スポンサーリンク

感染症のパンデミックに備えた保険制度等について国会図書館に調査してもらいました

国会議員には、その立法活動などを行うために国会で様々な調査活動を手伝ってくれる環境が整っています。ひとつは以前紹介した調査室があります。

この他に、国立国会図書館もあります。

国立国会図書館について

国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国会法第130条の規定に基づき、国立国会図書館法により設置されています。

「議員の調査研究に資するため、別に定める法律により、国会に国立国会図書館を置く。」

(国会法 第130条)

私はこれまで調査室だけでなく国会図書館にも調査をお願いしてきました。いずれも非常に心強い存在です。

さて、今回は4月に国立国会図書館に依頼した調査の話です。

新型コロナウイルス感染症で様々な被害がもたらされていますが、このような感染症による経済的な被害のリスクを見据えた保険制度があるのかどうかが気になりました。そこで感染症のパンデミックに備えた保険制度についての調査を依頼することにしました。

以下、国会図書館からの回答を共有します。

感染症のパンデミックに備えた保険制度等について(PDFファイル 897KB)

1 公的保険制度

○ 人々に大きな経済的被害をもたらす大規模災害等に対する補償の方法としては、①政府が運営・財政面で関与する公的保険制度や②政府による事後的な援助等が考えられる。

(中略)

○ 今般の新型コロナウイルス感染症にみられるように、感染症の「パンデミック(pandemic世界的大流行)」についても、大きな経済的被害をもたらす可能性が高いが、これを特に補償対象とする公的保険制度の例は調査の範囲では見当たらなかった。なお、感染症による被害については、公的医療保険や雇用保険等の社会保険制度でカバーされる部分もあると考えられる。

○ 一般に、リスクの移転と分散の仕組みである保険の原理として、「大数の法則」と呼ばれる確率理論が知られる。時間的・空間的に大数の法則が成立している場合は、保険金支払額に対する不確実性がなくなり、完全なリスクシェアリングが可能となる。自然災害等による被害については、年により発生件数の変動が大きく、被害の及ぶ範囲が広範であり、各人の被害が相互に無相関でない場合も多いため、大数の法則が成り立ちにくいとされる。このため、我が国の地震保険制度のように、自国政府が最終的な再保険を提供する例が多く、全てのリスクが自国内でプールされることとなる。

(中略)

2 民間の保険商品

民間の生命保険会社・損害保険会社等が販売する保険商品の中には、感染症のパンデミックによる被害を一部補償対象とする商品があるとみられる。今般の新型コロナウイルス感染症のパンデミックについても、医療保険、死亡保険、就業不能保険、海外旅行保険、所得補償保険、各種の企業向け保険等で、保険金支払いの対象となる場合がある。また、感染拡大の影響で中止となったスポーツ大会等が、保険金支払の対象となる例も報道されている。

○ 一般にパンデミックのリスクは、保険会社のリスク管理上、重要な影響をもたらす可能性があることから、各国の保険監督当局等も規制・監督上の着眼点としている。

感染症のパンデミックに備えた民間保険の商品があるとの調査結果でした。↓は調査結果に掲載されているリンク先のひとつであり、pandemic insurance という言葉が出てきます。

https://content.naic.org/cipr_topics/topic_pandemics.htm

その他、保険の原理としての大数の法則という確率理論は私にとっては目からうろこの話でした。

今回の新型コロナウイルス感染症は全世界で多くの被害をもたらしています。そしてこの被害はここ最近の感染症では見られなかったような桁違いの被害と言えます。今後、感染症のパンデミックに備えた保険制度は少しずつ整備されていく可能性はあると思います。

↓もしよろしければ応援クリックお願いします。
人気ブログランキング

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク