自民党総裁選が始まりました。大方の予想では菅義偉官房長官が勝利しそうな見方が主流の様で、私も同様の印象です。
先日、総裁選の演説会がありました。上記の状況なので、とりあえず菅義偉氏の発言に注目します。
自民党総裁選 演説会・記者会見の発言要旨 日経新聞 2020/9/8 22:10
菅氏「閣僚に改革意欲ある人優先」
【コロナ対策】安倍晋三首相が進めてきた取り組みをしっかり継承し、さらに前に進めたい。検査体制を拡充し2021年の前半までに全国民のワクチン確保を目指す。経済対策は迅速に必要な人に届けたい。
【地方活性化】官房長官として力強く進めた外国人観光客(インバウンド)や農産品輸出の促進、最低賃金の全国的な引き上げは地方を活性化したい思いからだ。取り組みを強化し、頑張る地方を応援する。
【経済政策】バブル崩壊後、最高の経済状態を実現したところで新型コロナが発生した。まず危機を乗り越え、デジタル化やサプライチェーン(の再構築)など新たな目標に集中的な改革や必要な投資をする。再び力強く経済成長を実現したい。安倍政権の経済政策は引き継ぎたい。
【少子化】不妊治療への保険適用(の拡大)を実現したい。待機児童問題に終止符を打つ。
【行政・規制改革】複数の役所に分かれている政策を強力に進めるデジタル庁を新設したい。行政の縦割りを打破し、既得権益を取り払い、あしき前例主義を排し、規制改革を全力で進める国民のために働く内閣をつくる。大胆に実行する。
【衆院解散・総選挙】新型コロナを最優先で考えたい。感染状況がどうかが大きく影響する。国民が期待するのは安心できる日常を一日も早く取り戻すことだ。
【閣僚人事】適材適所でやる。改革意欲のある人、専門的立場の人を優先した方がいい。
【憲法改正】結党以来の党是で当然改憲すべきだ。審査会を進めて挑戦したい。
【敵基地攻撃能力の保有】与党の議論を見ながら対応したい。
【国会対応】世界と比べ日本の首相は国会に出席する時間が多い。出席は大事なところで限定すべきだ。
【総裁選】上京した際、いまの自分は全く想像できなかった。私のような普通の人間でも努力すれば首相を目指せる。まさにこれが日本の民主主義ではないか。
注目すべき点は多いと思いますが、ここでは少子化対策に注目してみます。菅さんは「不妊治療への保険適用(の拡大)を実現したい。」と言っております。安倍政権でも話に出てきましたので前政権の継続でしょうか。
不妊治療の保険適用拡大 体外受精など、政府中間報告案 日経新聞 2020/6/23 23:00
9月9日午前の会見では「出産のハードルを下げる」方針を述べられております。
出産のハードルを下げるのであれば、正常分娩の保険適用を検討すべきではないでしょうか。
正常分娩は現状では保険適用外であり、約50万円かかるという報告↓があります。
出産費用は保険適用?妊娠する前に知っておきたいお金のいろいろ
記事の要約
・公的保険や民間保険では正常分娩は保障適用外、異常分娩は適用となるケースがほとんどです。
・日本には、出産手当金、医療費控除など、出産時の経済的負担を軽減してくれる公的制度が整えられています。
・給付金をしっかりと受け取るためにも保障内容の確認と申請漏れを防ぐことが肝心です。(中略)
正常分娩の場合 公的保険適用外
健康保険、国民健康保険といった公的保険は病気やケガの際に安心して医療が受けられるための制度です。正常分娩は病気・ケガに該当しないため、公的保険適用とはならず出産にかかる費用は全額自己負担となります。公益社団法人国民健康保険中央会によると、出産にかかる費用の平均値は505,759円、中央値は493,400円です。1回の出産にかかる費用は約50万円ですから、決して小さな金額とは言えませんね。
出典:公益社団法人国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」
(以下略)
正常分娩のみならず、出産にかかる経緯全ての保険適用を検討すべきではないかと思います。色々と難しそうですが、無理な理由を挙げていると前に進みません。
たとえば健康保険の財政は度外視して、出産に保険適用した方が妊婦にとってよい制度なのかというと、必ずしもそうではない。保険適用ということは、メニューの定型化+料金は全国一律だから、今よりは画一的なサービスになる。
— 弁護士 吉峯耕平(「カンママル」撲滅委員会) (@kyoshimine) September 9, 2020
少子化対策については、出産のみならず、出産後の支援も重要です。点だけでなく線で考えるべきというものです。
少子化対策がどこまで進むかは国民の意識次第でしょう。