今回は自民党の税制調査会について、です。
動画の要約は以下。裏の会議=インナー という制度はいかがなものか?と思います。たった9人に絶大な権力を集中させることに果たして正当性があるのか?これまで盲目的に自民党に投票してきた国民が多いがゆえに腐敗してきた象徴のようなものと思います。
要約(かみ砕き版)
- テーマ:自民党税制調査会(税調)が、来年度の「税制改正大綱」を10日に取りまとめる流れと、その舞台裏を紹介。
- 税調のしくみ
- 表の会議=総会:日程公開。自民党議員なら参加可。
- 裏の会議=インナー:税調の最高意思決定機関。甘利明・宮沢洋一・林芳正ら、当選回数が多いベテラン9人で構成。ここで最終判断が固まる。
- 年末の決め方(マル・三角・バツ)
- 各省庁・業界団体からの税制改正要望を一覧化。
- 12月に**「マル(採用)/三角(検討・後日報告)/バツ(不採用)」**で仕分け。
- 仕分けで決着が付かない案件は**「マルセイ(政治決着)」**で最終判断。
- 今回の主な論点(例)
- 住宅ローン減税:対象の床面積要件を50㎡→40㎡へ緩和、かつ2年延長の方向。
- 自動車関連(エコカー減税の見直し):一部で自動車重量税の100%減税措置を終了の方針。
- IR(カジノ)の勝ち金課税:一時滞在の外国人は非課税、日本人は他の公営競技と同様の課税方式へ。
- “現場”の変化(コロナ以後)
- かつては業界団体が党本部に集まり、会議室の外で**「壁耳」**して雰囲気を探るのが年末の風物詩。
- 今年は関係者が1階ロビー待機となり、記者も壁耳できず。議員も「無観客試合みたいで活気がない」との声。
- 結び
税調の判断は生活に直結(住宅・車・観光など)。今後、公明党側とのすり合わせを経て**大綱取りまとめ(10日)**へ。
ここで、普段の私の政策立案においてお世話になっている救国シンクタンクのメルマガを紹介します。
要約は以下の通り。※この情報が有益と思いましたなら、是非とも救国シンクタンクの会員となることをご検討ください。
要約(与党税調と政権交代)
- 主題:自民党税制調査会(税調)の権力の源泉と、その弊害を断ち切るための政権交代の意義。
税調とは・なぜ強い?
- 位置づけ:自民党政調会の一部(1952年発足)。非公開でもよい形で運営。
- 役割:各省庁・業界団体の税制“特例”要望を**〇△×**で仕分けし、与党税制改正大綱に反映。税制はここを通らないと動かない=実質的な最終関門。
- 権力の源泉:単なる制度知識ではなく、長年の蓄積から生まれる非公式の知(背景・経緯・貸し借り)。
例)山中貞則元税調会長のような“勉強家”タイプ。小泉政権期の「税は50年しかやってない」発言が示す、深い暗黙知の重要性。問題意識
- ブラックボックス化:非公開の場で**人物固有の“貸し借り知”**が肥大化し、「平場」の政策議論が機能不全に。
→ 理屈上おかしなことでも“経緯”を盾に正当化され、国民の判断から遊離。政権交代の意義
- 何を断つか:積み上がった背景・経緯・貸し借りを“ぶった切る”。
- 何が起きるか:新政権は選挙で国民と約束した新しい税制方針の実行に動く。
- 現実の壁:官僚・前与党の強い抵抗。交代だけでは不十分。
必要な支え(民間側インフラ)
- 草の根支持+シンクタンク:新税制の背骨になる知的基盤が不可欠。
これが弱いと旧民主党のように公約が骨抜きにされやすい。- 筆者の実体験:税制の歴史的経緯は、地方自治体労組系シンクタンクに必要情報がまとまっていた—“知の地盤”の差を痛感。
提言・結論
- 国民側の知的インフラ整備が急務:既存の“貸し借り知”に対抗できる草の根組織と独立系シンクタンクを育てること。
- 現状認識:救国シンクタンクはまだ十分でない。予算・人材の拡充と継続的努力が必要。
一言で
税調は“暗黙知と貸し借り”で動く超強力な黒箱。これをリセットし、国民の約束に沿う税制へ舵を切るには、政権交代+民間の知的基盤がセットで必要。
ここからが本題です。今回、与党の税調が前倒しになりました。
以前から主張している通り、税調を年末から前倒しすれば減税を決めることができる。その証拠ね。
自民税調、異例の夏開催へ ガソリン減税法案を協議 – 日本経済新聞 https://t.co/R3QFqZsdej
— 渡瀬裕哉 (@yuyawatase) August 2, 2025
さらに救国シンクタンクのレポートを紹介します。
◆◆ 救国シンクタンクメールマガジン 25/08/04号 ◆◆
要約は以下の通り。
結論
与党税調の前倒し=“税制(減税)を先に決め、予算を後で従わせる”体制への入口。
ここを制度・運用で固定できれば、恒久・時限の減税設計を主導できる。何が問題だったか(現状)
- 与党税制調査会は本来年末開催。実質的に**税制が予算の“付属物”**となり、
減税論は「代替財源探し」に矮小化、密室的利害調整に陥りがち。何が変わったか(今回)
- ガソリン暫定税率対応を契機に、与党税調が夏開催へ前倒し。
- 筆者の主張:4–5月に税制方針を固める→その方針を6月の骨太に反映→以後の概算要求・査定が税制に従う。
望ましい新プロセス(減税先行の設計)
- 4–5月:税制改正方針(与党税調・政府税調)
- 6月:骨太(内閣:税制方針を反映)
- 8月末:概算要求
- 9–10月:予算査定・税制調整は臨時国会で公開
- 翌1–3月:予算・税制改正法案の承認
→ この順序なら、減税(入)を先に決め、予算(出)を合わせにいける。
減税を先に決めるメリット
- アジェンダ主導:骨太前の段階で、暫定税率や各種特例の棚卸しと縮減を明記可能。
- 一体設計:減税のネット効果を、歳出改革・税外収入・自然増収とパッケージで最適化。
- 透明性:臨時国会での比較表・採否理由の提示により、密室調整を抑制。
必要な運用(骨抜きを防ぐ条件)
- 議事・要望・採否理由の公開(与党税調の可視化)。
- 優先減税リストの先出し(暫定税率・時限特例のサンセット厳格適用)。
- 比較表の提示(現行・政府案・対案)と採決日程の明確化。
リスク(こうなると台無し)
- 単なる時期だけ前倒しで、実質は年末同様の密室利害調整。
- 選挙向けの一回限り給付・定額減税に終始し、恒久的な税体系の見直しに繋がらない。
総括:前倒しは、減税を“先に”決められる構造改革のチャンス。実務の透明化と手順固定が鍵です。
今回の自民党税調の前倒し、多くの国民がその意義を理解することが重要です。
骨抜きにならないように頑張りましょう。
ちなみに、私は参議院において、自民党税調の議事録を公開せよ、と提案したことが複数回あります。
一部を共有します。
抜き出し(該当箇所):
「この自民党税制調査会の議事録、公開していただけないでしょうか。」
― 第204回国会 参議院 財政金融委員会(2021年3月22日)浜田 聡委員の発言より。 (国会会議録検索システム)(補足)同日の会議録「発言目次」では、浜田委員の発言は #261 以降に並んでいます。参照に便利です。 (国会会議録検索システム)
前後の文脈は以下です。
267・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
おっしゃるとおり、トレードオフということで、一つ重視するとほかが立たないということで、まあ難しい問題だと思います。
やはり私は、やはり簡素を重視すべきだとは思います。税制が簡素で分かりやすいということは自己の税負担の計算が容易である、また、納税者にとって納税コストが安価であることは国民が自由な経済を行う上で重要だと思います。
簡素というのは納税者のみならず執行側のコストも安価になり得る点というのも重要だと思います。官僚機構にとっては、その扱う構造が複雑で一般の人々にとって分かりにくければ分かりにくいほど、官僚による裁量、さじ加減の幅が大きくなって、自らの権力の源泉になると言えるんじゃないかと思います。
したがって、官僚の方々が税において簡素性を犠牲にしても公平性が重要だという、例えば昨年の矢野主税局長の意見というのはもっともなことだと思いますが、ただ、一般国民からすると、そんなものはたまったものではないということで、私は官僚の立場ではなく一般国民の立場から簡素性が重要であると引き続き訴えていきたいと思います。
次に、国の税制がどのように決まっていくのかについて話題にしたいと思います。
もちろん、最終的にはこの国会の場で決まるというのは当然であります。ただ、現状では、それ、あくまでも形式上国会で決まるにすぎない、それが現実ではないかと思います。何が言いたいかといいますと、現状では国の税制というものが与党自民党の税制調査会で決まるというのが現実だと思います。もちろん、国民の投票で選ばれた与党で話し合われて決まった税制ですので、それはそれで民主的であるとは思います。
ただ、ここで一つ問題提起させていただきますと、この税制調査会の議事録というのが公開されていないんじゃないかと思います。税制というのが国民全員に関わる問題であって、自民党関係者だけの問題ではないので、この税制調査会の議事録というのは公開してもいいのではないかと思いまして、そこで、麻生大臣に提案というか、質問です。
この自民党税制調査会の議事録、公開していただけないでしょうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120414370X00420210322/267
268・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 曲がりなりにも政党ですから、私どもも、大蔵大臣が自由民主党の税制調査会の運営等々の細目について、議事録の作成しろとかするなとか、公開しろとかしないとか、これは全て、御党なら御党でやられるだろうし、自民党は自民党でやりますので、それを政府として出せとか出すなとか公開しろとか言うのは、ちょっと私どもとしては、共産主義やら統制経済とか、そういうのをやっているんじゃありませんので、自由主義経済を曲がりなりにもやっております、そういうつもりでおりますので、なかなかさようなことはいたしかねるということだと思っておりますが。
発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120414370X00420210322/268
269・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
まあいろいろな方針というものがあるでしょうから、まあそれはそれとして尊重します。ただ、一方、与党であるからこそ、国の税制が実質的に決まるこの会の透明化を推進する意味でも、議事録公開やっていただきたいと思います。
公表された自民党の税制改正の大綱を見ると、消費税の減税についての言及がなされていなかったと承知しております。私、昨年の財政金融委員会で、自民党の若手有志の方が消費税減税を要求して記者会見開いたことに関して批判的なコメントさせていただきました。記者会見以外にもやることがあるという批判をさせていただきましたと思います。
このように、自民党の税制調査会の議事録が非公開のままだと、果たしてこの消費税減税求めた若手の自民党有志の方がこの税調の方でどの程度存在感を示したというのが全く分からないことなんですね。有権者の投票行動の基準として非常に大事なことであると思いますので、他党の立場でありますが、一意見としてお聞きいただければと思います。
次に、個別の税について政府の方にお聞きしたいと思います。ガソリン税の二重課税の可能性についてお伺いしたいと思います。
ガソリンに係る消費税についての問題提起なんですが、ガソリンというのはガソリンの原価に対してガソリン税と石油税が賦課されます。さらに、ガソリンの場合はその総額に対して消費税が加算されるのではないかと承知しております。一方で、軽油には軽油取引税が賦課されるんですけど、軽油に関する消費税についてはその軽油取引税とはまた別で、別といいますか、軽油そのものに消費税が掛かるだけで、税に税が課されるということはないと承知しております。
このように、ガソリンに対する消費税と軽油に対する消費税の掛かり方が違うわけなんですけど、これ、ガソリンに対する消費税については軽油と同様に本体価格のみに課すべきではないかと思うんですけど、財務省の意見をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120414370X00420210322/269