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水道事業のコンセッション方式について 民営化という表現は不正確 その2

2018年12月に水道法が改正されました。一部では「水道民営化」と言われますが、正確性に欠ける表現です。

この件については、KAZUYAさんの動画でうまくまとめられているように思います。

今回は前回の記事の続きになります。

前回の記事のポイントのみを簡単に復習しておきます。

・民営化ではなく、コンセッション方式である。→免許制度のこと。

・コンセッション方式を導入するかどうかは各自治体の住民が決める。

以上をもとに、水道事業のコンセッション方式について厚労省の資料「よくある質問」から引き続きポイントを抜粋していきます。

水道法改正法 よくあるご質問にお答えします – 厚生労働省(PDF)

問3 コンセッション方式については、世界中で失敗し、再公営化されているのではないですか?

○ パリなどの再公営化の代表的事例など海外の事例を包括的に調査した報告書等から、海外の失敗事例における課題(①水質の悪化など管理運営レベルの低下、②水道料金の高騰、③民間事業者に対する監査・モニタリング体制の不備)を整理し、それらの教訓を踏まえ、十分対応できる制度設計をしています。

○ 再公営化された事例が各地にあることは事実ですが、民間委託が進んでいるフランスやアメリカでは、近年も契約の9割以上が更新(継続)されているなど、海外で一律に再公営化が進行しているわけではありません。

問4 コンセッション方式を導入した場合、水道水の安全性に問題は生じませんか?

○ 我が国の制度では、まず地方自治体が、PFI法に基づき「実施方針」と、民間事業者との契約である「実施契約」において、設備投資も含めた業務内容や管理・運営レベルを明確に定めます。

○ さらに、今回の法改正により、厚生労働大臣はその内容を確認した上で、許可する仕組みとしています。

以上からは、ここでは次の2点注目したいと思います。

・海外での水道事業のコンセッション方式は一部再公営化の事例があるものの、多くは民間委託が継続している。

・民間事業者委託の際に、水の安全性について厚労省が確認して許可を出す。

この水道事業のコンセッション方式における反対意見でよくあるもの2点を今回は取り上げました。

1点目、海外では再公営化がみられる、というものです。確かにそういう事例はありますが、海外の民間委託した水道事業が全て再公営化しているかのような論調は明らかに間違いであり、悪質な印象操作と考えます。

2点目、水の安全性について。これについては許可を出す側の厚生労働省の責任が大きいと言えるのではないでしょうか。また、民間委託導入の際には各自治体の議会の議決が必要であることから、地方議会の責任も大きいです。地方議会の選挙の焦点のひとつと考えてもいいかもしれません。地方議会の選挙が行われる際には、各候補者が水道事業のコンセッション方式についてどう考えているかに注目してみてもいいかもしれません。

この話題については、今後も引き続き何回かに分けて記事を書いていきます。

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