今回は(も)、私が普段の政策立案でお世話になっている救国シンクタンクのライブ配信の紹介です。
中国軍のレーダー照射と報道ステーションが中心話題ということで、私のポストを参考資料に提示します。
中国軍レーダー照射問題に関するテレビ朝日「報道ステーション」X投稿の問題点と改善を求める声明
令和7年12月10日
前参議院議員 浜田聡中国軍機が自衛隊機に危険なレーダーを照射した問題で、中国側は「事前に訓練を通告していた」とする音声データを公表しました。… https://t.co/y5Epr66xhr
— 浜田 聡 前参議院議員 日本自由党月額980円党員募集中💉💉💉 YouTube&ブログ毎日更新 (@satoshi_hamada) December 10, 2025
中国軍レーダー照射問題に関するテレビ朝日「報道ステーション」X投稿の問題点と改善を求める声明
令和7年12月10日
前参議院議員 浜田聡中国軍機が自衛隊機に危険なレーダーを照射した問題で、中国側は「事前に訓練を通告していた」とする音声データを公表しました。
これを受けて、テレビ朝日「報道ステーション」のX公式アカウントは、
「【速報】中国側“事前通告”音声を公開」
という投稿を行い、中国側の主張を大きく取り上げました。
一方で、小泉進次郎防衛大臣は、Xに
「先ほどレーダー照射事案に関する中国国営メディアの報道について、臨時記者会見を開きました。内容は以下の通りです。
――――――
12月6日(土)に発生したレーダー照射事案に関する中国国営メディアの報道について、4点申し上げます。」
と投稿し、添付資料で次の4点を丁寧に説明しています。
1 中国艦艇から「飛行訓練を開始する」との連絡はあったが、訓練区域・時間・規模など、危険回避に必要な具体情報は伝えられていないこと。
2 自衛隊機のスクランブルは、訓練の事前通告の有無にかかわらず、領空と国民を守るための正当な行為であること。
3 当日の航空自衛隊F-15が、中国側の主張のようなレーダー照射を行った事実はないこと。
4 問題の本質は、中国側が約30分にわたり危険な火器管制レーダー照射を行ったことであり、再発防止を強く求めていること。
つまり、小泉大臣は、Xのポストと会見を通じて、
「中国側の音声はあっても、『安全を確保できる十分な情報』ではなかった」
「日本側のスクランブルは当然の任務」
「レーダー照射をしたのは中国であり、日本ではない」という点を、国民向けに明確に示しています。
この状況を踏まえると、報道ステーションのX投稿には、次のような大きな問題があると考えます。
―――――――――――――――――
【1 “事前通告”の言葉を、そのまま見出しに使った問題】
国際的な意味での「事前通告」とは、
・訓練区域
・期間
・高度などを、前もってNOTAMや航行警報で正式に知らせることです。
ところが、中国側が今回出してきたのは、
「現場の艦艇から、直前に『これから訓練します』と告げているだけ」
と見られるものです。
それにもかかわらず、
「【速報】中国側“事前通告”音声を公開」
と太字で打つと、
「日本は事前に知っていたのに、わざわざ近づいたのでは?」
という誤解を、多くの人に与えかねません。
これは、中国側の「話の枠組み(フレーミング)」に乗せられてしまう危険な表現です。
しかも、テレビ朝日と報道ステーションは「公共の電波」を使うキー局です。
電波は国民共有の財産であり、その限られた周波数を優先的に使う立場として、一方当事者の言葉をほぼ検証なく見出しに採用するのは、極めて問題だと考えます。
―――――――――――――――――
【2 中国側音声の「怪しさ」への説明がないこと】
今回の音声については、すでに
・SNS上で編集されている可能性
・英語のやりとりの不自然さ
・英語が中国語訛りだとされ、本当に自衛隊側の声なのかという疑問など、多くの指摘がなされています。
にもかかわらず、報道ステーションの投稿では、こうした疑問点や注意点がほとんど触れられていません。
まるで、中国国営メディアの出したものを、そのまま受け入れてしまったかのように見えます。
公共の電波を預かる放送局が、外国のプロパガンダの可能性がある素材を扱うときは、
・出典
・編集の有無
・信頼性への疑問点をあわせて説明するのが筋です。今回は、その基本が欠けていると言わざるを得ません。
―――――――――――――――――
【3 問題の本質は「火器管制レーダー照射」であること】
小泉大臣は会見・Xポストを通じて、繰り返し
「問題の本質は、約30分にわたる火器管制レーダー照射だ」
と述べています。
火器管制レーダー照射とは、ミサイル発射の準備段階で相手機を捕捉・追尾する状態であり、国際的に非難される行為です。
しかし、報道ステーションの投稿は、
・中国側の“事前通告”主張
・「日本戦闘機が近づいた」とする説明を丁寧に紹介する一方で、
「そもそも中国が危険なレーダー照射をしたこと自体が問題」
という核心部分が弱くなってしまっています。
公共の電波を通じて、論点のすり替えにつながるような報じ方をすることは、日本の安全保障にとって望ましくありません。
―――――――――――――――――
【4 テレビ朝日・報道ステーションに求めること】
以上を踏まえ、前参議院議員として、次の点を求めます。
1 今回のX投稿について
・番組内およびX上で、内容の検証と補足説明を行うこと。
・“事前通告”という言葉の国際的な意味と、中国側の主張との違いを、視聴者に分かる形で説明すること。
2 今後の外国発情報の取り扱いについて
・中国など外国政府・軍の映像・音声・資料は、出典や編集の有無、信頼性への疑問を明示すること。
・一方当事者の主張を、そのまま見出しに使わないこと。
・「電波は国民の共有財産」という原点に立ち返り、社内のチェック体制や基準を見直し、その概要を国民に説明すること。
―――――――――――――――――
最後に、危険なレーダー照射の中で任務を全うした自衛隊員と、それを支える関係者のみなさんに、心から敬意を表します。
メディアは、日中対話の重要性を認めつつ、日本国民が中国などのプロパガンダに振り回されないよう、事実と国際ルールに基づいた情報発信を行う責任があります。
とりわけ公共の電波を預かる放送事業者には、自らの報道が日本の安全保障に与える影響を重く受け止め、今回の件を教訓に、より慎重で公正な報道に努めていただくよう、強く求めます。
ということで本題の動画。
要約は以下の通り。
全体像(番組の流れ)
- 登場:倉山満(所長)、小川清史、渡瀬裕哉(通称「バター声優」枠)、内藤陽介、司会役
- テーマは3本立て
- ベネズエラ情勢(米軍が地上兵力を集結、トランプ政権の最優先級)
- 中国軍による自衛隊へのレーダー照射(“準攻撃”)と小泉防衛相の対応
- 「増税100当番」/防衛増税粉砕(ネット世論で止める局面)
テーマ1:ベネズエラ情勢(内藤パート中心)
1) 「中国が第1位」でも「ベネズエラは第0位」
- 内藤氏の基本フレーム:
- 中国対応が“対外政策の最重要”だとしても、足元(西半球=米国の裏庭)の立て直しは第0位
- 理由:米国の国内治安・移民・麻薬に直結し、放置すると国力そのものが蝕まれる
2) ベネズエラ問題は「今に始まった話ではない(20年スパン)」
- チャベス(1999〜)→マドゥロ(2013〜)の流れで、反米左派・独裁化が定着
- 問題として挙げられた要素
- キューバとの連携(治安・警察システム等の影響、反米枢軸)
- ロシア・中国が絡む余地(象徴的反米政権の“拠点化”)
- 麻薬供給・犯罪組織・人身売買など、米国社会への直接被害
- 議会の実質的な無力化(民主主義破壊)
3) 第1次トランプ期の「積み残し」が再点火
- 第1次トランプ期には“マドゥロ拘束(麻薬取締名目)・懸賞金・船舶取締”など強硬方針
- 2020年前後はコロナや米大統領選などで「やり切れず中断」
- バイデン期は「受け継がず、結果的にマドゥロを利した」という批判的整理
4) “不正選挙”と強行就任で正統性が崩れる、米国が本気化
- 野党側(マチャド等)排除や不正選挙疑惑が積み上がり、2025年1月の強行就任で決定的に
- 「地上軍を動員=本気」論が番組内の空気感(倉山氏も強調)
- ただし、パナマ侵攻(1989年)の例を引きつつも、ベネズエラは国土規模等で簡単ではないとも
5) 米国の狙い:武力行使“だけ”がゴールではない
- ベストシナリオとして語られたのは
- “締め上げで辞任に追い込む”
- “戦わずして政権転換”の絵(ノーベル平和賞級の象徴的人物を据える構想っぽい話)
- ただし「やらない予想はできない(地上軍動員した以上)」という言い回しで“強い圧”を示す
6) 周辺国への波及
- 米国が本気になると、中南米各国が「ベネズエラと距離を置く」空気が生まれる
- ルラ(ブラジル)やBRICSの動きにも触れ、「反米左派連携」を抑え込みたい意図を示唆
- 石油利権にも言及はあるが、番組では「それ以上に治安・政治(癌の摘出)」が主眼というトーン
テーマ2:中国軍のレーダー照射と小泉防衛相
1) 事案の骨子(番組の整理)
- 12月1日午後、中国側(空母+艦載機J-15等)の動きの中で
- 自衛隊(対領空侵犯措置側)に対し、断続的に約30分のレーダー照射(以前は“3分程度”とも言われた)
- 中国側は「事前通告していた」「日本が邪魔した」系の主張を示し、日本側は不整合を指摘
- NOTAM等の手続きの話も出て、「中国の説明は雑/筋が悪い」という扱い
2) 小泉防衛相の“初動の速さ”を高評価
- 6日に起き、翌朝2時頃には抗議(24時間以内)
- 2013年の類似事例(抗議が1週間近く後)と比べ、スピード感が全く違う、という比較
3) 倉山氏の「国境観」:揉めるのが通常、解決“できない”から国境
- 「国境は仲が悪い者同士が睨み合う場所。何も起きなければ平和」
- “問題を解決しなきゃ病”への批判(過剰な理想主義が戦前の破滅を招いた、という歴史観の当てはめ)
- 周辺に摩擦が多い日本の地政学を踏まえ、“日常の嫌がらせ”に粛々と対処する体制を重視
4) 渡瀬氏の「メディア批判(報道ステーション槍玉)」
- 中国側発表を大きく流すこと自体が危険
- 日本国内の感情を過激化させ、対立を煽る結果になり得る
- 「政治的中立性を欠き、BPO案件級」と強い言葉
- 倉山氏が「渡瀬氏に小泉防衛相を褒めさせるほど問題」と“事件化”して笑いを取る流れも
5) 中国共産党の弱点(内藤/小川の見立て)
- “長期政権が続く前提”の時間感覚は侮れない一方で、
- 粛清や忖度で組織が歪み、現場報告が虚飾化する危うさ(大躍進の水増し報告の比喩)
- 指揮官層を飛ばすほど、軍事合理性が壊れる、という懸念
テーマ3:防衛増税/増税100当番(ここが番組の“熱量の山”)
1) 倉山氏の中心主張:「増税は泥棒/強盗」+「防衛増税は言葉からして間違い」
- 税=合法化された“カツアゲ”という強い比喩で、国民が政治で統制しないと永遠に取られる、という論
- “防衛増税”というラベル自体が誤誘導
- 防衛力を強くするなら、経済を強くする=減税が筋
- 増税で国民と企業を弱らせたら国防の土台が痩せる、というロジック
2) 「増税の目的は天下りの財源」論
- 「株式会社雨下り」的な言い回しで、
- 政府が組織(箱)を作り、天下り先を用意し、その財源として増税する…という構図を批判
- 復興増税の“付け替え”で防衛増税にする動きも「増税のための増税」として問題視
3) 世論戦の具体策:「今は槍を作るより構える時」
- 「どう動けばいい?」への答えが明確に出た回
- ネットで拡散
- 官邸等に「増税するな」を集中させる
- 「増税するなら解散しろ」を打ち出す
- ハッシュタグ(例:#税金がタカイチ、#増税100当番)を回す
- 内藤氏も「ネットで騒いだら一時トーンダウンした」経験則を提示し、“止められる”感を強調
4) 政治的な圧のかけ方:支持は“政策”に対して
- 「前任者が決めたから変えられない」は通らない(総理は変えられる)
- “擁護論”への反論として
- 岸田時代の方針でも、今の総理総裁なら変えられる
- 変えないなら「その人である必要がない」
- 「決めつけて諦めるのが一番悪い(財務省の狙い)」という注意喚起も入る
5) 具体論のツッコミ(法人税・所得税・たばこ税など)
- 「防衛増税」と言いつつ、法人税を上げれば国際競争力を落とし、防衛の土台が弱る
- 加熱式たばこ増税なども「健康・行動変容の逆誘導」になり得て、政策名と中身が矛盾する、という指摘
終盤:皇室速報(倉山氏)
- “皇室典範”をめぐる政党間の段取りの問題として、
- 立憲内部が両論併記で割れている(女系派が少数、他に強硬派がいる)
- 「党としての意見書をまとめさせる」案が出たが、根回し不足・手順前後で揉めた
- 救国シンクタンクとしては協力意思はあるが、向こうから要請がないと動けない、というスタンス
告知・宣伝(要点)
- 研究支援(特別賛助会員の話、ポリミリ=国のドクトリン研究)
- 系図(神武天皇から今上まで一本でつながる巻物、送料負担で配布)
- 月刊「月光」:12/15発刊、会員の感想募集リンクあり(誌面内)
- 書籍「合憲自衛隊」:現憲法下で自衛隊を“軍事組織化”する問題意識
- 内藤氏のパンフ:外国人トラブル等に「あなたの国でもダメでしょ」と毅然と注意するための材料(10冊単位)
- 1/25 セミナー:リーダーシップ論(倉山×小川)
この回の“核”メッセージ(番組が視聴者に渡したかったもの)
- 国際情勢:米国は「裏庭(西半球)」から片付ける。そこが動くと東アジアにも「自分で守れ」の圧が増す
- 対中:レーダー照射は“準攻撃”。初動は速く、粛々と対処し続ける体制が要
- 国内政治:防衛を口実にした増税は、国防を弱める。止めるには“諦めず、ネットで集中して圧をかける”
今回のライブ配信から教訓を挙げてみます。
- 国境は「解決」する場所ではなく、摩擦が日常──“来ないようにする”発想を捨て、粛々と備える。
- 挑発(レーダー照射)は準攻撃──感情で騒ぐより、初動の速さ・記録・抗議・抑止の積み上げが重要。
- 情報戦ではメディアの切り取りに乗らない──相手発表の垂れ流しは国内の過激化を招く。一次情報と整合性で判断。
- 安全保障は「増税」では強くならない──国防の土台は経済力。まず無駄を削り、成長を阻害しない設計に。
- 諦めが最大の敗北──“どうせ決まる”で黙るのが相手の狙い。反対の声を可視化し続ける。
- 大局観:米国は「裏庭(西半球)」から片付ける──同盟が動けない局面も想定し、日本側の自助努力を前提にする。
厳しい情勢ですが、国内の世論は(いい意味で)確実に変わってきているように思います。私も頑張っていきます。