今回は、私も時々出演させてもらっているインターネット番組、ニッポンジャーナルから。
出演者
KAZUYA(司会進行) 内藤陽介(郵便学者) 江崎道朗(情報史学研究家)1. フランスをはじめとする欧州の暴動・社会混乱
内藤陽介氏
既成政党・エリート層の民意無視: 既存の保守・リベラル双方が、EUの過剰な環境規制(農業への打撃など)や移民問題による文化摩擦を放置し、一般市民の不満を「意識が足りない」と切り捨ててきた。 「世界の終わり」より「今月の終わり」: 労働者にとって遠い未来の気候危機より目先の家賃や生活費高騰が死活問題。国民連合(ル・ペン氏)の台頭は、減税や不法移民対策など庶民の要求を現実的にすくい上げた結果。 極左勢力による暴動の正当化: 当初は教育予算削減や劣悪な学校環境への学生による抗議だったが、便乗犯や鬱屈を抱える移民2世・3世が合流。メランションら極左勢力が「パレスチナ(インティファーダ)との連帯」という大義名分を与え、破壊・略奪を正当化させた。 外国勢力による影響工作の警戒: 1968年の五月革命時と同様、外国勢力(ロシア・中国など)が社会の混乱を煽り、欧州やNATOの結束を崩すために火に油を注ぐ工作を行っている可能性を指摘。 普遍主義の欺瞞: 民族的な偏りや貧困がある現場への介入を「人種差別につながる」として蓋をし、官僚やエリートが建前で問題を放置している。 江崎道朗氏
エリート主義と階級移動の断絶: フランスは多文化共生を標榜しながらも、実態はフランス語や文化による選別が厳しく、旧植民地出身者(アルジェリア系等)の2世・3世がいくら努力しても上流階級へ移動できない硬直的な社会構造がある。 過酷なエネルギー・生活費高騰: 2026年9月時点で軽油が前年比44%増、ガソリン25%増、暖房用燃料64%増と生活インフラ費用が激増し、低所得層や若年層を直撃している。 家族解体の影響: 事実婚や同性婚などの自由化が進んだ結果、ひとり親家庭が全体の約1/4に達し、深刻な貧困に陥った若者・学生が破壊衝動に向かう背景となっている。 建前と現場の乖離: 人種別の犯罪率や学校現場の荒廃を表に出すと「レイシスト」と批判されるため隠蔽され、劣悪な地域の学校には教員が赴任拒否を起こす悪循環が生じている。2. グレタ・トゥーンベリ氏のデモ参加・行動への批判
内藤陽介氏
「定職に就き社会に貢献せよ」: 親のすねをかじりながら活動家として生きるのではなく、地に足をつけて働き、税金を納めることで初めて一般庶民の苦しみが理解できる。 活動の流行・アイコン化: パレスチナ問題に安易に飛びつき、環境保護を掲げながら燃料を浪費してガザ支援船に乗るなど矛盾が多い。彼女を偶像化して利用する大人たちの罪も重い。 江崎道朗氏
抗議やサボタージュの安易な正当化: 現実を直視・分析し、具体的な政策提言を通じて社会を変えるのが本来の政治。「学校をサボること」や「誰かを吊し上げること」を正当化しても根本問題は解決しない。3. データセンター・クラウドの安全認証制度(中国系事実上排除)
江崎道朗氏
これまでの経済安全保障法制の総仕上げ: 小泉政権の外為法改正(技術流出防止)、不正競争防止法改正(営業秘密)、特定秘密保護法、岸田・高市政権での経済安保推進法に続き、民間・個人の機微データを守る最後の防壁。 中国の国家情報法対策: 中国企業や国民に国の情報活動への協力を義務付ける「国家情報法」を踏まえ、中国系・ロシア系のベンダーやクラウドを利用する事業者には国の安全認証を与えない枠組みを作る。 金融・医療データが狙われるリスク: 軍人・自衛隊員や政治家の多重債務・借金情報が敵対国に把握され、個別にスパイ工作を仕掛けられる実例が出ているため、金融情報の防衛が急務。 民間企業の負担と覚悟: コストの安い中国系ベンダーを排除し、厳格な調査と認証を受けることは企業側に重い負担となるが、安全保障上避けて通れない判断。 データ主権と国内インフラの強化: 米国のCLOUD法による開示要求リスク等も考慮し、日本国民の重要データを国内のデータセンター(さくらインターネット等の国産クラウド含む)に留める流れが加速する。4. 高市政権1年の評価・実績
内藤陽介氏
消費税減税議論の進展: 導入以来一度も下げられたことのなかった消費税について、国会の正式な法案審議の場に乗せたこと自体が大きな前進。 情報発信構造の転換: 記者会見のノーカット公開やSNSの積極活用により、メディアの切り取りやオフレコでの根回し体質に頼らず、直接国民に説明するパイプを構築した。 江崎道朗氏
皇室典範改正の決着: 長年先送りされてきた懸案事項に政治決断を下し、決着をつけた功績は大きい。 圧倒的な仕事量とスピード感: 発足から数ヶ月でデータセンター等の分厚い政策報告書を作成するなど、官僚任せにせず政治家自ら政策を牽引。 永田町の事前根回し慣例の打破: 「存命の歴代大臣全員に事前了解を得る」といった旧来の部会慣行を排し、公約と任命権者の責任を前面に出して小林鷹之氏や鈴木英敬氏など有能な若手実務派を抜擢・登用した。5. 各自の告知・その他トピック
江崎道朗氏: 櫻井よしこ氏、西岡力氏らとの歴史認識問題シンポジウム(青陵会館)の案内。慰安婦・徴用工・南京事件を巡るこの10年の前進と課題、日韓双方の世論・研究動向の変化について言及。 内藤陽介氏: 第59回全国切手展(日比国交70周年に伴うフィリピン切手展、小判切手150年特集)の案内。戦前の布引丸事件やマリアノ・ポンセと犬養毅らの交流など、日比の歴史的友好関係を解説。 神話グループPR: 東京都江東区の賃貸マンション「スプランディッド木場駅前」の紹介。
今回のニッポンジャーナルでは多岐にわたる重要なテーマが議論されていましたが、特に私が注目したいのは「データセンター(DC)およびクラウドサービスの安全認証制度(2027年度以降導入)」をめぐる議論です。
これまで我が国では、外為法改正による機微技術の流出防止、特定秘密保護法、経済安全保障推進法などを通じてインフラや技術の防護が進められてきました。しかし、中国の国家情報法(自国の国民や企業に情報活動への協力を義務付ける法律)の存在を踏まえれば、医療や金融といった機微な個人データ、さらには自衛官・警察官・政治家などのデータが外国勢力の手の届く領域に置かれるリスクは極めて深刻です。スパイ工作やハイブリッド戦が激化する昨今、安保上の観点からリスクのある事業者を排除・誘導していく方向性そのものは、独立国として避けて通れない不可欠な措置であると考えます。
一方で、この政策を現実に進めるにあたっては、以下の3つの課題と副作用を冷静に見極める必要があります。
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民間企業・ベンダーへのコスト負担と競争力
安価な海外製サプライチェーンから切り離し、厳格な監査・認証取得を課すことは、特に中小・中堅IT事業者にとって重い負担となります。過剰な手続き規制が国内IT産業の活力を削ぐことのないよう、対象を真に防護すべき重要インフラや機微データに絞るメリハリが求められます。
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過度な米国依存(CLOUD法リスク)への警戒
中国系を排除した受け皿が米国のハイパースケーラー(Amazon、Microsoft、Google等)一色になってしまえば、米国の法制度(自国企業へ国外データ開示を命じうるCLOUD法など)や価格設定に生殺与奪の権を握られる構図が固定化します。さくらインターネットをはじめとする「国産クラウド・国内DC」の基盤育成が不可欠です。
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データセンターを支える電力・エネルギー問題
国内に安全なデータセンターを誘致・拡充するためには、膨大な電力を安価かつ安定的に供給できるインフラが前提となります。原発の早期再稼働や次世代革新炉の導入など、現実的なエネルギー政策とセットで進めなければ、データセンターの国内立地自体が立ちゆかなくなります。
安全保障上のリスクを最小化しつつ、国民経済と事業者の自由な活動を過度な官僚的規制で縛らないこと――。このバランスをどう取るかが極めて重要です。
また、番組内で言及のあった「消費税減税の議論」や「永田町の旧来的な事前根回し慣行の打破」についても、既得権益や官僚主導の政治を変革していく上で注視すべき論点です。引き続き、経済安全保障と規制改革・減税の両立に向けて、国会の外から建設的な議論と提言を続けていきます。

