兵庫県知事騒動について、香椎なつさん(YouTubeチャンネル登録24万人)、増山誠兵庫県議会議員、片山安孝元副知事の3人の対談を紹介します。
その前に、兵庫県知事騒動については以前紹介した香椎なつさんの動画まとめを一読することをオススメします。
ということで、3人の対談ライブ配信です。本題に入る前に、この動画のポイントを挙げておきます。
この動画の最大のポイントは、片山元副知事が「兵庫問題」の本質を“革命 vs 反革命の権力闘争”としてはっきり言語化したことだと思います。
具体的には:
- 2021年の斎藤知事当選は、旧井戸体制から見れば「革命」だった
- その後の文書問題・百条委・報道は、「改革を進める側 vs 改革をさせたくない側」の反革命的な権力闘争にすぎない
- 元県民局長の死も「正義の告発者の殉死」ではなく、その権力闘争の中で生まれた犠牲であり、それを政治的に利用した県議たちを「絶対に許せない」と批判した
この政治的フレーミングを、当事者中の当事者である片山氏が生配信の場でここまでストレートに語ったことが、いちばん重いポイントだと思います。
要約は以下の通り。
この配信は、
「増山県議×香椎なつ+片山元副知事」の“忘年会ノリ緊急コラボ”ですが、
中身はかなりガチで兵庫県政・「兵庫問題」を総括する内容になっています。ざっくり構造ごとに整理します。
1.配信の雰囲気とメンバー関係
- 忘年会的な場で、増山県議と香椎なつ氏が乾杯しつつトーク開始。
途中から**片山元副知事(元・県民局長を抱えた側のキーマン)**がゲスト参加。- 3人ともかなり打ち解けた雰囲気で、酒や差し入れ(サーターアンダギー・赤福など)をいじりながらも、議論は兵庫の文書問題・百条委員会・マスコミ報道などの核心へ。
- コメント欄からの質問を拾いながら進行し、最大で同接2万人近くまで視聴者が集まったと報告。
2.香椎なつが「兵庫問題」に取り組んだきっかけ
- 香椎氏は兵庫出身だが、県外に出ている間に知事が変わったことすら知らなかった。
- テレビを見たら「兵庫の知事叩き」がずっと続いていることに違和感を覚え、
- 「なぜこんなに長期で加熱しているのか?」
- 「背景に何があるのか?」
を自分で深掘りし始めたのが出発点。- 行政サイドの事情にある程度通じていたこともあり、
「これは何か臭う(おかしい)」
と感じて調査・動画化に踏み切ったと説明。- 兵庫問題の1時間まとめ動画も、台本無しで、頭の中で整理できた段階で一気に喋っていると明かす。
3.片山元副知事のスタンス:斎藤知事擁護と「逃げていない」反論
- ネット上で「片山は逃げた」「責任から逃亡した」と言われていることに強い不満。
- 「逃げたんちゃうで」と明言。
- 自身が辞職した理由として:
- 騒動による県政の混乱に対する政治的・道義的責任を取るため。
- 知事と副知事の両方が残れば「共倒れ」になる恐れがあり、
片方(自分)が身を引いて体制を守る「危機管理」だった。- そもそも、かつて斎藤知事に「一度辞めて選挙に出てください」と勧めた立場でもあり、
自分だけ残るわけにいかなかったという“けじめ”。- 「百条委員会できっちり証言したのが“逃げていない”証拠」と強調。
4.斎藤知事への評価と「知事叩き」批判
- 片山氏:
- 斎藤知事のコミュニケーションのまずさは認めつつも、
- 「真面目で県民のために改革を進めている人物」だと擁護。
- 一部新聞が「知事の資格なし」とまで書いていることに対し、
「何を言ってるんだと言いたい」
と強く反発。- 香椎・増山両名も、「知事を一方的な“悪者”として描く記者会見報道」には問題が大きいと指摘。
5.百条委員会・議事録改ざん・漏洩問題
(1) 百条委員会の構図
- 片山氏いわく、百条委員会は
**「15人中2〜3人を除き、ほぼ“攻める側”」**で、
証人側にとっては「15対1」のような構図だった。- 弁護人も付かず、資料も自由に確認できないまま追及される異常さを指摘。
- 自分は「優秀だ」と言われるが、
「事実を事実として述べただけ。自爆したのは相手側」
と冷静に分析。(2) 議事録の削除・修正
- 百条委員会の会議録には、後から削除・修正された箇所があり、
その「削除前後の対照表」が出回ったことで、
- 誰の発言が消されたか
- どんな事実が隠されたのか
が浮き彫りになったと指摘。- 特に「元県民局長とつながっていた調査担当局長」の存在を示す記述が消されていることが、
問題の“急所”だと見ている。(3) 公用パソコン調査の不十分さ
- 片山氏は、「自分は公用PC内の資料を見ていない」「報告も受けていない」と明言。
- にもかかわらず「ちゃんと見ている」と主張している県側の説明には疑義があるとし、
公用PCの調査の中途半端さを批判。(4) 録音・情報漏洩
- 公用PC回収時の会話録音など、内部職員が念のために録音したものが
外部に漏洩し、騒動を拡大させたと説明。- 漏洩行為については県が一部職員を告発し、現在も捜査中とみられるが、
- 「市中への漏洩を誰が行ったのか」という本丸は
第三者委員会でも十分検証されていないと批判。- 片山氏は、
「秩序ある組織運営のため、漏洩には厳正に対処すべき」
と強調しつつも、
反斎藤派にとってはそこから情報を得ていた可能性があり、
本音では突っ込みづらいのではないかと皮肉る。
6.「反斎藤派」批判と一般職員を守るべきという訴え
- 片山氏は、一般職員の実名を出して叩くことには反対の立場。
- 知事・副知事・県議会議員などの「公人」は批判されても仕方ないが、
- 一般職の職員を一方だけ晒すのは不公平。
- 百条委員会では、斎藤側近とされる職員(井本総務部長、原田元産業労働部長など)の名前は出る一方、
「反斎藤派の職員の名前は出ない」のはおかしいと指摘。- ただし、だからといって反斎藤職員の実名を晒せと言うのではなく、
「そもそも職員同士の“分断”をやめろ」
と訴える。
7.旧知事・井戸敏三への評価
- 井戸前知事については、
- 20年間県政を続けたことは高く評価。
- 自分もその下で幹部として働いており、能力は認めている。
- ただし「後継体制(ポスト井戸)をきちんと作らなかったこと」は
井戸県政の課題だったのではないか、と指摘。
8.文春リーク・第三者委員会・県議の責任
- 週刊文春への情報提供者が誰かという質問に対して:
- 具体名は出さないが、
「第三者委員会で事情聴取を受けた県議の中に答えがある」と示唆。- 県議が外部に情報を流しても法的制裁は乏しく、
主に「政治的・道義的責任」の問題になると説明。- 元総務部長による“漏洩”ばかり問題視されているが、
- 「市中に広めた県議の責任」こそ重いはずと批判。
- 百条委員会で「自分は元総務部長から話を聞いた」と公言した県議たちは、
事実上、自らの“情報拡散への関与”を白状しているのではないかと述べる。
9.2馬力選挙・再選・「出口はもう出ている」という整理
- いわゆる「2馬力選挙」(斎藤陣営ともう一人の候補が実質連携したとされる構図)について:
- 香椎氏は「現行法上、違法性はない」と整理。
- 制度的に規制されていない以上、「あとから道義的に叩いても仕方ない」という認識。
- 片山氏は、
- 2024年11月17日の知事選再選を**「騒動の出口」**と位置づけ、
- 「有権者が正式に選んだ以上、政治的決着はついている」と強調。
- にもかかわらず、
- 反斎藤派は2馬力問題などを理由に「選挙自体の正当性」を否定し続けており、
- それが「いつまでも混乱が収束しない原因」と指摘。
10.第三者委員会への評価
- 片山氏は、第三者委員会について
- 「分析自体は冷静でよく整理されている」と一定評価しつつ、
- 「判断の部分」で大きな問題があると批判。
- 特に、
- 「定年退職前の職員が不正をするはずがない」という前提で
元県民局長を“正義の告発者”扱いした点、- 「知事周辺が同質的で反対意見を聞かなかった」とする評価を
そのまま“悪”として断じた点を問題視。- 片山氏は、
「改革を進めるときに、周りが敵だらけなら、気心知れたメンバーで固めるのは当然」
とし、それを「恐怖政治」と決めつけるのは現場感覚に反すると主張。
11.政務活動費問題や県議定数など周辺論点
- コメントからの質問を受けて:
- 兵庫県議の政務活動費の不正使用疑惑がSNS上で多数指摘されていることに触れ、
- 住民監査請求が出ている案件もあるが、
行政側の対応はまだこれからだと説明。- 県議定数については、
- 「今の86人は多すぎる」「2割削減でもやっていける」という話題も出る。
- ただし、公約として定数削減を掲げている会派もあり、
最終的には議会の裁量だと整理。
12.「革命 vs 反革命」という片山総括
配信の終盤、**「今回の騒動を一言で」**と問われ、
片山氏がかなりはっきりと総括を述べます:
- 2021年の知事選で、斎藤知事が誕生したことは、旧井戸派から見れば「革命」だった。
- その後の一連の文書問題・百条委員会・マスコミ報道・反斎藤派の動きは、
「革命に対する反革命」であり、
「改革派 vs 改革をさせまいとする勢力の権力闘争」にすぎない。- 元県民局長の死は「正義の告発者が潰された事件」ではなく、
- 過酷な政治的圧力と百条委員会強行などの中で生じた権力闘争の犠牲だと見る。
- にもかかわらず、その死を
「知事・副知事が追い込んだ」という物語に仕立て、
政治的に利用した県議たちを、
「絶対に許せない」と強い言葉で批判。- そして、
- 「もし百条委員会が設置されなければ、ここまでの犠牲は出なかったのではないか」
とも述べ、百条委員会設置自体の責任を厳しく問う。
13.視聴者・支持者へのメッセージ
- 香椎氏:
- これまでの兵庫問題解説が、斎藤知事支持者や“モヤモヤしていた県民”を勇気づけたのではないかと振り返る。
- 今後も「一次情報を整理して発信する」というスタンスを継続する意欲を示す。
- 片山氏:
- 香椎チャンネルがなければ、今回の選挙結果(再選)も違っていたかもしれない、と感謝。
- 視聴者には、
「11月17日の再選で一度決着はついている」
ことを前提に、これ以上の分断や陰謀論には乗らないでほしいと呼びかけ。- 最後は「年末忘年会を楽しみながら、この配信を酒の肴に振り返ってほしい」と締めて、
電池切れなどのハプニングも交えつつ配信終了。
だいたいこのあたりが、配信全体の流れと論点の「骨格+細部」です。
片山元副知事による「革命vs反革命の権力闘争」という表現は味がありますね。
エックスのポストをいくつか紹介。
〜香椎なつチャンネル〜
公益通報ではなかったと証明する方法は?※「不正な目的があれば公益通報には当たらない」という消費者庁の指針あり。
公用PCの中身を確認した片山元副知事
「あれはなんぼなんでも不正だろう」
「私的な部分を除いた、公的な部分のみ確認したらいい」 pic.twitter.com/U4EH18NrUc— 8(何かしら谠®) (@Hacchou) November 23, 2025
片山副知事、増山県議、香椎なつ対談
片山副知事が今回の兵庫県騒動を一言でまとめ
「渡瀬の正義の告発ではなく、改革派に対する改革させない派の権力闘争、渡瀬は百条委員会の犠牲者、その死を利用した政治家は決して許せない」 pic.twitter.com/lfKEjaOEHV
— 源氏 (@UnicornBot7) November 23, 2025
【片山元副知事】
・アンチが私に逃げたと言っているが、
逃げたんちゃうで
知事を応援していく・どこかの新聞社が知事の資格なしと言っているが、あれだけ真面目で県民の為を考えて改革を進めていく人はいない
・議事録の削除された部分について
・増山さんが3月片山さんに送った質問状について https://t.co/UJO60fhSt5 pic.twitter.com/Mz0fnC6Ove
— ももえちゃん( ´っ•ч•c` )💕増山誠県議応援💙公のために尽くす✊✨ (@momo_051004) November 23, 2025
地方自治は民主主義の学校、という言葉の意味を兵庫県騒動から実感します。また、この権力闘争で死人が複数人出ていることもあり、民主主義は命がけの戦いであることを今一度かみしめたいと思います。
私自身は、立花孝志党首にこの兵庫県知事騒動についての情報提供をして県知事選挙出馬を後押ししたことで選挙の結果に大きく貢献したと自負しています。引き続き民主主義における重要な役目を果たしていきたいと思います。