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陸上自衛隊真駒内駐屯地のツイッターアカウントが特定の政治家等のツイートをリツイートしていることに関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年6月15日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は、陸上自衛隊真駒内駐屯地のツイッターアカウントが政治的に偏った発言をしている(正確にはリツイートしている)ことを取り上げました。自衛隊の職員など、いわゆる公務員であっても各人が政治的主張を持っていることは当然あってしかるべきなのですが、それを公に表明するとなると、何かと問題が生じることになります。例えば、以下のような制限があります。

政治的行為の制限 – 人事院

国家公務員法第 102 条
職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。

—————–

国家公務員は、国民全体の奉仕者として、政治的に中立な立場を維持することが 必要であり、その地位は政治勢力の影響又は干渉から保護されて、政治の動向の いかんにかかわらず常に安定したものでなければなりません。 このような趣旨から、 国家公務員は一定の政治的目的を持つ政治的行為が制限されています。

今回の件について、問題意識をお持ちのNHK党関係者の方から今回の質問主意書のご提案をいただき、提出する次第となりました。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

陸上自衛隊真駒内駐屯地のツイッターアカウントが特定の政治家等のツイートをリツイートしていることに関する質問主意書

 令和元年九月十二日大阪地方裁判所判決によれば、ツイッター上におけるコメントを付加しないリツイートについて「他者の元ツイートの内容を批判する目的や元ツイートを他に紹介(拡散)して議論を喚起する目的で当該元ツイートを引用する場合、何らのコメントも付加しないで元ツイートをそのまま引用することは考え難く、投稿者の立場が元ツイートの投稿者とは異なることなどを明らかにするべく、当該元ツイートに対する批判的ないし中立的なコメントを付すことが通常であると考えられる。したがって、ツイッターが、百四十文字という字数制限のあるインターネット上の簡便な情報ネットワークであって、その利用者において、詳細な説明や論述をすることなく、簡易・簡略な表現によって気軽に投稿することが想定される媒体であることを考慮しても、上記のような、何らのコメントも付加せず元ツイートをそのまま引用するリツイートは、ツイッターを利用する一般の閲読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、例えば、前後のツイートの内容から投稿者が当該リツイートをした意図が読み取れる場合など、一般の閲読者をして投稿者が当該リツイートをした意図が理解できるような特段の事情の認められない限り、リツイートの投稿者が、自身のフォロワーに対し、当該元ツイートの内容に賛同する意思を示して行う表現行為と解するのが相当である。(中略)本件投稿で引用された本件元ツイートの内容は、本件投稿の投稿者である被告による、本件元ツイートの内容に賛同する旨の意思を示す表現行為としての被告自身の発言ないし意見でもあると解するのが相当であり、被告は、本件投稿の行為主体として、その内容について責任を負うというべきである。」と判示した(以下「ツイッター裁判例」という。)。

右を踏まえて、陸上自衛隊が「陸上自衛隊真駒内駐屯地」として運用していたアカウント(@CampmakomanaiPR)(以下「真駒内アカウント」という。)におけるリツイート行為について以下質問する。

一 真駒内アカウントは大紀元エポックタイムズ(日本語版)の「米国は本当に尖閣を守れるのか 懸念されるシナリオと日本がすべき事」という記事を何らのコメントも付加せずリツイートした。

1 陸上自衛隊は何を意図して当該記事をリツイートしたのか。

2 大紀元エポックタイムズは過去「ジョージア州集計所の監視カメラ 選挙監視員を帰宅させ開票続行 スーツケースから大量の隠し票」と題する記事を公開するなど、アメリカ大統領選挙に不正があったと主張する立場であるが、これは現在の政府の立場と明確に異なるのではないか。政府の見解如何。また、このような陰謀論を拡散する信頼性に乏しい媒体の記事をわざわざ政府公式である真駒内アカウントでリツイートして紹介する必要があったのか。政府の見解如何。

一、二の1、四及び五の2について
御指摘の各「リツイート」については、防衛省の所管外の事項を含むものであり、また、自衛隊の部隊が特定の者の主張等を支持しているとの誤解を招くものであって、不適切なものと考えている。

 その上で、現在、同省においては、当該各「リツイート」に係る事実関係を調査しているところであり、これらの意図や理由に係るお尋ねについて現時点でお答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、当該調査の結果を踏まえ、厳正に対処していきたいと考えている。

 なお、御指摘の「アメリカ大統領選挙に不正があった」かについて、政府として見解を述べる立場になく、また、同省の所管外の事項について、陸上自衛隊において特定の「考え方」を有しているものではない。

二 真駒内アカウントは「立憲・福山哲郎、自衛隊協力の大規模ワクチン接種会場の新設に反対「唐突感がある」」と題したネット上の記事をリツイートした。しかし、立憲民主党の福山幹事長は、「唐突感がある」とは述べたものの、自衛隊協力の大規模ワクチン接種会場の新設に反対していない。このことは、立憲民主党のウェブサイトを見ればすぐにわかることである。

1 なぜ立憲民主党のウェブサイトを見ればすぐに事実ではないとわかる記事をなんらのコメントも付加しないで、真駒内アカウントにてリツイートしたのか。ツイッター裁判例によれば、何らのコメントも付加しないでリツイートする行為は、通常の読者にとって元ツイートの内容に賛同する旨の意思を示す表現行為としての政府自身の発言ないし意見でもあると解するのが相当であることを踏まえて答弁されたい。

一で回答済み。

2 一般に、政府公式のツイッターアカウントによって誰かの発言内容を記載した記事をリツイートする際は、元の発言内容を確認する手段が簡便容易である場合には、元の発言内容を確認してからリツイートすべきであると考えるが、政府の見解如何。

二の2について
政府として正確な情報の発信に努めるべきことは当然であり、御指摘の「リツイート」については、御指摘の「元の発言内容」の真偽や正確性について十分に確認した上で、その実施の是非を適切に判断すべきものと考えている。

三 真駒内アカウントは、安倍晋三前内閣総理大臣や、佐藤正久氏のツイートをリツイートしている。かつて政府に所属したことはあっても、現在は自民党所属の議員であり、政府に所属していない政治家のツイートをリツイートする行為は、自衛隊法第六十一条に抵触するか。政府の見解如何。抵触しない場合、各政党の意見を平等にリツイートしなければ、政府として公平性を担保できないと考えるが、政府の見解如何。

三について
現在、防衛省においては、一、二の1、四及び五の2についてで述べた調査を実施しているところであり、御指摘の「リツイート」が自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第六十一条第一項の規定により禁止されている政治的行為に該当するか否かについて、現時点でお答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、当該調査の結果を踏まえ、厳正に対処していきたいと考えている。

四 真駒内アカウントは「男系男子だけに皇位継承を」「旧宮家の皇籍復帰を」と題した記事をリツイートしている。

1 政府は、山尾志桜里衆議院議員が提出した「皇位の安定的な継承に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣衆質二〇四第九四号)にて「御指摘の「聴取項目」は、有識者会議におけるヒアリングの対象者にお示しし、その基本的な考え方を聴取するためのものであり、お尋ねの「問九「皇統に属する男系の男子」」の「範囲」についても具体的なものが念頭に置かれているものではない。」と答弁しているが、陸上自衛隊においては、別の考え方があるのか。政府の見解如何。

一で回答済み。

2 前記四の1に関連し、陸上自衛隊においても政府答弁の考え方が一致しているのであれば、なぜ真駒内アカウントは当該記事を「通常の読者にとって元ツイートの内容に賛同する旨の意思を示す表現行為としての政府自身の発言ないし意見でもあると解するのが相当である」手法を用いてリツイートしたのか。政府の見解如何。

一で回答済み。

五 真駒内アカウントは、「「ポスト菅」再々登板を・・・安倍前首相に期待広がる、体調回復・活動盛ん」と題する記事をリツイートした。

1 一般に、現職の内閣総理大臣より内閣総理大臣にふさわしい者がいると表明する行為は、自衛隊法施行令第八十六条第四号「特定の内閣を支持し、又はこれに反対すること」に該当するか。

五の1及び七について
一般に、ある自衛隊員の行為が、自衛隊法施行令(昭和二十九年政令第百七十九号)第八十六条各号に掲げる目的でなされたか否か、また、自衛隊法第六十一条第一項の規定により禁止されている政治的行為に該当するか否かについては、事案に即して個別具体的に判断すべきものであり、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

2 当該記事を「通常の読者にとって元ツイートの内容に賛同する旨の意思を示す表現行為としての政府自身の発言ないし意見でもあると解するのが相当である」手法を用いてリツイートした理由如何。

一で回答済み。

六 陸上自衛隊が真駒内アカウントを削除した理由如何。

六について
現在、防衛省においては、御指摘の「真駒内アカウント」がどのような理由で削除されたかも含めて、一、二の1、四及び五の2についてで述べた調査を実施しているところであり、お尋ねについて現時点でお答えすることは差し控えたい。

七 自衛隊法施行令第八十七条第二項第三号によれば、自衛隊員は勤務時間外においても政治的行為が禁止されているが、一般に、自衛隊員はツイッターその他インターネット上において、自らが自衛隊員であることを公言して、自衛隊法施行令第八十六条各号に定義される政治的目的を含有した意見を表明することができるか。政府の見解如何。

五の1で回答済み。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

今回取り上げた自衛隊真駒内駐屯地では、↓のようなイベントを開催しているようです。コロナ禍での開催は厳しいかもしれませんが、コロナが落ち着いた頃には、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。

私も都合が合えば参加してみたいものです。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

書籍「立花孝志かく闘えり」の紹介です

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