サイトアイコン 前参議院議員 浜田聡のブログ

【財務省人事の裏側】一松詢氏の東京税関長異動は左遷ではない?社会保険料引き下げと医師会改革のゆくえ

今回は、財務官僚の一松旬(ひとつまつじゅん)さんについて。


医師会と本気で戦える、社会保険料引き下げのキーマン、というのが私の印象。

一方で、今のSNS上では、高市首相の消費税減税に歯向かったから左遷された、と歓迎する声多数。

いずれにせよ、社会保険料引き下げには医師会と戦って勝つことが重要です。

というわけで、約5年前のチャンネルくららの動画。

動画『医師会の天敵!?一松さん大特集!財務省ダービー答え合わせ後編』(2021年8月31日公開)の内容について、要素を整理して多めにポイントを網羅しました。

1. 超重要人物・一松詢(ひとつまつ じゅん)氏の全貌

  • 本流のエリート経歴
    • 厚労省への出向(2年間)や主計局総務課課長補佐(企画担当)、予算企画室長など、財務省主計局の「要職・本流」を歩んできた官僚 [01:44], [02:05]。
  • なぜ「医師会の天敵」と呼ばれるのか
    • 医療制度改革や社会保障費の削減・抑制施策を推進してきたため、日本医師会などの医療団体から最も警戒されている [03:01], [06:44]。
  • 将来の財務事務次官の本命
    • 主計局の核心を完璧に歩んでおり、よほどのことがない限り将来的に財務省の頂点(事務次官)へ上り詰める見込みが高い [07:39], [08:31]。
  • 「藤原不比等」になぞらえた権力構造
    • 直情的な争いを避け、裏で権力中枢(皇室・天皇側)と結びついて実権を握った歴史上の不比等のように、1300年のDNAを受け継ぐかのように巧妙で確実な権力基盤を築いている例え [08:44], [09:03]。

2. 財務省の二重の狙い(社会保障削減と増税方針)

  • 社会保障費の切り込み:一松氏らを軸にして、増加する医療費・福祉関連予算の抑制を狙う [04:36], [18:28]。
  • 脱炭素を口実にした新税創出:環境省などに幹部・中堅職員を送り込み、「脱炭素・炭素税」などを名目とした新たな増税ルートを確保している [18:11], [18:35]。
  • 政治情勢への先回り:小池都知事の台頭など政治側の動きや勢力図の変化にも柔軟に対応できるよう、財務省側が先手を打って人事を布陣している [21:19], [21:28]。

3. 主計局の実務・組織構造(「主計課」と現場プロ)

  • 主計課は「実動部隊・事実上の司令塔」
    • 総務課が「表の取りまとめ」であるのに対し、主計課は予算の執行・決算の実務を現場で実際に動かす核心部署 [12:38], [12:52]。
  • 「警視庁捜査一課」の例え
    • 警察で言えば現場のプロが固まる「捜査一課」のように、実務能力が抜群の職員が集まっている [13:50]。
  • 現場叩き上げ(高卒・ノンキャリア)の登用
    • 高卒・ノンキャリア出身の実力派(岐阜県立中津高校出身の氷室氏など)が主計課長などの要職を務め、その後四国財務局長などへ順当に昇格していくルートが確立している [14:55], [15:29]。
  • 予算執行・決算チェックの重要性
    • 予算の執行企画室などが決算状況や会計検査(実務的な無駄チェック)を精査・把握することで、各省庁の無駄な要求を削り込む強靭な査定力を保持している [16:01], [16:53]。

4. 入省年次による「人材格差」

  • 平成7年(1995年)入省組
    • 一松氏に加え、麻生大臣秘書官や環境担当主計官を歴任した渡辺和樹氏(現・総務課付主計官)など、優秀な人材が揃う「当たり年」 [09:32], [10:09]。
  • 平成9年(1997年)入省組
    • 採用数抑制や途中退職(霞が関離れ)によって同期の過半数が去り、人員層がガクンと減っている「苦しい世代」 [11:16], [11:45], [12:01]。

5. 出演者の総括とメッセージ

  • 国民目線との乖離:財務省はデフレ下であっても理由をつけて社会保障削減と増税を進める組織構造になっている [04:28], [05:34]。
  • 省庁改革への言及:厚生労働省や財務省などの巨大な権限を分割・解体すべきという構造問題に言及 [19:24]。
  • 監視の必要性:財務省は国民の利益と反する形で増税・削減の布陣を着々と整えるため、政治家任せにせず主計局の人事やキーパーソンを国民自身が監視し続けることが不可欠である [18:03], [22:10]。

そして、今回のチャンネルくららの動画。

世間では、一松旬氏は左遷と表現されているが、その見解に異を唱えます。

1. 注目人物「一松詢氏」の異動をどう見るか

  • 表面上の見方:社会保障改革の会議(国民会議)等で目立ちすぎ、医療界・医師会等から猛反発を受けた結果、「東京税関長」へ左遷されたと見られている。

  • 実質的な見方(財務省の巧みなガード)

    • 実質は「避難・待機ポスト」:東京税関長は給与(俸給)が上がる(指定職2号→3号)実務権限の強いポストであり、若くして着任している。本当に二度と浮上させない左遷であれば、別のポスト(大阪税関長や地方局副所長など)に追いやるはず。

    • 高市総理・世間のガス抜き:一松詢氏を「見せしめ」として表舞台から引かせることで世間や政治の批判をかわし、財務省全体への批判をガードするスケープゴート(身代わり)として利用した。

    • 将来の復帰・次官への目:過去にも東京税関長を経て事務次官や本局要職に復帰した事例があり、ほとぼりが冷めたら本局の本流ラインへ戻す気満々の「一時的な避難所」にすぎない。

2. 今期財務省人事の全体像と政治介入の影

  • 主計局次長の異例の総入れ替え:本来なら1人は残るはずの主計局次長が「総入れ替え」となる約10年ぶりの異例人事が発生。

  • 省内の人材不足リスク:10年ほど前から生じている若手・中堅層の「霞が関離れ(採用減や退職)」により財務省内部の人材不足が顕著化しており、将来的に人事の流れが変わる可能性が指摘されている。

3. 年代(入省年次)ごとの勢力図と明暗

  • 平成6年(1994年)入省組の華麗なる復活:岩成氏や幅氏といった一時期本流から外れていた人材が、官邸の意向や金融庁側からの強力な後押しにより、主計局次長へと大逆転で抜擢された。

  • 平成7年(1995年)入省組の足踏み:エースの一松詢氏が東京税関長に退き、大沢氏も主税局審議官に留まるなど、「平成7年組の栄光」に一時的なストップがかかっている。

  • 平成8年(1996年)入省組の危機:有俊氏が近畿財務局長に就いて辛うじて首の皮一枚がつながっているものの、有力視されていた橋本氏や佐藤氏が外局・地方・他省庁へ出され、次官レースからの脱落が相次いでいる。

4. 政治(高市総理・官邸)と財務省の暗闘

  • 政治介入の限界:官邸や高市総理側は一松詢氏を外して「政治主導で処分・介入した」ように見えているが、実際の内部人事の手綱(どのポストに逃がすか)は財務省・官房側が巧みにコントロールしている。

  • 本気の手入れではない:政治側が財務省を本気で抑え込むのであればトップの「事務次官」人事に直接介入すべきであり、次長・課長級の1人を動かした程度では財務省の「増税・財政再建路線」の基本方針自体は変わっていない。

 

ネット上では「高市首相の減税に歯向かった一松氏が左遷された」と歓迎する声が目立ちますが、財務省人事の構造を冷静に分析すれば、実質的な左遷とは言えません。

本当に彼を失脚させるための左遷であれば、俸給(給与)が下がるポジションや、本局復帰の目が完全に閉ざされる地方財務局の副所長クラス等に追いやるはずです。しかし、今回の東京税関長就任は**「俸給が上がる(指定職2号→3号)」「羽田・成田・東京港など日本の貿易と実務の要を握る要職である」「過去にも東京税関長から財務事務次官や本局要職へ戻った先例がある」という事実を見ても、ほとぼりが冷めるまでの巧みな「一時避難・待機ポスト」**と見るのが自然です。

つまり、一松氏を見せしめとして表舞台から引かせることで政治や世間のガス抜きを行い、財務省全体への批判をガードしたに過ぎません。

表面的なパフォーマンスに惑わされることなく、財務省の組織的な防衛策や、社会保険料削減の最大の壁である医療界(日本医師会など)の既得権益という本質的な構造問題から目を逸らしてはなりません。

私自身も元医師、そして政治家としての視点から、今後もこうした人事の裏側や社会保障改革の真実を注視し、真の国民負担軽減に向けて発信を続けてまいります。

 

モバイルバージョンを終了