摘されていたロシアの財政や人口動態、兵員確保の限界(現行ペースでの継戦能力は「あと1年」が節目という予測)は、いまや現実の綻びとして決定的な形で表面化しています。

ウクライナ軍が「40日間の作戦」という新たな方針のもとで展開する超長距離のドローン攻撃、いわば「ボディブロー戦術」は、前線から2700kmも離れたシベリアのオムスク製油所というロシアの「絶対的安全圏」をも正確に破壊しました。数十億円の最新鋭ステルス戦闘機Su-57すら迎撃に失敗する現代戦のリアルは、ロシア国内に深刻な燃料危機とパニックをもたらし、プーチン政権が主張してきた「国内は平時である」という前提を内側から完全に崩壊させています。

ロシアがこのようにインフラを叩かれ、国力を決定的に低下させていく激変の局面において、我が国がとるべき国家戦略は明白です。私が以前から一貫して主張している通り、ロシアの衰退は我が国にとって「北方領土奪還」のチャンスを冷静かつ着実にかつてない解像度でうかがっておくべき好機に他なりません。他国の危機を単なるニュースとして傍観するのではなく、いかにしてこの国際情勢の潮目を我が国の国益に直結させるかという冷徹なリアリズムこそ、今の日本の政治に最も求められている戦略的視点です。

また、ウクライナが多大な犠牲を払い、欧米の支援制限の中で自力での戦いを余儀なくされている現状は、我が国の防衛体制に対しても「泥沼化を避け、早期に決着をつけられる兵器体系を平時から維持すべき」という極めて重要な教訓を与えています。

メディアの表面的な報道や感情論に流されず、各国の財政・軍事データや戦略的背景に基づいた本質的な国際情勢の分析を提示してくれるのが、私が日頃から政策立案でお世話になっている「救国シンクタンク」の大きな強みです。

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