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調査研究広報滞在費を用いた各種法案調査 令和6年3月 その2

国会議員は毎月、歳費の他、調査研究広報滞在費というものが月額100万円もらえます。

私はこの調査研究広報滞在費を、主に国会で審議・採決される法案調査に使っています。

これは、主に全国の減税会の方々に協力いただき、法案内容についてそれぞれまとめていただき、各人のブログなどで公表いただく、というものです。1法案につき4万円をお支払いしています。

ちなみに、減税会の方々には本当にすばらしい調査をしていただいております。

最近、いくつかの法案の調査内容を記事で紹介してきました。

ここで紹介したもの以外にも既に数多くの調査済みの法案がありますので、以下に紹介していきます。

ちなみに、各法案については調査内容を読んでもらえればわかりますが、色々な内容を含んでおり、各論においては賛成というのは多々あります。総合的判断をすることになりますが、これはなかなか難しいものです。

まず、おそらく近々の本会議で採決予定の法案、特定農産加工法改正案です。

本noteではこの度国会で審議されることになった「特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案(特定農産加工法改正案)」(本法案」)について考えてみたいと思います。対象とするものは2024年第213通常国会で法案が提出される『特定農産加工業経営改善臨時措置法(平成元年法律第六十五号)改正法案』です。

(中略)

国内の農家を守るためにも、加工業者が国内の農産品を使って商品をつくってもらったほうが農水省としては良いのですね。そのため当然ですが、国内産の農産物を使う場合は輸入品よりも価格が高くなってしまいます。「道の駅」やお土産品として売られているジャムって結構高いですよね。そこで彼らは「国内産の農産物をつかった加工業の経営を守る制度が必要だ」と言うのです。

そこで農水省が考えたのが、輸入品を使わず、国内産の農産物を使った加工業者に融資をする制度で、それが本法律「特定農産加工法」です。融資の要件や運用の方法を定めるのが本法律です。融資は我が国の得意技「株式会社日本政策金融公庫」が行います。前身は「国民生活金融公庫」「農林業金融公庫」「中小企業金融公庫」。沖縄を除く46都道府県に営業所があります。財務省、経済産業省、農林水産省の天下り先です。

農林水産省の官僚としては政策を新しく作り補助金を出さなくても、政策金融公庫に仕事を振っていくことでコネクションが維持できるわけですね。ですからこの法案、農水省による中小企業支援という名目の省益拡大案件です。

(中略)

あとで述べますが、この制度は大して効果的に利用されていません。法律自体が商工中金などと同じように政策金融公庫の権益保持のために作られています。ということでこの法律自体に反対です。結果も見えないまま5年ごとの延長を30年の間繰り返していることにも納得いきません。国会でも数回しか取り上げられていない本法案を継続する意義はありません。

延長を繰り返せば繰り返すほど私たちの税金を投入し続けることになります。事業をやめて税金を安くしてくれた方が農家の手取りだって増えるし、規制を減らせば農産物加工に参入できる人も増えるのですから。
それが本当の意味で農業が豊かになるたったひとつの方法なのです。

(中略)

■特定農産加工業経営改善臨時措置法の改正内容
本法案の改正内容は次の通りです。

1.特定農産加工業経営改善臨時措置法の有効期限を五年間延長し、令和十一年六月三十日までとすること
2.題名を「特定農産加工業経営改善 臨時措置法」とする
3.(目的)第一条に「原材料の調達の安定化」を追加
4.小麦、大豆を「(省令で)指定農産物として定める」(第五条追加)
5.指定農産物については「原材料たる指定農産物等又は代替原材料の保管その他の原材料の調達の安定化を図るための措置に関する計画を作成する」ことを追加
6.指定農産物に係る権限は「農林水産大臣」が地方支分局長に委任する。
(特定農産物は都道府県知事)

農林水産省 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案『新旧対照条文』より抜粋
さて本法案の特定農産加工業経営改善「等」となった部分、それは小麦、大豆に関する原材料調達の安定化を図るための措置の部分です。農水省のホームページとしては令和2年より始まっていますが、令和5年度補正予算より大々的に活動を始めています。

(中略)

大豆、小麦を使った農産加工品事業者は数多く存在すると思いますので、今後さらに本法律による制度利用者が増える可能性があります。そうするといよいよ政策金融公庫への国庫支出金が増える事態となり、税金も投入されてしまいます。そして増税へ…
税金を使うための『事業創造』はアウト!

ざっと読んでみて、ひとまず反対の方針ですが、確認しておきたいことがあります。

・政策金融公庫への国庫支出金が増える、とあります。政策金融公庫は、この制度を利用する農産加工品事業者に対して融資をするのでは?と思いました。補助金と融資とでは大きく異なるわけ(融資であれば返済前提)で、そういう議論なしに増税につながる、というのは少し強引な気はします。

この点を霞が関の省庁に確認をしておく必要はあると思います。

あと、小麦も大豆も国産化を進めるのは私は反対です。農作物はそれぞれ得意とする産地で栽培される方が効率的だからです。わざわざ日本が不得意なところで勝負をする必要はないのではないでしょうか。

※小麦:輸入9割、うち5割がアメリカ小麦粉

※大豆:輸入9割、うち7割弱がアメリカ大豆

衆議院では全会一致で賛成可決している法案です。

関連しそうな動画をいくつか共有します。

次に、裁判所職員定員法改正案です。

今回は、第二条の裁判官以外の裁判所の職員(執行官、非常勤職員、二箇月以内の期間を定めて雇用される者及び休職者を除く。)の定数が31人減ります。

(中略)

Winny事件を覚えている人は多くないかも知れませんが、2004年5月31日、開発・配布者である金子勇氏が、地方検察庁によって京都地方裁判所に著作権法違反で起訴された事件がありました。未来の開発者の為に闘い、最高裁判所で上告棄却で無罪が確定したのは2011年12月19日です。無罪確定まで7年間かかり、世界に通用するソフト開発者の能力と人材を棄損したとも言われた大事件でした。そして、専門性のない司法の現場の限界を世間に知らしめ、早急な司法改革が叫ばれた事件でもありました。

(中略)

家事事件が増える中、民事訴訟の長期化、知財訴訟の悪条件、働き方改革を含む司法の人的配分の改善にむけデジタルによる事務の効率化は必須で、裁判記録の保存と活用から最高裁は裁判記録のクラウド化のシステム整備にも着手しており、裁判官などの人的存在を凶悪犯罪などの刑事事件に傾ける姿勢が見て取れます。

この法案については、特に反対する点はありませんので、賛成の方針です。

裁判手続きのデジタル化は結構なことです。それに加えて、裁判そのものもデジタル化、というよりインターネット中継を検討してほしいものです。

引き続き、法案調査結果をこのブログで共有していきます。

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