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中国は計画的に軍事・資源・情報面で圧力を強めているので、日本は事実を隠さず発信しつつ、南鳥島などを含めた防衛態勢と予算の優先付けを本気で見直さなければならない

今回は(も)インターネット番組、ニッポンジャーナルの内容を紹介します。

メッセージを端的に示すと次の通り:中国は計画的に軍事・資源・情報面で圧力を強めているので、日本は事実を隠さず発信しつつ、南鳥島などを含めた防衛態勢と予算の優先付けを本気で見直さなければならない

要約は以下の通り。

以下、主に安全保障関連パートを中心に、文字装飾付きで整理して要約します。


◆ 全体の流れ

  • 番組前半はMC森島氏の近況報告・ライブ告知など雑談。
  • 本編は
    ① 中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射事案
    ② 空母「遼寧」の沖縄・宮古間通過と大規模訓練
    ③ 南鳥島レアアース・南シナ海情勢
    ④ 日豪・日米豪比連携
    ⑤ 防衛増税・高校生扶養控除など税制議論
    を柱に、岩田清文氏(元陸幕長)、山田吉彦議員、新田氏が解説。

◆ ① 中国軍のレーダー照射事案の中身と危険性

  • 事案概要
    • 12/6、中国空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、沖縄本島南東の公海上空で、航空自衛隊F-15に2回レーダー照射
    • 1回目:16:32頃から約3分。
      2回目:18:37頃から約30分継続
    • 防衛省は翌7日深夜、小泉防衛相本人が会見して公表。
  • なぜ危険か(岩田氏)
    • 戦闘機のレーダーは「捜索」と「火器管制」が一体。船のように別系統ではないため、照射された側からすると「ミサイル発射直前かもしれない」極めて危険な状況。
    • 3分で1回だけなら「誤操作」の余地もあるが、30分間継続しており、完全に意図的・計画的な行為
    • 戦闘機同士の照射は日本側公表ベースではで、2013年の海自護衛艦・ヘリへの照射よりも踏み込み方が深い。
  • 政治的意味合い
    • 中国側は「自衛隊機が訓練空域に妨害的に接近」と反論しているが、岩田氏・山田氏ともに「呼び出しておいて照射した訓練的挑発」と評価。
    • 公明党・斉藤代表が「偶発的要素も」と発言したことに対し、
      パネリスト一同「30分照射で偶発はあり得ない」「現実を直視していない」と厳しく批判。

◆ ② 空母「遼寧」訓練と台湾有事シナリオの一環

  • 訓練の全体像
    • 空母3隻体制(遼寧・山東・福建)になった中国は、
      年末にかけて数十〜100隻規模の合同演習
      を毎年実施。
    • 今回のレーダー照射は、
      「高市総理発言への報復」というより、
      毎年12月に行っている大規模演習の一環で、日本への威嚇成分を強めたものと解説。
  • 6月の前例
    • 今年6月にも、J-15が海自P-3C哨戒機を40〜80分追い回す異常接近を実施。
    • さらにその前の5月には、尖閣北方空域で120回の発着艦訓練を実施済み。
    • 今回は太平洋側に出て100回の発着訓練を行っており、
      「遠方作戦能力」向上と台湾有事想定訓練の本気度が増している。
  • 日本側の評価
    • 岩田氏:
      • 「これは対台湾作戦を念頭に置いた本番レベルのリハーサル
      • 「だからこそ自衛隊が監視に来るのは当然で、そこにわざと危険行為を仕掛けている」
    • 山田氏:
      • 北西風の関係で、この海域で本格訓練できる時期は限られており、「今年中に実戦的訓練フェーズへ入った」と見る。

◆ ③ 小泉防衛相と「認知戦」:情報発信の重要性

  • 素早い公表の意味
    • 通常、防衛省発表は「相手側の動向を見てから、遅めに出す」ことが多かったが、
      今回は事案発生当日の夜に防衛相本人が会見
    • 岩田氏:
      • 国民と国際世論に、日本周辺の異常さを透明に伝える方針に転換した
      • 「中国の認知戦・プロパガンダに対抗するうえで極めて重要」
  • 小泉防衛相の「発信力」
    • マールズ豪副首相とのお揃いスニーカーでのジョギングや、
      福島でのサーフィンなど、「絵になるパフォーマンス」を巧みに使い、
      同盟国との結束と対中抑止を可視化する情報戦を展開
    • 山田議員も、尖閣・石垣視察時の答弁などから
      「基地反対運動の実態にも問題意識を持ち、『自衛隊を守る』側に明確に立つ大臣」と評価。

◆ ④ 南鳥島レアアース開発と中国妨害懸念

  • レアアースの戦略性
    • レアアース17種はEVモーター、スマホ、排ガス浄化装置などに必須。
      世界市場シェア:採掘7割・製品9割を中国が握る
    • 中国は日本・世界に対し、
      輸出規制や手続き遅延を「経済安全保障カード」として行使してきた。
  • 南鳥島沖の潜在力
    • 東京から約1,800km東の南鳥島EEZ内に、世界500年分とも言われるレアアース泥が存在。
    • 来年1月から本格的な**試掘(地球深部探査船「ちきゅう」など)**を開始予定。
    • 山田議員:
      • 500兆円分の資源と言われるなら、1兆円投資しても十分に元が取れる国策
      • 「中国依存からの脱却と、世界への安定供給国としてのポジション獲得が外交的にも極めて大きい」
  • 中国による妨害の実績と不安
    • 昨年6月、南鳥島周辺での調査中に空母「遼寧」がEEZ内へ進入し、
      調査船側は「このまま続けて良いのか」と強い不安を感じたという証言。
    • 今回のレーダー照射も、
      レアアース開発の芽を摘むためのハラスメント継続の一環」との見方。
  • 必要な防衛態勢
    • 岩田氏案:
      • 南鳥島に自衛隊の射撃訓練場を整備し、スタンド・オフミサイルの実射訓練も実施。
      • 常駐要員を置き、「ここは日本が武力的にも守る島だ」というメッセージを明確に。
    • 山田議員:
      • 「海上保安庁だけでは手が足りない。自衛隊が前面に出て調査船を守る体制が不可欠

◆ ⑤ 南シナ海・フィリピン情勢と日米豪比連携

  • 南シナ海は既に「中国の海」に近い
    • 中国はミスチーフ礁・ファイアリークロス礁・スビ礁などを埋め立て、
      3,000m級滑走路+レーダー+電子戦装備を完備した軍事拠点化を完了。
    • 2016年の常設仲裁裁判所の中国敗訴判決を、
      翌日、習近平が「紙くず」と一蹴し、事実上無視。
    • 米軍は南シナ海に常駐戦力がほぼなく、ローテーションの海兵隊200人程度
    • ペロシ前下院議長の台湾訪問時も、政府専用機は
      南シナ海上空を避けて大きく迂回しており、
      「**南シナ海は米軍の制海空権外=中国の海になっている」**と岩田氏。
  • フィリピンとの連携強化の意味
    • 米国はバシー海峡周辺島嶼に**射程210kmの地対艦ミサイル(ネメシス)**を配備し始めているが、まだ戦力不足。
    • 日本では、**防衛装備移転の拡充(比への地対艦ミサイル供与など)**が進めば、
      フィリピン沿岸に「対艦ミサイル網」が構築され、
      中国艦隊の自由な出入りを抑止可能。
    • これに日豪米比が連携すれば、
      台湾有事の際、中国は東シナ海と南シナ海の両方でリスクを負うことになり、侵攻コストを大きく引き上げられる」。
  • 100隻の「海上民兵」
    • 南沙諸島周辺で海上民兵らしき船100隻超を展開。
      フィリピン側航空機に対してフレア(熱源弾)を発射するなどの威嚇も。
    • 山田議員:
      • 中国は**1万隻規模の「海上民兵」**を準備しており、100隻は「ほんの一部」
      • 東シナ海に本格投入されれば「1000隻規模もあり得る」と警鐘。

◆ ⑥ 国内政治:公明党・立憲などへの批判

  • 公明党の「偶発的」発言
    • 斉藤代表の発言を受け、
      まだ与党離脱から1ヶ月なのに、ここまで急激に『あっち側』に寄るのか
      「尖閣対応でも長年ブレーキ役だったのではないか」と厳しく分析。
  • 立憲・岡田氏の姿勢
    • 高市総理の台湾関連発言を、国会質問で政局ネタにしたことについて、
      元外相が安全保障を政局に使うのは無責任
      「その後の新聞連載で“高市は大変なことになるかも”と他人事コメントしているのもおかしい」と新田氏。

◆ ⑦ 防衛増税・高校生扶養控除をめぐる税制議論

  • 防衛費増額は必要だが「防衛増税」は別問題
    • 新田氏:
      • 防衛費増額自体には賛成(国際水準に照らせば日本はまだ少ない)。
      • ただし現状はコストプッシュ型インフレ+景気腰折れリスクの局面であり、
        「今すぐの所得税増税は時期尚早」と主張。
      • まずは**歳出削減・予算組み替え・無駄削減(日本版DOGE的な見直し)**が先。
  • 「観測気球」としてのメディア報道
    • 防衛所得増税・高校生扶養控除縮小などの報道は、
      主に毎日新聞などから税調リークによるアドバルーンとして出ていると分析。
    • 高市総理はXで
      縮減の指示はしていない/与党税調で決定した事実もない
      と火消しをしたが、
      やらないとは言っていない」点にも注意すべき、と新田氏。
  • 国民民主党の立場(山田議員)
    • 「防衛力強化には賛成だが、“防衛増税”という言葉の発想自体がおかしい
    • 防衛費は本来、「一般会計の中核として優先順位を付けて確保すべき」であり、
      後から増税ラベルを貼るやり方には強い違和感。
    • 増税案に安易に賛成すれば、国民民主党も「増税勢力」と見なされるため、慎重なスタンス。
  • 岩田氏の視点
    • 世界的にはインフレ込みでGDP比3.5〜5%が標準であり、
      日本も最終的にはそこへ向かわざるを得ないが、
      いきなり税目を“防衛税”と名付けて国民の反発を招くのは得策でない」。
    • まずは国全体の予算構造の議論と、国民的な合意形成が不可欠。

◆ ⑧ 出演者それぞれのメッセージの芯

  • 岩田清文氏
    • 中国軍の動きは「明確な意図に基づくもの」であり、
      日本は事実を隠さず、公表し、国際社会に訴えるべき
    • 南鳥島・南シナ海・フィリピンなど、「線」としての安全保障地図で見る重要性を強調。
  • 山田吉彦議員
    • レアアース・南鳥島・南シナ海など、資源と安全保障の結節点に着目。
    • 自分の国は自分で守る」「国連や仲裁裁判所は万能ではない」という現実を、
      日本の有権者が直視すべきだと訴える。
  • 新田哲史氏
    • メディア・税制・世論形成をめぐる**「認知戦」**の観点から整理。
    • ハッシュタグ「#税金がタカイチ」に触れつつ、
      「防衛増税」観測報道が出た段階で、国民がSNSを通じて議論に参加し、圧力をかけることが重要と呼びかけ。

こんな構成で、レーダー照射から南鳥島レアアース、防衛増税まで**「対中抑止+国内の認知戦」**を軸に一本につながる内容になっていました。

ニュースも重要ですが、ニュース解説も大変勉強になりました。

改めて整理しておきます。

  • 中国大使館が日本語声明で、サンフランシスコ講和条約など戦後国際秩序そのものを否定する趣旨の主張をしている。
  • それに対し、日本政府の抗議・説明は極めて弱く、国際法上の正当性を正面から主張できていない
  • 中国側は、一つ一つの言葉を選びながら「歴史認識」や「領土問題」で日本の譲歩を既成事実化しようとしている(法戦・認知戦)
  • 日本の多くのメディアは、中国声明の危険性をほとんど解説せず、政府対応の弱さも問題にしていない
  • その結果、「中国の言い分が国際社会の常識」と思い込まされるリスクが、日本国内の世論にも生じている
  • 台湾・沖縄・尖閣などをめぐり、中国は「言葉」と「軍事力」を組み合わせて圧力を強めており、日本の安全保障環境は着実に悪化している。
  • にもかかわらず、日本国内では防衛増税や財政論ばかりが前面に出て、安全保障の本質的議論が置き去りになっている。
  • 米国・同盟国も、中国の国際法無視の動きを問題視しているが、日本政府自身が先頭に立って抗議・発信できていないことが最大の弱点
  • 中国は、日本の政界・官界・言論界の「弱いところ」を見抜き、
    ・外務官僚の事なかれ主義
    ・政権の支持率低下
    ・メディアの“空気”依存

    を突く形で動いている。
  • 逆に言えば、日本側が一次資料を読み込み、条約・国際法に基づき反論し、世論を味方につければ、まだ巻き返す余地はある
  • 認知戦の時代に、「正しく怒るべきポイントで怒らない」こと自体が、相手にとっての最大の成果になってしまう。
  • 政治家・言論人・有権者が、
    ①一次資料を読む
    ②国際法の基本を押さえる
    ③わかりやすく周囲に伝える

    という地道な作業をサボれば、その空白を中国のプロパガンダが埋めていく。
  • 日本の防衛力整備(ハード)と同時に、
    「歴史認識・条約解釈・情報発信」というソフト面の再構築が急務である。
  • これは右左のイデオロギーではなく、
    「主権国家として生き残るかどうか」の最低ラインの問題である

私自身、日々、インプットしつつ、インターネットでの発信を行い、国に少しでも貢献していければと思います。

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