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トラック・ダンプカーによる違法なアマチュア無線についての相談メール

トラック・ダンプカーによる違法なアマチュア無線についての相談メールをいただきました。こういった相談を受けるのはありがたいものです。もし問題解決などお役に立てることができれば議員冥利につきます。ひとまず、問題共有のためにいただいたメールを↓でそのまま共有させてもらうことにしました。少し長いメールですが、それだけ相談者の方の熱意がこもっていると言えます。

・緒言
・基礎知識
・現状の問題
・現状の分析
・現状を変えるべき意義
・具体的な施策の案
・効果予測

という構成になっています。

浜田 聡先生 御侍史
お初にお目にかかります。医師たる国会議員の先生にお力添えいただきたくダイレクトメッセージを送信させていただきます。
【緒言】
東日本大震災では通信網が壊滅し、それに伴い救助活動に支障をきたしたことは記憶にございますか?実はこの時孤立集落の解除にアマチュア無線が使われました(MBS毎日放送, 大震災と無線通信 頼りになるアマチュア無線, 2016/01/19 https://youtube.com/watch?v=CHejkGieAwM)このように、アマチュア無線は1964年の新潟地震から1995年の阪神淡路大震災、2016年の熊本地震に至るまで数多くの非常通信に関与し、一定の貢献を果たしています。しかしながら、アマチュア無線は一つの問題を抱えています。それは「アマチュア無線を業務に利用する業者」の存在です。この問題を解消すべく先生のご協力を賜りたく存じます。

3エリア違法局捜査線 拝

【基礎知識】
1.アマチュア無線は人に対する免許(従事者免許)と無線機に対する免許(無線局免許)が必要です。その上でいずれかを欠くことを「不法無線局」と称しています(言うまでもなく違法です)車で言うところの無免許運転や車検切れに類似する行為です。
その一方で双方の免許を取得したうえで、免許から外れた通信を行う無線局を「違法無線局」と称しています。車で言うところの飲酒運転に類似する行為です(言うまでもなく罰則が用意されています)
2.アマチュア無線は業務に利用することが出来ません。正確に言えばアマチュア無線は「金銭上の利益のためではなく、無線技術に対する個人的な興味により行う、自己訓練や技術的研究(電波法施行規則第3条第1項第15号)」のみに利用できます。
3.アマチュア無線には交信規則が定められており、「識別符号(コールサイン、車のナンバープレートに相当する)を定期的に送信しなければならない」「周波数を独占してはならない」などの煩雑な操作が要求されます(守らなければ罰則が用意されています)
4.電波法第52条第4号により、非常時にはアマチュア無線を業務に利用してもよいとされています(いわゆる非常通信 電波法第52条第4号 地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合(以下「非常の場合」という。)において、有線通信を利用することができないか又はこれを利用することが著しく困難であるときに人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために行われる無線通信)

【現状の問題】
1.トラック・ダンプを中心に「業務用無線が不便だから」「よく飛ぶから」と業務目的で利用する事例が後を絶ちません。特にトラック・ダンプについては総務省総合通信局から業種を名指しされているほどです(東北総合通信局 無線ユーザー向け啓発活動 https://soumu.go.jp/soutsu/tohoku/kanshi/foruser.html “これら不法無線局の多くが、残念ながらトラックやダンプカー等の車両に設置されており、幹線道路沿線の地域住民の方々や合法的に無線機を活用されている方々に多大な迷惑をかけているのが現状です。”)

2.少なくともこのような事例は違法CB無線が発生した1970年代には発生していると思われます。記録に残っている限りでは1992年に指摘されています(無線機メーカーICOM, 26)不法局を撲滅せよ — 不法無線局対策委員会の活動https://icom.co.jp/beacon/backnumber/ham_life/shima/026.html ”平成4年(1929年)2月号のJARL NEWSには、全国会員からの報告がまとめられ掲載された。報告された1,012件の都道府県別の数字は別表の通りであり、近畿エリアが416件ともっとも多かった。これについて島さんは「新関西国際空港に代表されるように、大阪ベイエリアの開発プロジェクトが数多く稼動中であり、これら工事に従事するダンプカー、トラックなどの多数の車両が不法無線局を開設しているのが原因」と説明している”)

3.このようなトラック・ダンプカーによる違法な利用が蔓延しており、本来のアマチュア業務を妨げる程です(JQ1YDA http://jq1yda.org/topics/fuhoukyoku/fuhoukyoku.html ”行政側では電波監視の設備などの整備が着々と進んでいますが、ここ数十年来、不法局や違法局は一向に減る気配がありません。正直、もう手に負えない状態になっているものかと察しがつきます。上記の調査の結果、首都圏では幹線道路を走る土砂運搬車のほとんどにアマチュア無線用のアンテナがついています。ついていない車両が珍しいくらい。この人たち全員が法の要件を満たす免許を持っているかどうかについては察しがつくでしょう。”)
(https://twitter.com/panda_radioclub/status/1209667189910827009 ”1エリアの433MHzはダントラに荒らされて酷い状況まともに交信を楽しむ事が出来ません。(*´Д`)”なお、1エリアとは関東地区を、433MHzはアマチュア無線用の周波数帯を、ダントラはダンプ・トラックの俗称)
(https://twitter.com/2SC1306/status/1209623575176462336 に2019年12月25日に江東区で確認された業務利用の周波数が列挙されている。一見して分かる通り、アマチュア無線用周波数に割り当てられた430-440MHzの大部分で業務利用が横行していることがわかる)

4.トラック・ダンプカーと一般のアマチュア無線が混信を起こすことがあり、その際には開き直って脅迫(例えば「菱」「山菱」と暴力団を示唆する単語を発する、「〇〇湾に沈める」と発言する、アマチュア無線家の自動車の窓ガラスを叩く)を交えて威嚇することが発生している(https://icom.co.jp/beacon/backnumber/ham_life/shima/026.htmlでは「注意すると、逆に「誰だ邪魔するのは、家に火をつけるぞ」と恐喝されるケースもある。JARLはNEWS誌上に「委員会」の発足と委員長名のみを掲載、委員名は伏せていたが、それでもJARLが組織的に不法電波局の調査を実施し、見つけたら注意していることが知れ渡ると、不法局も仲間同士のグループを組んでのいやがらせをするようになっていった」)

5.これらの違法行為により、非常通信への妨害が発生した。
記録に残る事例としては阪神淡路大震災と東日本大震災の事例がある。
(阪神淡路大震災(JA3WGL (JARL会員) 神戸市灘区居住 谷 通好, 阪神・淡路大震災における非常通信「災害救援通信」を体験して[付:補足追録] / 谷通好. – 発行:[神戸] : 谷通好, 1995.4. 請求記号:震災-14-v20. ”2月2日非常通信発令後も,混信妨害,占有チャンネルを主張する無法局奈良.大阪泉南などのトラック業者(呼び出し符号は言わない無免許者または局免切れの者?)JA3RLも排除しきれない。電波使用料を徴収している電波監理局は何をしているのか?我々が知っている鬼より恐い電監局の威信は地に落ちてしまったのか?頼りにならないと痛感!イザのとき役にたたないのか残念至極!”)
(東日本大震災 アマチュア無線 非常通信7.030MHzへの妨害 https://youtube.com/watch?v=oiTKT8CGIXc)

【原因の分析】
下記の通り違法行為に関与するplayerを列挙し、個別に分析する。

A.トラック・ダンプカー運転手
彼らは「安価で簡便な連絡手段」が必要である。例えば「現場に出入りする際のタイミング調整(大型車両は工事現場への進入路で行き違いが出来ない)」や「過積載、スピード超過の情報交換」甚だしくは「会社からの指示」、あるいは単に「暇つぶし」の用途で使われる。
とはいえ近年ではトラックについてアマチュア無線を搭載しない傾向にあるとされる。「業務無線による位置情報の一括管理が恒常化しており、アマチュア無線を利用する意義を喪失したこと」もあるが、何より「アマチュア無線機の発する電波による機材へのダメージが無視できなくなったこと」が理由である。その一方でダンプカーについては建設業界特有の事情(零細企業のダンプが日雇いで傭車され、共通する連絡手段を持たない)により、未だに濫用されている。彼らは「免許さえあれば逮捕されない」と高をくくっており、「免許だけは数万円をかけてとる」ような行為を行っているとされる。
これらの行為は会社ぐるみで行っていると思われる。実際に「運転手募集 必要な免許 アマチュア無線技士」と記載された求人広告が多数確認されている。

B.発注元・元請
発注元・元請は無線機そのものや運用の実態についての知識が欠如(あるいは知らなりふり)しており「無線機と言うだけで何もチェックせずに通した(関西電力・大成建設 高浜原発)」という事例が後を絶たない。公共事業については「共通仕様書」と呼ばれる契約書が存在するが、大半の自治体では「遵守すべき法令(中略)電波法」と記載があるだけであり、具体的な対策は何も行っていないも同然である。
これらの事情については総合通信局から繰り返し情報提供を受けているはずであるが、国交省・自治体・発注元・元請は何も対策をしておらず、甚だしくは日建連(大手ゼネコンが加盟する業界団体)のように「そんな事実は無い」と開き直るありさまである。

C.総合通信局、警察
不法無線局・違法無線局の情報収集にあたるのは日本を10分割した各総合通信局である。但し、彼らは逮捕権を持たないため、逮捕については警察に任せることになる。その一方で警察は逮捕権を持つが無線機の知識が無いため、調査については総合通信局に任せることになる。
総合通信局は「人手が足りない」「優先度が低い」ことを言い訳にして30年以上も違法無線局を放置している。取り締まりを行うとしても手間がかからない「免許を所持しているかどうか」のみを1ケ月に数台だけ確認するのみであり、平成30年度の違法無線局(免許を持って違法行為を行う無線局)の取り締まり件数は0である(https://twitter.com/npf5jdAC3A2ZPOa/status/1209446524482015232 の一連のtweetを参照)総合通信局の怠慢は著しく「担当者が名前を名乗らない」「数千万円する移動式電波探知機を使わない」「行政評価局に対する具体例の質問にコピペで回答して解釈を示さず、抗議を受けても正当化する」「『取締りのため』と徴収した電波利用料をマッサージチェアやプラズマテレビ、高級車、職員のレクリエーションなどに使用する」「アマチュア無線団体に天下りする」などの行為を公然と行っている。最近では東北総合通信局がアマチュア無線家の通報に対して「復興のためだから仕方がない」と法令違反を正当化する発言を行った(この場合は会社から業務無線を配布すべきである。実際に関西電力は全車両に対して業務無線を配布した)
警察については通報をしたところで「免許の確認(従事者免許は所持を義務付けられている)・照会」や「車高制限令違反の確認(アマチュア無線用アンテナは2mを超えるものもあり、車高の高いダンプカーでは高さ制限の3.8mを超過することが多い)」等の容易な確認を要請しても「知らない」「権限が無い」と放置することが横行している。なお、北海道警察についてはアマチュア無線家の抗議を受けて免許の確認を行っているとされる。

【現状を変えるべき意義】
1.法と秩序に対する挑戦である法令違反を認識しながら30年も放置するのは近代国家としてあり得ない。実際にインドネシアはJICAの支援を受けて違法無線対策を積極的に推進し、激減させることに成功した。よって直ちに現状を改善すべきである。
2.不法無線局は電波利用料を全額踏み倒し、違法無線局は電波利用料の差額を踏み倒し(アマチュア無線は300円/年に対して業務用無線として最安の簡易無線は400円/年)業務無線を導入している車両に対して不公正な競争を強いている。加えて真面目なアマチュア無線局は「業務利用撲滅」と称して要らないはずの電波利用料を負担させられている。このような不公平は直ちに改善すべきである。
3.不法無線局・違法無線局のためにアマチュア無線家がアマチュア無線で通信できない状況に陥っている。ダンプカーやトラックの電波と混信してしまい、子供たちの宇宙ステーションとの交信が出来ない事態に陥ることもあれば、甚だしくは脅迫を受け、身の危険を感じることもある。アマチュア無線を正常化するため、直ちに現状を改善すべきである。
4.法令を無視した運用に伴い、周囲の機材に悪影響を与える「電波障害」の虞がある。特に病院や救急車の機材は電波の影響を受けやすく、近隣では使用しないことが求められている(https://tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/medical/h28.pdf
人工呼吸器が停止した事例が記載されている)しかるに「病院の近傍」や甚だしくは「病院内の建設工事」で恒常的に利用している事案が発生した。人命に対するリスクを鑑みて直ちに現状を改善すべきである。
5.運転中の会話により、交通事故の虞がある。研究によるとハンズフリーの会話でも集中力の減殺が発生し、「事故のリスクが4倍」「飲酒運転の2倍の反応速度遅延」などが報告されている。
6.公共工事については「職務専念義務」が規定されている(あまりにも当然の要件なので契約書には書かないことも多い)しかるに「運転」に対する集中力を減殺する無線通信は禁止すべきである。百歩譲って「昼休みだけ」と言い張るのであれば、業務中は絶対に利用できないような対策を取るべきである。
7.原発や国防施設等については「セキュリティ上の懸念(スパイ活動、無線機内に毒ガスを隠す、電波に反応する爆発物)」や「電波障害の懸念(施設の特性上、電波障害に伴う弊害が顕著である)」があるので絶対に使用を禁止すべきである。

【具体的な施策の案】
現状を改善するためには下記のような案が考えられる。

1.公共工事に進入する全車両について、アマチュア無線機の「搭載・持ち込み・使用」の全てを禁止する。
2.事業用自動車(いわゆる緑ナンバー)について、アマチュア無線機の「搭載・持ち込み・使用」の全てを禁止する(但し、公共団体については例外とする。非常通信のため)違反したならば整備不良として車両の使用を禁止する。
3.外国製無線機を禁制品に指定し、輸入の際には個別審査を義務付ける(外国製無線機は日本の周波数区分に合致しないものが多く、アマチュア無線や『警察、消防、救急、鉄道、放送』などのいわゆる『重要無線』を妨害することが多い)
4.違法無線局に対する罰則を強化する(免許を持ちながら違法な利用をする無線局は、無免許のそれと比較してより厳しく処罰すべきである)
5.総合通信局に対して違法無線局の取り締まりを義務付け、警察にも協力を義務付ける。
6.公共工事での業務利用が発覚した場合について、発注元・元請に無過失責任を規定する。

【効果予測】
1.公共工事に頼る地方ほど効果は高い。「民間の工事のみ」で成り立つ企業は皆無に近いため、全国規模で効果が期待できる。
2.白ナンバーの車両もあるため、効果は限定的である。但しアマチュア無線機が『不便な』存在になるため、ある程度の効果は期待できる(この点を反映してか現状でも白ナンバーのダンプカーには搭載されていないことが多い)
3.近年ではダンプやトラックに限らず「安価で高出力」な外国製無線機を使用する違法無線局が増加している。この点を含めて禁制品に指定することで効果は大きい。
4.取り締まりにあたる総通と警察が怠慢であるので効果は薄いと予想される。
5.4.に同じ。
6.現状の「知らぬ存ぜぬ」「トカゲのしっぽ切り」を予防するうえで効果が大きい。アマチュア無線が使われていない現場は実質的に0なので、多くの自治体・元請が対応を始めるだろう。

以上の通りです。違法行為の撲滅は全国幾万人のアマチュア無線家の積年の願いです。どうかご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

いただいた案について、大きな問題がなければ、案を元に質問主意書作成や委員会での質問など検討をしています。情報いただいた方、ありがとうございました。

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