今回はロシアの(被)侵略の歴史について。
動画を2つ紹介します。
要約は以下の通り。
動画の内容を詳しく要約します。
この動画は、**「なぜロシアは常に攻撃的で、周辺諸国と敵対するのか」という疑問に対し、彼らが歴史の中で積み上げてきた「侵略され続けてきたトラウマ」**という視点から解説する内容です。
1. ロシア語における「安全」の定義
ロシア語には「安全」を直接意味する一単語がなく、**「危険ではない(形容詞)」**という否定形で表現されます。これは、ロシアがいかに外敵に脅かされ続けてきたかを象徴しています。動画では、現在の攻撃的な外交姿勢の根底にある「侵略の歴史」を紐解いていきます。
2. モンゴル帝国による支配(タタールのくびき)
約800年前、ロシア史上最悪の侵略が行われました。
壊滅的な被害: 1236年、モンゴル帝国が進行し、モスクワやキエフを含む主要都市を徹底的に破壊・虐殺。
240年間の支配: 人口の少ないモンゴルは、忠誠を誓ったロシア人に徴税などを代行させる「間接支配」を行いました。
モスクワの台頭: 現在の首都モスクワは、この支配下でモンゴルに「媚を売る(うまく取り入る)」ことで徴税権を得て、力を蓄えました。最終的にモンゴルを打ち破り、ロシアが団結するきっかけとなりました。
3. 近代の「100年周期」の侵略
近代以降、ロシアは約100年ごとに大規模な侵略を受けています。
ナポレオンの侵略(1812年・祖国戦争):
ナポレオン率いる大軍に対し、ロシアは自らの街を焼き払う**「焦土作戦」**を敢行。
モスクワを占領されるも、補給途絶と「冬将軍(酷寒)」によりフランス軍を壊滅させました。
ロシア側に100万人の犠牲者を出したこの戦争は、文豪トルストイの『戦争と平和』の題材にもなっています。
(余談) ナポレオンが退却時に隠したとされる「黄金80トン」の伝説が今も残っています。
ヒトラーの侵略(1941年・大祖国戦争):
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツが不可侵条約を破り侵攻。
レニングラード(現サンクトペテルブルク)の封鎖: 2年半に及ぶ封鎖で、市民は極限の飢餓に陥りながらも、カモフラージュ技術を駆使して街を守り抜きました。
甚大な犠牲: ソ連全体で**2700万人(人口の10%以上)**が死亡。この生々しい記憶が、現代ロシアの防衛本能を形作っています。
4. 冷戦と現代:NATO拡大への恐怖
戦後、ロシアはアメリカとの冷戦に突入し、常に「包囲されること」への恐怖を抱き続けてきました。
NATOの存続: ソ連崩壊後、対抗組織(ワルシャワ条約機構)は解散しましたが、NATOは存続し、旧共産圏の国々を取り込みながら東方へ拡大。
ウクライナ侵攻の背景: 同じ民族的ルーツを持つ隣国ウクライナがNATO加盟へ動いたことは、ロシアにとって「自国の安全保障」と「国家のプライド」を脅かすレッドラインでした。
悪循環: 安全を求めた侵攻(2022年)の結果、逆に周辺国の反ロシア感情を高め、さらに孤立を深める結果となっています。
結論
ロシアの行動は、単なる野心ではなく、「二度と国を滅ぼされたくない」という歴史的な恐怖心に基づいていると解説されています。2025年以降、アメリカの新大統領(トランプ氏)による介入など、世界のルールが再び変わろうとする歴史の転換点に、私たちは今立っています。
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もうひとつの動画を紹介します。
要約は以下の通り。
動画の内容を詳しく要約します。
この動画は、**「なぜロシアは歴史上、周辺国と友好関係を築けず、衝突を繰り返すのか」**という難問に対し、地理的要因、歴史的トラウマ、そして屈折したアイデンティティという3つの側面から解き明かす内容です。
1. 地理的要因:終わりのない「境界線」への不安
ロシアの行動原理の根底には、広大すぎる大地ゆえの**「地理的な無限性」への恐怖**があります。
天然の障壁の欠如: 四方を海や山に囲まれていないため、外敵の侵入が容易であり、「どこまで守れば安全か」という不安が常にあります。
守るための拡大: ロシアにとって国境とは「守るべき線」ではなく、安心を得るために**「外側に押し広げ続けるべき線」**です。隣国を支配下に置く(緩衝地帯を作る)ことでしか、自国の安全を担保できないという強迫観念があります。
2. 歴史的トラウマ:大侵略の記憶
ロシアは過去、国家の存亡に関わる凄絶な侵略を何度も受けてきました。
モンゴル帝国: 200年以上にわたる支配(タタールのくびき)。この反動が、後のシベリア・アラスカへの猛烈な領土拡大に繋がりました。
ナポレオンとヒトラー: 1812年と1941年の大侵略。これらは「祖国戦争」「大祖国戦争」と呼ばれ、今も国民の記憶に「外敵への恐怖」として深く刻まれています。
現代の視点: ロシアにとってNATOの拡大は、これら過去の侵略と同じ文脈の脅威として捉えられており、ウクライナ侵攻も彼らの主観では「防御反応」と見なされています。
3. 心理的要因:劣等感と承認への渇望
ロシアは長年、ヨーロッパ文化を模倣しながらも「野蛮で遅れた国」と見なされてきた強烈な劣等感を抱えています。
近代化の遅れ: 20世紀初頭まで農奴制の名残があり、日露戦争での敗北は「人類共通の歴史(近代化)に乗れていない」という屈辱を決定づけました。
社会主義革命の真意: ロシア革命は、資本主義の先を行く「人類の未来」を提示することで、西側諸国から主役としての承認を奪い取るためのプロジェクトでもありました。
黄金時代の喪失: 第二次世界大戦の勝利と冷戦期は、ロシアのプライドが最も満たされた時代でした。ソ連崩壊はその「大国としての誇り」を打ち砕いた知性的惨事であり、プーチン政権はその回復を至上命題としています。
4. ロシアの支配戦術:内政干渉と「紛争の凍結」
周辺国の心が西側(EU・NATO)へ離れていく中、魅力(ソフトパワー)に欠けるロシアは力による引き止めを行っています。
内政干渉: 2004年のウクライナ大統領選への介入のように、親ロシア派を支援し、分断を煽ります。
紛争の凍結: 隣国内に親ロシア派の独立運動を起こさせ、ロシア軍を「平和維持軍」として駐留させます。**「領土紛争を抱える国はNATOに加盟できない」**というルールを逆手に取り、ジョージア(アブハジア等)やモルドバ(沿ドニエストル)の足止めを30年以上続けています。
5. 周辺諸国の現状
ベラルーシ・カザフスタン: ロシアの軍事的・政治的支援により、現政権が維持されています。
バルト三国: ロシアが混乱していた隙に迅速にNATO加盟を果たし、影響圏を脱出しました。
アルメニア: 2023年のナゴルノ・カラバフ紛争でロシアが介入できなかった(ウクライナ戦で余裕がない)ため、急速にロシア離れが進んでいます。
6. ロシアの現状と「雑談」
ロシアは現在、西側の価値観(LGBT禁止や外国語規制など)を否定することで、自らを「伝統的価値観の守護者」と定義し、鎖国的な方向へ向かっています。
【おまけ:ロシアの広さエピソード】
時差: 国内に11の時差があり、新年のお祝いが11回行われます。
スケール: 陸路でシベリアを越え、コロンブスより先に(陸続きの感覚で)アメリカ大陸(アラスカ)に到達しました。
移動: 国内線で飛行機に8〜9時間乗り、シベリア鉄道で全線を走るには1週間かかります。
ロシアの「侵略をやめられない」理由は、**「地形的不安を埋めるための緩衝地帯確保」と「大国としての承認(プライド)の維持」**という2点に集約されると結論づけられています。
周辺国について。この機会に確認をしておきます。
ロシアの周辺諸国に対する関与や現在の状況を国・地域ごとにまとめました。
ロシアにとって周辺諸国は、対等な「主権国家」ではなく、自国の安全を保障するための**「緩衝地帯(バッファゾーン)」あるいは「従属すべき影響圏」**として位置づけられています。
1. ウクライナ:最大の要衝と衝突
ロシアにとって最も重要な隣国であり、歴史・民族的ルーツを共有する国として扱われています。
介入の歴史: 2004年の大統領選への露骨な干渉(ヤヌコビッチ支援)や、2014年の革命(マイダン革命)後の介入。
戦術: 「紛争の凍結」を利用し、東部地域を実質支配させることでNATO加盟を阻害。
現在: 2022年からの全面侵攻。目標は「政権転覆」「非軍事化」「従属国化」であり、ロシアの主観では「NATO拡大に対する防衛反応」とされています。
ウクライナの東部と南部は、2014年の「マイダン革命」と呼ばれるウクライナ民族主義者によるクーデターとその後のロシア語弾圧に嫌気がさして分離独立を宣言した。これが、合意によらないという意味で「一方的な分離独立」。
選挙の結果が覆され母語が弾圧されるのだから仕方ない。独立を承認すべき。 https://t.co/6ZHDMYNlCB pic.twitter.com/zkeySlj2FP— patagonia_de_ikiso (@patagonia_ikiso) August 15, 2025
2. ベラルーシ:最も忠実な従属国
ウクライナ・ロシアと同じスラブ民族国家として、極めて重要な隣国です。
現状: 「ヨーロッパ最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ大統領が長年君臨。
ロシアとの関係: 2020年の大規模な反政府デモをロシアの支援でねじ伏せて以来、政治・軍事的に完全にロシアの影響下にあります。
トランプが言うゼレンスキーの支持率は4%というのは明らかなデマですが(ウクライナの世論調査で先月1月のゼレンスキーの支持は57%とわかる)、もしかしたらトランプはウクライナではなくベラルーシのルカシェンコと間違えてる説。 pic.twitter.com/BlvttmkMUe
— まるい りん (@maruirin) February 20, 2025
3. カザフスタン:中央アジアの重要拠点
ロシアと非常に長い国境を接する、地政学的な重要国です。
軍事介入: 2022年1月の「血の1月」と呼ばれる国家転覆の危機に際し、ロシア主導の軍事同盟(CSTO)が介入。
現状: ロシア軍の派遣によってトカエフ政権は崩壊を免れましたが、その代償としてロシアに大きな「借り」を負い、外交的に逆らえない状況が続いています。
#カザフスタン 🇰🇿のトカエフ大統領は、外交官出身で、カザフ語に加え、ロシア語、英語、中国語、フランス語を話す他言語話者です😮📚
また、長年カザフスタン卓球連盟の会長を務めた経験があるそうです🏓#CAJAD pic.twitter.com/m7N3HuGeg7— 中央アジア・コーカサスとゆかいな仲間たち (@CentralAsiaplsJ) December 28, 2025
4. ジョージア:凍結された2つの紛争
紛争の凍結: 2008年の紛争を経て、「アブハジア」と「南オセチア」の2地域が事実上の独立状態(ロシアが承認・基地を設置)となり、国内に「凍結された紛争」を抱えています。
内政干渉: 2024年に「外国エージェント法(スパイ禁止法)」を強行採決するなど、親ロシア的な現政権を通じた影響力行使が続いています。
3つのジョージア
・ジョージア
・アブハジア共和国
・南オセチア共和国 https://t.co/zFqqjbvjcO pic.twitter.com/GIADa9hgsg— 誰か雇ってください (@arealnormalman) December 3, 2024
5. モルドバ:ハイブリッド戦争の最前線
紛争の凍結: 東部の「沿ドニエストル地域」にロシア軍が駐留し続け、30年以上も西側への完全移行を阻んでいます。
選挙介入: 2024年〜25年の選挙・国民投票において、ロシアはGDPの1%に相当する巨額資金を投じ、有権者の買収やプロパガンダを試みました。
【沿ドニエストル共和国(未承認国家)】
沿ドニエストル共和国は国際的にはモルドバ共和国の一部であるが、親ロシア派の住民がロシア軍の支援を受けモルドバ共和国と戦争をして勝利し独立宣言をし独自の政府、議会、軍隊、警察、憲法、通貨、国旗、国歌、国章を有している。… pic.twitter.com/2eNUw10Us2— たく🐋 (@0ooo042x) June 12, 2024
6. アルメニア:ロシア離れの加速
現状: 長年「ナゴルノ・カラバフ紛争」を抱え、ロシアを頼ってきました。
変化: 2023年にアゼルバイジャンが同地を完全制圧した際、ウクライナ戦で手一杯のロシアが助けなかったため、ロシアへの不信感が爆発。現在、急速に欧米との連携を模索しています。
ナゴルノ=カラバフについて何も知らなくて勉強中…
🟢アゼルバイジャンの中のアルメニア人が多い自治州
🟢アルメニアへの編入をソ連に求めていた→91年に独立宣言しアルツァフ共和国に(多くの国に国家承認されず)
🟢88年以降アルメニアとアゼルバイジャンが頻繁に衝突、2020年が直近で最大の衝突 https://t.co/Q6TeFRVZfN pic.twitter.com/TzgMmz6X1r— びしー on the Web💻💙💛 (@bissybissy) September 19, 2023
7. バルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)
成功例: ロシアの影響圏を脱出することに成功した唯一のグループ。
要因: ソ連崩壊直後の「ロシアが経済的に崩壊寸前で、他国に構う余裕がなかった時期」に、迅速にNATO・EU加盟を果たしました。
ロシアは「隣国が自由で豊かになること」を自国体制への脅威と感じ、常に**「混乱し、貧しく、ロシアなしでは生きていけない状態」**に留めようとしている、というのがこの動画の鋭い指摘です。
ロシアがウクライナ戦争の間、日本として北方領土奪還のチャンスはあるのか?
ウクライナ戦争でロシアが疲弊し、極東の兵力や装備(S-300ミサイルシステムや古い戦車など)を戦線に回しているという事実は、確かに地政学的な「隙」に見えるかもしれません。1990年代のソ連崩壊時と同様、ロシアが弱体化した時こそ北方領土返還の好機だという意見は、専門家や言論人の間でも議論されることがあります。
しかし、2026年現在の情勢を冷静に分析すると、単純な「奪還のチャンス」とするには非常に高い壁がいくつか存在します。
1. ロシアにとっての「聖域」
ロシアにとって北方領土を含む千島列島は、単なる土地以上の意味を持っています。
オホーツク海の要塞化: オホーツク海はロシアの戦略原子力潜水艦が潜む「聖域(バスチオン)」です。この入り口を固める北方領土は、ロシアの核抑止力を維持するための軍事的な急所であり、いくらウクライナで苦戦していても、ここを完全に放棄することは考えにくいのが実情です。
憲法の壁: 2020年のロシア憲法改正により、**「領土の割譲を禁じる」**規定が明文化されました。プーチン政権にとって領土を手放すことは国内向けの求心力を完全に失うことに直結します。
2. 日本の外交的・法的立場
日本は戦後一貫して「平和的な外交交渉」による解決を掲げています。
武力行使の否定: 憲法上の制約はもちろん、国際社会のルールを守る姿勢を強調している日本が、ロシアの苦境に乗じて武力で奪還を試みれば、ウクライナを支援する正当性を自ら損なうことになり、国際的な孤立を招きかねません。
交渉の断絶: 現在、ロシアは日本を「非友好国」に指定し、平和条約交渉を一方的に中断しています。対話の窓口が閉じているため、外交的なチャンスも現在は「凍結」されている状態です。
3. 周辺諸国とのバランス
中露の連携: ロシアが極東で手薄になっても、近年は中国との共同演習を強化するなど、二国間で補完し合う動きが見られます。日本が動けば、ロシアだけでなく中国を強く刺激するリスクもあります。
結論
結論から言えば、軍事的な意味での「奪還」は非現実的であり、外交的にもロシアが最も頑なな姿勢を見せている時期であるため、**「今すぐのチャンス」というよりは「過去最悪のデッドロック(膠着状態)」**と言えるかもしれません。
ただし、ロシアの国力低下が長期化すれば、将来的にロシアが経済的な立て直しのために再び日本との協力を必要とするタイミングが来る可能性はあります。その時を「チャンス」として捉え、準備を整えておくというのが、現在の日本の現実的なスタンスのようです。
日本としては、必ず取り戻す!という意思を持ち続けることが重要です。
↑のツイートで紹介した「緊迫するウクライナ情勢と日本政府の北方領土を取り戻す意思に関する質問主意書」の答弁書をいただきましたので共有します。 pic.twitter.com/YAue7vSzxY
— 浜田 聡 前参議院議員 日本自由党月額980円党員募集中💉💉💉 YouTube&ブログ毎日更新 (@satoshi_hamada) February 13, 2022