サイトアイコン 前参議院議員 浜田聡のブログ

【兵庫県不適切会計】異例の住民監査請求・対面陳述と、問われるべき「当時の監査責任」

今回はSAKISIRU新田哲史さんの動画から。

同テーマは以前も取り上げていますが、住民監査請求がなされた、とのことです。

【兵庫県不適切会計問題】井戸県政の「負の遺産」と監査不全の闇〜検証部会の設置と問われる説明責任〜

兵庫県への住民監査請求について。そもそも住民監査請求の珍しさについて。

1. 住民監査請求は「受理」されやすいのか?

結論から言うと、受理されて「本監査」に進むこと自体がかなり珍しく、ハードルが高いです。
  • 約半数〜7割は「門前払い(却下)」
    住民監査請求が出されても、大半は形式審査の段階で落とされます。
  • 高いハードルの理由:
    • 「1年以内」の期限制限: 行為があった日から1年を過ぎると原則として請求できません(「最近まで隠蔽されていて知り得なかった」などの正当な理由を厳格に証明する必要があります)。
    • 証拠の立証責任: 住民側が公文書などの客観的な「事実証明書面」を揃えて提出しなければなりません。
    • 対象の限定: 政策への不満や政治的批判は対象外で、具体的な「違法・不当な財務会計行為(公金支出や契約など)」に限られます。
  • 最終的に住民側が勝つ(勧告が出る)確率は数%程度:
    本監査に進んでも大半は「違法・不当とは言えない(棄却)」となり、住民側の主張が認められて知事等に是正や損害賠償を求める「勧告」が出るのは全国的にもごくわずかです。

2. 今回の兵庫県の事案は「どの段階」にあるのか?

今回はすでに「受理」され、まさに「本監査の真っ最中(意見陳述の段階)」にあります。本監査は次のステップではなく、現在進行形で進んでいます。
手続きの流れと現在地
  • ① 請求書の提出・形式審査(通過済み)
    令和2年度の過去の事案でしたが、監査委員が「門前払い(却下)」にせず正式に受理を決定。
  • ② 本監査の開始・証拠調べ・対面陳述(★いまここ)
    地方自治法に基づき、監査委員が住民側代表と県財務部(財政課長)を呼び、それぞれの言い分を聞く対面陳述(8月26日)を実施しました。
  • ③ 監査結果の決定・公表(※次の段階)
    請求から原則60日以内に、監査委員が以下のいずれかの結論を出します。
    • 容認(勧告): 住民側の訴えを認め、知事等に損害賠償請求や是正を勧告する。
    • 棄却: 実質調査の結果、「違法・不当とは言えない」「損害はない」として退ける。
住民側はこの結果(棄却など)に納得がいかない場合、裁判所に「住民訴訟」を起こすステージへ進むことになります。

本題の動画。

この問題の根本は、井戸敏三前知事の時代(2020年度)に行われた「約338億円の借金先送り処理」と、それに対する住民監査請求です。
背景にある出来事
  • 兵庫県は過去、土地購入のために490億円の県債(借金)を抱えていました。
  • 2020年度の満期時、土地売却などで338億円の返済資金が手元にありました。
  • 本来なら手元の338億円を返済に充て、残りの152億円だけを借り換えるべきでした。
  • しかし県は338億円を基金に残したまま、490億円全額を新しく借り換えて借金を先送りにしました。
  • この処理が「地方財政法に違反する恐れがある」「不要な利息(約4.2億円)が発生した」として問題視されています。
今回の動画で起きたこと
この問題に対して住民が「前知事らの責任追及や損害賠償」を求める住民監査請求を行い、県庁で双方が意見を述べる対面陳述が行われました。
  • 住民側の主張
    • 違法な借金先送りで余計な利息損害が発生した。
    • 誰の指示で行われたのかを解明し、損害賠償を含めて当時の関係者の責任を追及すべき。
  • 県財務部の反論
    • 浮かせた338億円を基金で運用し、利息負担(約4.2億円)を上回る約4.7億円の運用益が出たため、県に実質的な損害は発生していない。
    • 個人の勝手な判断ではなく、当時の知事協議を経た組織的な決定だった。
  • 配信者の見解
    • 「後から運用益が出たから損害ゼロ」とするのは開き直りである。
    • 過去の不適切会計を正そうとする斎藤現知事に対し、当時の処理を正当化する財務部(役人側)が反旗を翻した構図になっている。

次の動画。

対面陳述において、請求人(住民側代表)が監査委員に向けて読み上げた意見陳述書の全文内容と、その背景・意義を解説しています。

意見陳述書の主な骨子

  • 陳述に立った動機と監査委員への感謝 [02:05]
    過去(令和2年度)の財務処理について門前払いにせず、本監査の実施を決定した監査委員の判断に感謝を表明。単なる過去の糾弾ではなく、二度と同じ誤りを繰り返さない兵庫県にするために参加したと述べています。
  • 「自治体は潰れない」という慢心と財政危機 [03:01]
    返済財源(338億円)がありながら借金を全額借り換えて先送りした背景には、「自治体は潰れない」「ツケは将来に回せばいい」という慢心があったと指摘。その結果として、国から借金を制限される「起債許可団体」へ転落したことへの強い憤りを訴えています。
  • 約半世紀続いた官僚政治と有権者自身の自省 [04:26]
    歴代知事が副知事を後継指名する構図(金井元彦知事以来)が約50年間続き、行政が内向きになっていた構造的問題に言及。震災復興の過程も含めて「お任せ民主主義」に陥り、行政の監視を怠っていた県民・有権者自身にも責任と深い反省があると述べています。
  • 監査委員に対する3つの具体的要請 [06:07]
    1. 意思決定プロセスの解明: 誰がいつ指示し、返済財源がありながら全額借り換えを決めたのか、当時の決裁文書と経緯を明らかにすること。
    2. 県の損害額の算定: 返済しなかったことで発生した無駄な利息など、真の損害額を突き止めること。
    3. 責任追及の勧告: 県に損害を与えた当時の関係者に対し、損害賠償請求を含めた責任追及を行うよう知事等へ勧告すること。
  • 結び(未来への一歩) [07:06]
    誰かに頼まれたわけではなく自らの意志で立っており、背後には声を上げられない多くの県民がいると強調。「兵庫県に良心が残っていた」と誇れるような公正な監査結果を求めました。

配信者による解説・ポイント

  • あえて感情と思いを中心に据えた陳述 [08:01]
    法的・技術的な論理は既に書面で提出しているため、対面陳述では県民が長年抱えてきた思いや問題意識を直接ぶつける方針が取られたと解説しています。
  • 単なる政局批判を超えた「地方自治の原点」 [09:14]
    特定の知事同士の対立構図にとどまらず、長年の後継指名による内向き行政の歴史や、住民が無関心でいたことへの自省に踏み込んだ点を評価。住民が自治に関心を持ち続ける大切さを浮き彫りにした内容であると総括しています。

個人的に気になる件としての以前の私のポスト。

兵庫県職員OBの酒呑童子氏(しゅてんどうじ氏)のブログが年末に更新されました。

酒呑童子氏は県代表監査委員など要職を歴任した元幹部職員の方です。

ブログに知事や県民を誹謗中傷する内容が含まれている事に加え、この方以外にも

外郭団体の理事長をしている県幹部OB

などが現在も活発に県庁内を動き回り、知事を失墜させるべく活動しているとの情報が入ってきているので、あえて意見します。

ブログの中で

「政策に対する批判的な意見を口にする者は、クーデターを企む輩としてことごとく排除するのであれば、それこそが恐怖政治」

と記載しています。

誰も、だれかれ構わず
「クーデターを企む輩」などと言っていません。

幹部同士を仲たがいさせる目的で怪文書を作成し匿名で送付したり、特定幹部を排除した具体的な人事案を作成するなど多数の証拠文書が存在する場合に言っています。

一部のOBの皆さん、片山前副知事も百条委員会で言っていたとおり選挙で2回も民意が示されたのでいい加減、知事への攻撃は控えられたほうがよいと思います。

後輩職員を想う気持ちは分かりますが、その思いが度を越して、県民の為の政治を目指す知事の足を引っ張ることは民意を無視した独善になってしまいます。

#兵庫県

毎日新聞が報じた「兵庫県の338億円不適切借り換え問題」。

単なる会計上の問題ではなく、「誰が指示し、なぜ監査を通り抜けたのか」という構造的な闇についてまとめました。

兵庫県政を揺るがす「338億円の県債不適切借り換え問題」は、長年にわたる県の財政運営におけるガバナンス欠如と、独立したチェック機能の限界を象徴する重大な事案です。

まず、不適切処理の発生源となった当時のトップ、井戸敏三元知事の意思決定責任は極めて重く問われるべきです。

平成12年度に発行された公共用地先行取得等事業債(490億円)が満期を迎えた令和2年度(2020年度)、本来であれば土地売却収入である338億円を除いて借り換えるべきところを、全額借り換えさせていました。

斎藤知事は記者会見で「当時の知事からの指示に基づき実施されたと報告を受けている」と明言しています。

旧自治省の財政局地方債課長などを歴任した「地方財政のプロ」であった井戸氏の指示により、見かけ上の基金残高を維持し、実質的な財政課題を将来へ先送りした責任は極めて大きいと言わざるを得ません。

手厳しい追究が必要なのは、この不自然な財務処理がなぜ独立した監査をすり抜け、長年放置されてきたのかという「監査体制の不全」と、当時の幹部OBの姿勢です。

問題の借り換え処理が行われた直後の令和3年度(2021年度)、兵庫県の代表監査委員を務めていたのが、元東播磨県民局長の四海達也氏でした。

四海氏はそれまで「こども局長」や「福祉監」を歴任してきた、まさに井戸県政を支えた本庁幹部です。

知事部局から独立した立場から県政の財務をチェックする役割にありながら、338億円もの違法性の懸念される全額借り換え処理を見抜くことも、是正を求めることもできませんでした。

四海氏は現在、ネット上で「酒呑童子」などの名義を用いてブログや動画で情報発信を行っており、当時の県幹部OBとしての立場から現知事や県行政に対する持論や批判を展開しています。

しかし、かつて本庁幹部や最高監査機関のトップ(代表監査委員)にありながら、338億円もの巨額な不適切処理を見過ごしていた側が、退職後にどのような見解や客観的事実を持っているのか。

自ら発信力を持つOBだからこそ、当時の監査がなぜ機能しなかったのかについての説明が求められます。

重要ポイントを太字にした「結びの言葉」の案です。
地方自治において、住民監査請求が形式審査で門前払い(却下)されず、本監査として受理されて対面陳述まで進むこと自体が極めて異例であり、高いハードルを伴う事態です。
今回の事案は、単なる過去の財務会計処理の適否にとどまりません。「自治体は潰れない」という慢心のもとでツケを先送りしてきた官僚主導の体質、そして何より「なぜ338億円もの不自然な全額借り換えが当時の監査を素通りしたのか」という監査体制の不全こそが、徹底的に検証されるべき核心です。
現在、県財務部側は「運用益で相殺されたため損害はない」と主張していますが、これは結果論による開き直りに過ぎず、会計の透明性や意思決定プロセスの説明責任を放棄していると言わざるを得ません。
旧体制下で本庁幹部や代表監査委員を務め、現在もネット上で持論を発信されている幹部OBも含め、当時のチェック機能がなぜ働かなかったのかについての真摯な説明が求められます。
民意によって選ばれた知事主導の改革を阻むことなく、過去の「負の遺産」に正面から向き合い、真の再発防止と地方自治の正常化が進むよう、今後の監査結果と真相究明の行方を引き続き厳しく注視していきます。
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