今回は(も)私が時々出演させていただいているインターネット番組、ニッポンジャーナルから。
要約は以下の通り。
YouTube動画は、ニュース解説番組「ニッポンジャーナル」のライブ配信(2026年3月12日公開)です。元衆議院議員の丸山穂高氏と、戦略科学者の中川コージ氏をゲストに迎え、緊迫する中東情勢と日本のエネルギー安保、そして国内政治について深く掘り下げています。
主な内容は以下の通りです。
1. ホルムズ海峡の緊張とエネルギー危機
中東のホルムズ海峡で貨物船が攻撃を受けたニュースを中心に、世界のエネルギー安全保障について解説されています。
各国の被害と現状: イランによる貨物船への攻撃や機雷設置の準備が報じられ、G7は石油備蓄の協調放出を決定しました [15:35]。
インドへの深刻な影響: インドは中東へのエネルギー依存度が極めて高く、すでに国内でガス不足による露店の営業停止などの実害が出始めています [17:53]。
日本と韓国の脆弱性: 日本や韓国は原油の8割〜9割を中東に依存しており、事態が長期化すればガソリン価格が200円を超えるなど、国民生活に直結する大きな打撃を受ける懸念があります [49:53]。
2. 中国の戦略と「全電化」へのシフト
中川氏により、エネルギー安保の観点から見た中国の動きが詳しく解説されています。
中国の影響度: 中国も打撃は受けるものの、中東以外からの調達やパイプラインの活用により、日本ほど致命的な依存度ではないという分析です [46:13]。
脱・中東依存の長期戦略: 中国は数十年前からホルムズ海峡のリスクを想定し、原発の推進や「全電化(EV化を含む)」を戦略的に進めてきました [52:11]。これは有事の際に中東やアメリカに首根っこを掴まれないための「デカップリング(切り離し)」戦略の一環です [58:58]。
3. 国内政治:2026年度予算案と国会のあり方
国内の政治状況、特に予算案の年度内成立を巡る与野党の駆け引きについて議論されています。
国民民主党の動向: 予算成立の鍵を握る国民民主党(玉木代表ら)の姿勢について、丸山氏は「最終的には賛成するだろう」と予測しつつ、パフォーマンス重視の国会審議に疑問を呈しています [01:15:30]。
国会審議への批判: WBCの話題やスキャンダル追及に時間を割く現在の国会のあり方に対し、もっと本質的な外交・安保の議論をすべきだと厳しく指摘しています [01:10:10]。
4. お知らせ・その他
特に注目すべき点を羅列しました。
動画内での専門家(中川コージ氏、丸山穂高氏)による、主要メディアの表面的な報道では見えにくい「戦略的・構造的な視点」を箇条書きでまとめました。
1. 中国の「EV・オール電化」は環境対策ではなく「安保戦略」
主要メディアは「脱炭素」の文脈で報じがちですが、中川氏はこれを「中東・米国への依存脱却」という安全保障の観点から解説しています。
エネルギーのデカップリング(切り離し): 中国がEVや原発、さらには核融合やトリウム発電を推進するのは、ホルムズ海峡という自国でコントロールできないリスクから物理的に逃れるためです。
EV化の「速度」の議論: 世界的にEVシフトが逆行しているとの見方もありますが、中川氏は「方向性は変わっておらず、供給網がすでに変わったため戻ることは不可能。議論はあくまで『速度』が早まるか遅まるかだけである」と断言しています。
2. エネルギー依存度の「数字」による冷静な比較
「中東危機で中国も大打撃」という一般的な報道に対し、具体的な依存率の差を指摘しています。
日本の圧倒的な脆弱性: 中国の中東依存度はパイプラインなどの迂回ルートを含めると実質2割程度(18〜25%)であるのに対し、日本や韓国は8割〜9割を依存しており、危機の深刻さが桁違いです。
インドの「目に見える」崩壊: 日本がガソリン価格の議論をしている間に、インドではLPG不足により露店が営業停止に追い込まれるなど、すでに「生活の死活問題」が現実化しています。
3. 日本の「国会審議」の形骸化への批判
元議員の丸山氏は、予算委員会が本来の目的である「政策議論」ではなく「政局のパフォーマンス」に終始している実態を指摘しています。
「WBCに行ったか」という質問の無意味さ: 予算委員会で「WBCを見に行った議員がいる」といった瑣末な追及をすることに時間を費やし、肝心なエネルギー安保や外交の議論がなされていない現状を「昭和の亡霊」と厳しく批判しています。
日程闘争の手柄化: 野党が予算案の成立を1日遅らせることを「戦果」として喜ぶような風潮は、国民生活を無視したパフォーマンスに過ぎないと断じています。
4. 原発推進とリスクの再認識
「感情」と「安保」のジレンマ: 3.11の記憶から原発議論が停滞した日本に対し、リスクを承知で「エネルギー供給を他国に握られないこと」を最優先する中国の冷徹なリアリズム(現実主義)との対比が示されています。
コストの正体: 中東に依存し続けるのは「単にコストが安いから」という経済的合理性の結果であり、そこから脱却するには「ガソリン代が50円上がる」といった痛みを伴う議論が必要であると説いています。
5. 中国の「巧妙な」エネルギー調達
統計に表れない輸入: 中国はイラン産の原油をマレーシア産などに偽装して輸入しており、公式の統計データだけでは中国の真のエネルギー事情は読み解けないという実態を指摘しています。
中国はイラン産の原油をマレーシア産などに偽装して輸入、と言われても驚きはありません。中国とはそういう国です。
イラン情勢で世界が混乱しつつある中で、中国の危機に備えた国家戦略は日本も見習わなければならないと思います。