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国が過半数の株式を保有する会社が運営する公共交通機関における精神障害者等に対する障害者割引制度の現状と今後の方向性に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年3月5日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は、東京メトロによる精神障碍者への配慮についての質問です。

東京メトロの株主は、現在は政府(53.4%)、東京都(46.6%)となっています。というわけで、日本政府の意向を東京メトロの経営方針に反映させることは可能と言えるのではないでしょうか。東京メトロは現時点では東京都営地下鉄に比べると精神障碍者への割引制度がほとんどないとのことでしたので、そのあたりについて問題意識をお持ちの方から今回の質問主意書をご提案いただいた次第です。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

国が過半数の株式を保有する会社が運営する公共交通機関における精神障害者等に対する障害者割引制度の現状と今後の方向性に関する質問主意書

 厚生労働省が実施した平成三十年度障害者雇用実態調査(以下「実態調査」という。)では、精神障害者で無期契約の正社員は二十五・〇%、発達障害者で無期契約の正社員は二十一・七%であり、換言すれば、精神障害者及び発達障害者(以下「精神障害者等」という。)の七割以上が、不安定な立場で働いている。また、実態調査によると、一か月の平均賃金は、精神障害者で十二万五千円、発達障害者で十二万七千円であり、平均勤続年数をみると、精神障害者は三年二月、発達障害者は三年四月となっている。
一方、実態調査によると、身体障害者の正社員の割合は五十二・五%であり、一か月の平均賃金は二十一万五千円であり、平均勤続年数は十年二月となっている。
障害の度合いは千差万別であり、この結果を単純に比較できない。また、様々な給付金や補助金制度はあるものの、身体障害者は身体機能を補う補助具を自己負担しているため、一概に身体障害者のほうが経済的な余裕があると言うつもりはない。しかし、現実として、一般に身体障害者より精神障害者等のほうが経済的に困窮していることを示唆していると考えることはできる。
さて、JR各社をはじめとする公共交通機関は、身体障害者及び知的障害者に対して障害者割引制度を用意していることが多いが、精神障害者に対してはほとんど障害者割引制度を適用していない。現実として、精神障害者等は、身体障害者と同じく障害者であるにもかかわらず、正社員の割合が身体障害者の半分未満であり、一か月の平均賃金も身体障害者の六割に満たないため、苦しい経済的負担を強いられている。
ただでさえ、カサンドラ症候群に代表されるように、精神障害者等のケアは健常者にとって負担になりうることも現実として存在することから、障害者雇用の枠は身体障害者から埋まっていくことがほとんどであり、精神障害者等のキャリア及び賃金の向上は非常に難しい状況となっている。その上、公共交通機関の障害者割引制度から除外されているのであれば、交通費を負担する立場である使用者は精神障害者等ではなく身体障害者を雇おうとするのは自明の理であり、精神障害者等を雇用する機運は一層生まれづらいといえよう。
右を踏まえて、以下質問する。

一 東京都は精神障害者等の社会参加を応援するため、都内在住の精神障害者等に対し、都営地下鉄をはじめとする都営の公共交通機関を無料で利用できる施策を行っている。翻って、国が株式の過半数を保有する東京地下鉄株式会社が運営する東京メトロには、精神障害者等に対する障害者割引制度は一切存在しない。

1 東京メトロは、国が過半数の株式を保有する会社が運営する公共交通機関であるにもかかわらず、精神障害者等に対する障害者割引制度が一切存在しないことは、政府が自ら計画した第四次障害者基本計画の雇用・就業、経済的自立の支援に関する基本的考え方と矛盾するのではないか。政府の見解如何。

2 同じ東京の地下鉄でありながら、片や運賃無料、片や一切割引制度なしとなり、都営地下鉄に比して大きく後れを取っている現状の東京メトロの精神障害者施策ついて、政府の見解如何。

3 第四次障害者基本計画の趣旨から考えれば、東京メトロをはじめとする国が過半数の株式を保有する会社が運営する公共交通機関にあっては、精神障害者にも障害者割引制度適用するべきではないのか、政府の見解如何。

一の1から3までについて
公共交通事業者において精神障害者に対する運賃割引を実施するか否かについては、これによる減収を他の利用者の負担によって賄うこと等も踏まえ、一義的には各公共交通事業者の判断によるものであり、政府がその発行している株式の総数の二分の一以上に当たる数の株式を保有する東京地下鉄株式会社(以下「東京メトロ」という。)についても同様である。
政府としては、従来から、障害者の質の高い自立した生活の支援の一環として、身体障害者及び知的障害者と同様に、精神障害者に対する運賃割引についても導入するよう、東京メトロを含めた公共交通事業者及び事業者団体に対し、理解と協力を求めてきたところであるが、引き続き、精神障害者に対する運賃割引について理解と協力を求めていく必要があると認識している。

4 今後、東京メトロをはじめとする国が過半数の株式を保有する会社が運営する公共交通機関について、精神障害者にも障害者割引制度を適用する予定があるか。あれば示されたい。

一の4について
政府がその発行している株式の総数の二分の一以上に当たる数の株式を保有する株式会社である公共交通事業者は、東京メトロのみであるが、現時点において、東京メトロから国土交通大臣に対して、精神障害者に対する運賃割引に係る鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第十六条第三項の規定に基づく届出はなされていない。

二 令和元年六月二十六日に衆議院及び参議院の国土交通委員会で採択された「精神障害者の交通運賃に関する請願」に関し、令和二年四月三日衆議院国土交通委員会で、赤羽国土交通大臣は「昨年の百九十八通常国会でこれが採択されたということは、やはり立法府の意思として、大変重いものとして受けとめておりますので、これは厚生労働省と少し打合せというか検討してすり合わせて、交通事業者が割引ができやすい環境をつくる方向で検討をしっかり進めていきたい」旨答弁しているが、検討の進捗状況を具体的に示されたい。

二について
御指摘の「精神障害者の交通運賃に関する請願」に関し、国土交通省及び厚生労働省において、公共交通事業者が精神障害者に対する運賃割引を実施しやすい環境を整備するため、適宜意見交換を行っているところである。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

右質問する。

障碍者の方々が声を上げるのはなかなか厳しい状況の中、政治家の役割は重要だと思います。引き続き頑張っていきます。

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