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ロシアの継戦能力に限界が見えつつある?

今回もロシアウクライナ戦争の状況について、小泉悠さんの見解を紹介します。

インターネット番組、ニッポンジャーナルの動画をいくつか紹介します。

要約は以下の通り。

了解です。いただいたスクリプト部分だけをもとに、論点が拾えるよう「結論→理由→補足」の順で詳しめに要約しました。

3行要約

  • トランプ発言は日々の上下に振り回されず「平均」で見るべきで、軍事力は“交渉カード”として扱っている。
  • この戦争は領土線の問題ではなく「ウクライナを影響下に置くか否か」の主権問題で、線引き妥協では和平が成立しにくい。
  • 占領地での子ども連行などの人権侵害が“降伏すれば楽になる”という発想を否定し、ウクライナ側の抗戦意志を強めている。

詳細要約

1) トランプの見方:短期変動より「中長期平均」

  • 発言が頻繁にぶれるため、日々の言動で一喜一憂せず、1〜6か月の平均で判断すべき。
  • ここ1か月はウクライナ寄りの物言い(「トマホーク供与」「領土奪還可」等)が目立ったが、プーチンと通話・接触するとロシア側のナラティブに影響され“リセット”されやすい。
  • 根本姿勢は「現状の先で諦めろ」に近く、大枠は大きく変わっていない。
  • トランプにとって軍事力は「戦う道具」より「交渉の道具」。個々の強い物言いに過度に反応しない方が実態を読める。

2) 「前回との違い」:会談ムードの悪化と実務のズレ

  • 今回の会談は内部暴露報道によると“怒鳴り合い”“地図を投げた”など雰囲気が悪化。2月のギスギス期に逆戻り。
  • ただし「対ウ軍事援助を止める」段階までは至らず、関係性が完全決裂したわけではない。
  • トマホーク供与は政治的効果を狙うカード色が濃い一方、地上発射で即撃てる発射機が足りないなど実務制約が残る。航空機搭載の長射程能力付与など別ルートの検討は進行。

3) 支援の争点は「有無」から「中身」へ

  • 半年前と比べ、支援の可否は主要争点ではなくなり、何をどう渡すか/どう運用させるかに移っている。
  • 欧州は資金拠出で継続支援する構え。ロシア領内打撃を一概に排除しない空気もあり、米のカード(トマホーク)に依存しない選択肢が拡大。

4) 和平が進まない根本理由(最重要)

  • トランプ(と周辺)が「領土線の引き直しで妥結できる」と捉えがちなのに対し、プーチンの狙いはウクライナの政治・軍事的影響下化
  • よって「線引き妥協」を提案しても満足点にならず、プーチン側もそれを明確に拒否。
  • 欧州・ウクライナはこの“主権/影響圏”の本質を繰り返し説明しているが、トランプはプーチンとの通話後に理解がリセットされやすい。

5) 占領地の子ども連行など人権侵害が“停戦”を難しくする

  • 「降伏すれば楽になる」は成り立たない。占領地での連れ去り・同化・動員が続くため、表面的停戦では住民の状況が改善しない。
  • 2014年以降のドンバスの経験がウクライナ社会に共有されており、2022年開戦時点で「占領の現実」を理解していた。
  • 東部で進撃した部隊の中には“元ウクライナ人”が編成されたユニットもあり、同じウクライナ人同士が戦わされる構図が生まれている。これが和解を一層困難に。

6) ICC逮捕状の無力感を誇示する動き

  • プーチンはICC逮捕状の実効性が及びにくい場に赴くなど、“逮捕されない”現実を国外で誇示。
  • さらに欧州中枢(例:ハンガリー)での会談構想をにおわせ、子ども連行問題のうやむや化を狙う動きとして指摘。

7) 歴史比較から見える「占領と動員」の反復

  • 例:オスマン帝国のデヴシルメ(少年徴用)、朝鮮戦争での強制動員・人間の盾的運用など。
  • 「占領は非人道を再生産する」という歴史的パターンは現代でも繰り返され、人間社会の“非進歩性”を痛感させる――との嘆息で締め。

8) 日本への含意

  • 日本はトランプ政権とも向き合わざるを得ず、粘り強い説得と継続的関与が必要。
  • 安倍元首相のような「食いつきの良さ/タフネス」を外交作法として持ち、短期の発言変動に左右されない一貫対応が求められる。

停戦が見通せるような状況ではなさそうです。が…。

同日の別の動画(有料会員向け部分を特別公開)も紹介します。欧州諸国が踏み込んだ行動を始めたのみならず、ロシアの継戦能力も1年ほど、との見解は注目です。

要約は以下の通り。

了解です。いただいたスクリプトの範囲だけで、論点を落とさず「結論→根拠→含意」で整理しました。

3行要約

  • 欧州はロシア凍結資産「本体」約53兆円に手を付ける方向で、ウクライナ支援の長期財源とする強い意思表示。ただし国際法上の論点と報復リスクは大。
  • ロシアはこれまでの有償志願中心の人集めが頭打ちで、制度変更により“予備役200万人”を動員可能に広げつつある(即時一括ではない)。
  • 犠牲は大都市より地方少数民族地域に偏在。人員・財政・人口への負荷から、戦争継続の実質的限界は「あと1年程度」との見立ても示された。

詳細要約

1) 凍結資産「本体」活用の衝撃

  • これまで利子相当だけを支援に充当していたが、**本体(約2,600億ユーロ≒53兆円)**へのアクセスへ踏み込み。
  • これが実行されれば「何年分も支援可能」な規模。欧州の“後戻りしない支援意思”の象徴。
  • 一方で、国際法上の懸念(国家資産の扱い)と、ロシアの政治・経済的報復は不可避で、強い政治的胆力が要る。
  • 日本にもロシアの円建て準備が存在してきた経緯を踏まえ、日本も検討余地があるのでは、との示唆。

2) ロシアの人員調達:志願の頭打ち → 予備役制度にテコ入れ

  • 侵攻以降の投入は累計約150万人規模との見立て。初回の部分動員(約30万人)は激しい反発で一度限りに。
  • 以降は高額報酬(例:一等兵でも月21万ルーブル=平均月収の約3倍)と弔慰・給付で志願を誘導してきたが、頭打ち
  • 来年度は**国防費の伸びが鈍化(横ばい)**見通しで、カネによる調達だけでは持たない。
  • そこで、予備役の運用ルールを変更し、「自発的訓練層」に限らず広く動員可能化へ。“200万人”は動員可能範囲の上限的なプールで、一気に送るわけではない

3) 戦力化の実態と社会的歪み

  • 200万人は「即戦力の現役兵=同数」ではない。年齢・訓練歴のばらつき大で、戦力化には時間・装備・指揮系統が必要。
  • 犠牲の偏在:モスクワ(10万人当たり12人)、サンクトペテルブルク(同22人)に対し、ブリヤート共和国は同361人など、地方・少数民族地域の負担が突出。
  • トゥヴァ共和国(ショイグ前国防相の地元)でも高率。貧困地域での“経済動員”依存が続き、都市部では“戦争の不在”感が強い。

4) 持久力の見立て:「あと1年」論の根拠

  • 人口構造の悪化(戦死・傷病・流出)、予算の頭打ち、志願調達の限界、装備維持の難しさ──を合わせ、**現行ペースの継戦可能期間は「おおむね1年前後」**との見立て。
  • ただし、北朝鮮からの追加関与(これまでは“反テロ作戦”名目で限定と説明、最近はドンバス前線関与説も)など、外部要因で伸縮はあり得る(未確認情報含むとの留保付き)。

5) 欧州・日本への含意

  • 欧州は凍結資産の本体活用で、財政疲れの懸念に対し“長期資金”を確保するシグナル。政治コストと法的整理がカギ。
  • 日本は対露資産・法制度・国際調整を睨みつつ、関与の程度(財政・制度・安全保障上の支援設計)を検討し得る。
  • ロシアは長期戦の構えを強めるが、人的・財政的ボトルネックが顕在化。支援側が息切れせず設計を固めるほど、戦略的主導権を握りやすい。

重要ポイント(短く箇条書き)

  • 53兆円級資金は数年単位の戦費に匹敵する規模/ただし法的・報復リスクは極大。
  • ロシアの有償志願モデルが限界→ 予備役200万人の“動員可能化”で穴埋めへ(即時一括ではない)。
  • 犠牲は地方・少数民族に偏在し、都市部の危機感は乏しい。
  • 予算横ばい+人員調達難+人口負荷→「あと1年」程度の継戦限界という見立て。
  • 北朝鮮関与拡大の兆しも(未確認情報に留意)。

毎回のことですが、日本としては、北方領土奪還のチャンスをうかがっておくべきところです。

北方領土をどうやって取り返すか

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