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「生理の貧困」と生活保護の関係に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年10月4日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は、生理の貧困と生活保護についての質問です。関連動画を紹介しておきます。

今回の件について、問題意識をお持ちのNHK党関係者の方から今回の質問主意書のご提案をいただき、提出する次第となりました。

最近、いわゆる「生理の貧困」問題に際し生理用品を無料配布する自治体が増えましたが、裏を返せばこの取り組みを行うかどうかは完全に自治体任せのため、生活保護受給者は住んでいる地域のみによって生理用品を無料で支給されるかどうかが決まります。
これは憲法上の平等原則に反すると考えるので、なぜ生理用品にかかる費用をを生活保護費に上乗せしないのか等を問うています。

とのことです。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

「生理の貧困」と生活保護の関係に関する質問主意書

 政府は、いわゆる「生理の貧困」問題に対し、地域女性活躍推進交付金や地域子供の未来応援交付金等を通じて支援しているが、内閣府男女共同参画局が公表した「「生理の貧困」に係る地方公共団体の取組(二〇二一年五月十九日時点)」によれば、「生理の貧困」に係る取組を実施している(実施した・実施を検討している)地方公共団体の数はわずか二百五十五団体にとどまり、例えば大阪市等の比較的大規模な自治体ですら取組がないなど、自治体によってかなり温度差に違いがあることが現状である。

つまり、現状において、生活保護受給者は、居住する自治体のみによって生理用品を無料で支給されるか、支給されないかが決定されている。

右を踏まえて、以下質問する。

一 人事院が算出する標準生計費には、生理用品に関する支出が含まれているか。含まれているとすれば、食料費、住居関係費、被服・履物費、雑費Ⅰ、雑費Ⅱのうちどの項目か。

一、三及び四について
人事院においては、総務省の家計調査、全国家計構造調査及び全国単身世帯収支実態調査(以下「家計調査等」という。)に基づき、毎年四月時点の費目別及び世帯人員別の標準生計費を算定している。家計調査等において、お尋ねの「生理用品に関する支出」については、「保健医療」の費目に計上することとされており、「保健医療」の費目については、標準生計費の算定においては「雑費Ⅰ」の費目に分類している。

二 前記一に関し、標準生計費に生理用品が含まれている場合、以下の1から3について政府の見解を示されたい。

1 政府は、なぜ標準生計費に生理用品に関する支出が含まれていることを知りながら、生活保護費を男女同額としているのか。

二について
「なぜ・・・生活保護費を男女同額としているのか」とのお尋ねについては、昭和五十七年一月二十三日の中央社会福祉審議会の「生活扶助基準における男女差について(意見具申)」において、「(一)消費支出のうち、食料費については、男性の方が女性を上回っており、男女差は認められるものの、一般社会における消費生活の構造変化を反映して消費支出に占める食料費の割合は低下している。(二)食料費以外の経費については女性の支出の伸びが大きいが、これは近年の女性の社会的進出や生活実態の変化によるものと思われ、このうち、特に被服費、理容衛生費等では大幅に男性を上回っている実態が看取される。(三)これらの結果について総体的にみれば、男女の消費支出が接近する傾向が明確になっており、今後ともこの傾向が強まるものと推定される。」とされたことを踏まえ、生活扶助基準額の男女差について、同年から段階的な縮小を図り、昭和六十年以降、男女同額としているものである。

2 多くの女性にとって生理用品は生活をする上で必須であるから、生理用品に関する支出については、生活保護費に加算して支給すべきではないか。生理用品を現物支給するかしないかを自治体まかせにしているのは、居住する自治体によって文化的な生活ができる、できないが決定されるのであるから、居住地差別につながるのではないか。

3 生活保護費を男女同額とし、生理用品に関する支出をしなければならない女性は男性より必然的に食料費や雑費を削らなければ生活できない。この現状について、政府は憲法第十三条、第十四条第一項、第二十五条第一項に照らして合憲と考えているか。合憲であるとすれば、その理由を含めて政府の見解を示されたい。

二について(続き)
また、生活扶助基準については、一般国民の消費水準との均衡を図る観点からその水準を調整することとしており、五年ごとに一般低所得世帯の消費実態との均衡について検証を行うこととしている。当該検証に当たって用いる一般低所得世帯の消費支出額については、生理用品も含めた保健用消耗品に係る支出額が含まれていることから、生活扶助基準は、当該支出額を踏まえた水準となっており、また、生活扶助基準は、当該支出額を含めた生活に要する費用の地域ごとの実態についての検証を踏まえて地域別に設定されていることから、政府としては、「生理用品に関する支出については、生活保護費に加算して支給すべき」及び「居住地差別につながる」とは考えておらず、現行の生活扶助基準については、憲法第十三条、第十四条第一項及び第二十五条第一項の規定の趣旨に反するものであるとは考えていない。

三 前記一に関し、標準生計費に生理用品が含まれていない場合、多くの女性にとって生理用品は生活をする上で必須となることから、標準生計費に含めるべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

質問一で回答済み。

四 前記一に関し、標準生計費に生理用品が含まれていない場合、刑事施設の官給品には生理用品が含まれているにもかかわらず、生活保護受給者に生理用品を考慮した生活保護費を支給しないのはなぜか。政府の見解を示されたい。

質問一で回答済み。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

右質問する。

答弁書に次のような記載があります。

生活扶助基準については、一般国民の消費水準との均衡を図る観点からその水準を調整することとしており、五年ごとに一般低所得世帯の消費実態との均衡について検証を行うこととしている。

今回の質問内容とはあまり関係がないことですが、仮にベーシックインカムが導入されて国民全員に毎月定期的にお金が支給されることになると、生活扶助基準は大きく変更されることは容易に想像できます。ベーシックインカムを導入すべきかどうかはさておき、仮に導入した場合、その支給額をどのように決定すべきかは重要です。ある政党代表者が言っていたようにベーシックインカムを生活保護にとって代わるシステムにすることは考えるべきではないとしても、「社会にとって最も好ましい影響を及ぼす支給額」を決定する方法については、個人的に興味があります。できるかどうかは分かりませんが。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

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