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外為特会の為替差益を減税の財源に!インフレ下に放置される「隠れ増税(ブラケット・クリープ)」を打破せよ

今回は(も)私が政策立案でお世話になっている救国シンクタンク(チャンネルくらら)の動画から。

要約の前に、必要な知識の整理を。

為替介入と、それに伴う「外為特会(外国為替資金特別会計)」での為替差益の仕組みについて。

為替介入と、それに伴う「外為特会(外国為替資金特別会計)」での為替差益の仕組みについて、分かりやすく解説します。

1. 「為替介入」とは何か?

為替介入とは、急激な円高や円安が進んだ際に、政府(財務省)と日本銀行が外国為替市場で通貨を売買し、為替レートを安定させようとする行動のことです。

  • 円安を止める場合(ドル売り・円買い介入): 日本が持っているドルを市場で売り、代わりに円を買います。市場にドルがあふれて円が減るため、円の価値が上がり、円安にブレーキがかかります。

  • 円高を止める場合(円売り・ドル買い介入): 市場で円を売り、代わりにドルを買います。

2. 「外為特会(外国為替資金特別会計)」とは?

為替介入を行うためのお財布(口座)のようなものが「外為特会」です。財務省が管理しており、為替介入で使われる資金はここから出入りします。

外為特会は、過去の「円売り・ドル買い介入(円高を止めるための介入)」で買った大量の外貨(主にドル)や外国債券を「資産」として保有しています。これが日本の「外貨準備」と呼ばれるものです。

3. 「為替差益」はどうやって生まれるのか?

為替差益とは、簡単に言うと「外貨を買った時のレート」と「外貨を売った時(または現在の)レート」の差によって生まれる利益のことです。

【外為特会で為替差益が膨らむ仕組み】

日本は過去、円高の時代(例えば1ドル=80円〜100円台の頃)に、円高を止めるために「円を売ってドルを買う」介入をたくさん行いました。つまり、外為特会の中には「安いレート(円高の時)で買ったドル」が大量に保管されている状態です。

そして現在、急激な円安(例えば1ドル=150円〜160円)が進行しました。

  1. 含み益の拡大: 昔1ドル=100円で買ったドルを、今の1ドル=160円の価値で評価すると、1ドルあたり60円の利益が出ている計算になります。外為特会が保有する莫大な外貨資産の価値が、円安によって日本円換算で大きく膨れ上がっているのです。

  2. 介入による利益の確定(売買差益): 円安を止めるために「ドル売り・円買い介入」を行うと、この「安く買っていたドル」を「高いレートで売る」ことになります。

    • 例:昔100円で買った1ドルを、介入のために160円で売却すれば、その時点で60円の利益が確定します。

これが、「介入や外為特会で大きく膨らんだ為替差益」の正体です。

動画(村上氏)の指摘の意味

動画で村上氏が指摘しているのは、政府がこの「円安によって外為特会内に発生した莫大な利益(為替差益)」を、消費減税などを行うための財源として使おうとしているのではないか、という点です。

「減税をするには財源(お金)がない」というのが財務省のよくある主張ですが、外為特会には円安によって兆単位の利益が眠っているため、「それを財源にして国民負担を減らす(減税する)ことができるのではないか」という議論がある、ということです。

為替介入については、上記のことを知らないと、次のような指摘を受けることになります。

尾形聡彦の間違い・過ち

「10兆円の税金を使った」→ 完全誤り。為替介入は一般会計の税金から支出されない。外為特会(外国為替資金特別会計)の既存外貨準備(主に米ドル資産)でドル売り・円買いを実施。税金は1円も使っていない。

「巨額の税金を無駄にした」→ 完全誤り。外為特会は資産交換で、売却したドルは以前の円高時に取得したものが多い。円安時に売却すれば円ベースで売却益が発生。利息収入も加わり、特会利益は一般会計に繰り入れられ税負担軽減に充てられる。無駄ではなく国民還元だ。

次に、ブラケットクリープについて。

「ブラケット・クリープ(Bracket Creep)」とは、一言で言えば「インフレで物価と給料の『額面』が上がっただけなのに、税率の区分(ブラケット)を飛び越えてしまい、実質的な税負担が自動的に重くなる現象」のことです。

国会で「大増税法案」を成立させなくても、インフレと今の税制を放置するだけで勝手に税収が増えるため、「隠れ増税(サイレント増税)」と呼ばれています。

そのメカニズムを分かりやすく3つのステップで解説します。


1. なぜインフレで「隠れ増税」が起きるのか?

① 日本の所得税は「累進課税(階段状の仕組み)」

日本の所得税は、所得が高くなればなるほど税率が上がる「超過累進税率」を採用しています。

この、税率が変わる境目の枠のことを「ブラケット(税率区分)」と呼びます。

(例:課税所得が195万円以下は5%、195万円を超えると10%、330万円を超えると20%……という階段です)

② インフレで「給料の額面」だけが上がる

インフレ(物価上昇)になると、生活を維持するために会社の給料(名目賃金)も上がります。

ここで重要なのは、「給料の額面は増えたけれど、物価も上がっている」ので、実際に買えるものの量(実質的な購買力)は変わっていないという点です。

③ 税金の階段を勝手に上ってしまう

しかし、所得税のブラケット(税率が変わる境目の金額)がデフレ時代のままで固定されていると、給料の「額面」が増えたせいで、上の税率の階段(高いブラケット)に足を踏み入れてしまいます。

結果として、「生活レベルは変わっていないのに、税率だけが高くなり、手取りの割合が減る」という現象が起きます。


2. 具体例で見る「手取りの目減り」

分かりやすく、物価も給料の額面も一律で上がったケースで考えてみます。

  • インフレ前:

    • 給料の額面:300万円(税率10%の区分)

    • 引かれる税金:約30万円 ➔ 手取り:270万円

  • インフレ後(物価が1.2倍になり、給料の額面も1.2倍の360万円になった場合):

    • 物価も給料も1.2倍なので、本来なら生活の豊かさは「インフレ前と同じ」はずです。

    • しかし、額面が360万円になったことで、税率20%の区分(330万円の壁)を突破してしまいます。

    • 高い税率が適用されるため、税金の負担増が出席し、手取りの「実際の購買力」はインフレ前より確実に落ちてしまいます。

さらに、基礎控除や配偶者控除などの「税金がかからない枠(控除額)」も金額が固定されたままだと、実質的に課税される所得の割合が増えるため、これも二重の隠れ増税になります。


3. なぜ今、これが大きな問題なのか?

世界の主要国(アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダなど)では、インフレが起きると、この税率の境目(ブラケット)や各種控除額を物価上昇に合わせて自動的に引き上げる「インフレ調整(物価スライド)」という仕組みを導入しています。そうしないと、国民から税金をむしり取りすぎてしまうからです。

しかし、日本はこの調整を長年行っていません。

動画の中で「2兆円どころではない隠れ増税」「ふざけるなという感じ」と怒りのトーンで語られているのは、「デフレ期に作られた『ガッチリ税金を取るシステム』のままインフレに突入したため、政府が減税などの調整をしない限り、国民の財布から自動的に、かつ過剰に税金が吸い上げられ続けているから」です。これが、実質賃金が上がらず、家計の消費が冷え込んでいる大きな原因の一つとなっています。

以上、基本的な知識を確認しておきました。

動画の要約は以下の通り。

YouTube動画(「【ベッセント訪日】外為特会は減税の財源に?/隠れ増税1.92兆円|村上尚己マーケットニュース」)の要約を作成しました。

エコノミストの村上尚己氏が、直近の日本株の動向から、為替介入の是非、そして日本の税収と減税問題について解説しています。

📊 主なポイント

1. 日本株の上昇と世界的な半導体ブーム [00:10]

  • 連休明け(5月7日)の日本市場は記録的な値上がりを見せました。これはアメリカを中心としたAI・半導体需要の急拡大が牽引しています。

  • トヨタ自動車の決算など一部の製造業では「関税」の悪影響による減益が見られますが、強力な半導体サイクルの恩恵がそれを上回っているため、日本株全体としては堅調な上昇基調を維持しています。

2. 為替介入への疑問と「外為特会」の活用案 [04:56]

  • 1ドル160円への円安進行に対し、政府は約10兆円規模の為替介入を行ったとみられます。しかし、現在の日本株の好調は「円安」に助けられている部分が大きいため、人為的に円高へ誘導する介入政策には疑問を呈しています。

  • 一方で、政府がこの介入や「外為特会(外国為替資金特別会計)」で大きく膨らんだ為替差益を、消費減税の財源として活用しようと模索している可能性を指摘しています [07:57]。

  • また、米国のベッセント氏(有力経済アドバイザー)の訪日について、米国債の売却(為替介入の資金繰り)や日本の財政スタンスに対して、米国当局と波風を立てないための「阿吽の呼吸」を作る外交的プロセスの一環である可能性を示唆しています [08:56]。

3. 過去最高の税収と放置される「隠れ増税」 [11:28]

  • 日本の税収は想定を大幅に上回るペースで増加し続けています。

  • 問題なのは、インフレ基調に移行しているにもかかわらず、所得税などの税率区分の見直し(インフレ調整)を行っていないことです。これにより生じる「ブラケット・クリープ(隠れ増税)」が放置されており、村上氏は報道されている2兆円規模よりもさらに被害額は大きいと指摘しています [14:58]。

  • デフレ期に作られた厳格な源泉徴収などの「取りっぱぐれのないシステム」が、インフレ下では国民から税金を過剰に奪う結果を招いており、これが家計の消費が伸びない根本的な原因になっています [14:11]。

4. 官僚主導からの脱却と政治への期待 [15:18]

  • これだけ税収が上振れしているにも関わらず、「減税すると社会保障の財源がなくなる」といった官僚(財務省)側の論理が先行してしまう現状に苦言を呈しています。

  • この強力な徴税システムを見直し、国民負担を下げる(減税する)ためには、官僚の抵抗を押し切る内閣と政治家の強いリーダーシップが不可欠であると強調しています。

総じて、日本のマクロ経済や税収基盤は非常に強い状態にあるものの、インフレ下における税制の歪み(隠れ増税)が国民を苦しめており、これを是正するための「政治の決断」が強く求められている、という内容です。


インフレが進行し、多くの国民が物価高に苦しんでいる一方で、国の税収は過去最高を記録し、外為特会(外国為替資金特別会計)には円安に伴う莫大な為替差益が眠っています。

それにもかかわらず、「減税のための財源がない」という官僚側の論理を真に受け、物価上昇に伴う自動的な負担増である「ブラケット・クリープ(隠れ増税)」を放置し続けることは、政治の怠慢にほかなりません。

為替介入の仕組み一つをとっても、一部のメディアや記者が「巨額の税金を無駄にした」と的外れな批判を行うなど、正しい経済知識が社会に共有されていない現状があります。私たちはこうした誤解をただすとともに、本来であれば国民に還元されるべき財源をしっかりと引き出し、消費減税をはじめとする国民負担の軽減へ繋げていく必要があります。

「取る仕組み」だけが強固になったデフレ期の徴税システムをインフレ仕様へと見直し、官僚主導から政治主導の経済政策へと舵を切る。これこそが、今まさに求められている「政治の決断」です。

しかしながら、今の国会を見渡しても、財務省の論理に真っ向から立ち向かい、本気でこの減税と制度改革を実現しようとする政党は、残念ながら見当たりません。

もし、現在の国会には期待できる政党がなさそうだとお感じならば、ぜひ我々「日本自由党」にご期待ください。

日本自由党は、しがらみのない立場から、真に国民の生活を豊かにするための減税と、透明性の高い国家運営を徹底して追求してまいります。

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