今回はドイツの選挙結果について。
この件、私が政策立案でお世話になっている救国シンクタンクのレポートも紹介します。

◆◆ 救国シンクタンクメールマガジン 2026/09/24号 ◆◆
ドイツの旧東独地域のザクセン・アンハルト州で9月6日に行われた州議会選挙で、右派政党“ドイツのための選択肢(AfD)”が44%で第1党となり、20日のメクレンブルク・フォアポンメルン州議会選挙でもAfDが37%を獲得し、いずれも第1党になりました。
このニュースについて、メディアの多くはAfDの躍進という観点から報じていましたが(それはそれで事実であるのですが)、メクレンブルク・フォアポンメルン州に関しては、AfDの躍進というよりも、メルツ首相が党首を務めるキリスト教民主同盟(CDU)の自滅という面が強く、両者を同一視するのは適切ではないと思われます。
ドイツでは1990年の統一後も東西格差が長く残り、東ドイツ地域の住民には、賃金水準や資産形成、インフラ投資、雇用の質などの面で「取り残された感覚」が蓄積されていました。また、都市部と地方の格差も大きく、産業の空洞化や若年層の西への流出で地域コミュニティが弱り、公共サービスや交通の縮小が生活不安を強めていました。こうした住民の不満が「既存政党は我々の声に応えてこなかった」という政治的不信につながり、抗議票を呼びやすい土壌を育んできました。
特に2015年の難民危機以降、東ドイツでは、移民の増加により治安が悪化し、地域の文化が失われるのではないかという不安が強く意識されるようになります。
実際、2010年頃には約400万人台前半と推計されていたドイツのムスリム人口は、2015-16年のシリア難民危機により数十万規模で増加し・・・・
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(文責:事務局)
このレポート内容をもとに、私が注目すべき点を加えてまとめました。
1. ドイツにおけるムスリム人口増加の分析(客観データ・国籍・日本との比較)
客観データと人口推移
メルマガ記載の通り、ドイツのムスリム人口は2010年頃の約400万人(約5%)から、2015〜16年の難民危機を経て2020年頃に約550万人に急伸し、公的統計・調査(連邦移民・難民庁等)では近年約550万〜680万人(総人口の約6.6〜8.2%)に達しています。 ドイツ国籍の有無(約半数がドイツ人)
ドイツ国内のムスリムのうち、約45〜50%はすでにドイツ国籍を保持しています(1960年代以降のトルコ系外国人労働者の2世・3世や帰化者)。 残る約50〜55%が外国籍(近年の難民や家族呼び寄せ等)です。 法的地位に関わらず、旧東独の地域住民から見れば、言語・生活習慣や公共空間の暗黙ルールの変容は「異文化集団の急拡大」と受け止められ、治安や文化摩擦への警戒感を生む構造となっています。 日本との比較(ムスリム・外国人全体)
項目 ドイツ(総人口 約8,300万人) 日本(総人口 約1億2,300万人) 比較の示唆 ムスリム人口 約550万〜680万人(約7〜8%)約35万〜42万人(約0.3%) ドイツのムスリム比率は日本の20倍超。社会生活・日常風景に及ぼす影響の規模が根本的に異なる。 ムスリムの属性 約半数が自国籍、半数が外国籍 約85%以上が在留外国人(実習生・留学生等) 日本は一時滞在・労働目的が中心だが、ドイツは世代交代を伴う定住・社会構造化が定着。 在留外国人数(全体) 約1,200万〜1,300万人(約15〜16%) 約340万〜350万人(約2.8%) ドイツの外国人比率は日本の5倍以上。移民背景を持つ層(帰化含む)は人口の4人に1人を超える。 2. 筆者(内藤陽介氏)の意図のかみくだき
筆者が伝えたかった本意は、「メディアの『極右・AfDの躍進』という単純なレッテル貼りに惑わされず、その裏にある統治の失敗と選挙力学を見極めるべき」という点です。
東部のAfD支持の本質は「生活防衛」と「主流派への不信」旧東独の住民は、統一以来「二級市民」として低賃金や過疎に苦しんできました。「自国民の困窮を後回しにし、脱原発・再エネ偏重で光熱費を高騰させ、人道主義を掲げて移民を優遇するベルリンのエリート層」への怒りを、AfDが「生活防衛」の受け皿として拾い上げた結果です。 2つの州議選における決定的な違い
ザクセン・アンハルト州(得票率44%): 地方議会でインフラや治安など生活課題を地道に担い、「実務政党」として評価されたAfDの実力勝ち。 メクレンブルク・フォアポンメルン州(得票率37%): AfDと現職SPD(約35%)の差はわずか2%。AfDが独走したのではなく、メルツ首相率いる国政与党(CDU)の歴史的自滅。 中途半端なポピュリズム迎合の破滅(CDUの教訓)メルツ首相(CDU)はAfD支持層を崩そうと移民規制などの右寄りの主張を展開しましたが、本家のAfD支持者は奪えず、逆に中道・リベラル層の離反を招きました。その結果、SPDの「極右阻止」の二極化キャンペーンに挟まれ、議席獲得要件(5%)を割り込んで全議席を失う自滅に至りました。3. 【公開情報からの補足分析】留意すべき「AfDとロシアの深いつながり」
メルマガ本文では「生活防衛や反エスタブリッシュメントの政党」としての側面が強調されていますが、AfDの安全保障政策や外交姿勢には顕著な「親ロシア路線」が存在し、外部から強く警戒されている点は看過できません。
対露制裁解除とノルドストリーム再開の要求:AfDはEUやドイツ政府による対ロシア経済制裁に一貫して反対し、「国民生活を脅かすエネルギー高騰の元凶は対露制裁である」として、ロシア産天然ガスの再輸入(パイプライン再開)を要求しています。 ウクライナ支援への反対と議会ボイコット:ウクライナへの武器供与や財政支援に反対票を投じ続け、ゼレンスキー大統領がドイツ連邦議会で演説した際には所属議員の多くが議場をボイコットしました。 ロシアの世論工作・資金提供疑惑:チェコ情報機関の摘発を契機に、親ロシアの影響力工作ネットワーク(「Voice of Europe」等)を通じてAfD所属議員や関係者に資金が流れていた疑惑が浮上し、ドイツ治安当局(憲法擁護庁)や検察による家宅捜索や捜査が行われています。 旧東独地域の歴史的土壌との合致:冷戦期に旧東独で培われた「ロシア語教育・対露アレルギーの薄さ」や「反米・反NATO感情」がAfDの親露的主張と共鳴し、旧東独での強い支持基盤の一因となっています。【総合的な視点】AfDの躍進は「光熱費高騰や移民政策への不満」という国民の切実な生活防衛に端を発していますが、その背後にある「親露路線やロシアによるハイブリッド戦(情報・分断工作)への親和性」という安保上のリスクも同時に踏まえた上で、その政治的影響力を評価する必要があります。
グレンコ・アンドリーさんのポストを紹介します。
ロシアは軍事的にも経済的にも西側に勝てるわけがありません。しかし、工作と世論戦で、勝っています。世論工作で、AfDのようなロシアの傀儡勢力の支持率を伸ばして、ドイツをはじめ、西側各国を乗っ取ろうとしています。このロシアによる乗っ取り作戦が成功しているのは、極めて恐ろしいです。 https://t.co/lv4eYgsXAS
— グレンコ アンドリー(新刊「ロシア・ウクライナ戦争の行方 世界の運命の分岐点」発売中) (@Gurenko_Andrii) September 9, 2026
しかし、メディアはAfDのようなロシアの手先を「極右」と呼ぶと、間違ったイメージが広まりますね。最も重要な点である「親露」に気付かないからです。「極右」ではなく、「右派ポピュリスト」「親露右翼」などの表現を使うべきです。こちらの方が実態に近いので、情報としてより正確です。
— グレンコ アンドリー(新刊「ロシア・ウクライナ戦争の行方 世界の運命の分岐点」発売中) (@Gurenko_Andrii) September 9, 2026
AfDも参政党も、どちらもプーチンの戦士なので、ドイツと日本にとっては害悪である事が、誰もが否定できない客観的な事実です。唯一の違いとは、AfDはプーチンから金を貰っているので文字通り「売国奴」です。参政党は、ロシアから金をもらっている証拠がなく、ただでやっているので「贈国奴」ですね。 https://t.co/iJW4AnGhoy
— グレンコ アンドリー(新刊「ロシア・ウクライナ戦争の行方 世界の運命の分岐点」発売中) (@Gurenko_Andrii) September 23, 2026
参政党の公式アカウントが紹介しているAfDの主な政策です。つまり「AfDは親露売国奴だ」というのは、私が勝手に言っているのではなく、堂々とAfD自身が親露売国路線を公表しています。そして、参政党がこのAfDの政策に賛同するなら、参政党も反日で親露贈国奴だという事になります。客観的な事実です。 https://t.co/9oCJbnL4x7 pic.twitter.com/JBScOIY9wC
— グレンコ アンドリー(新刊「ロシア・ウクライナ戦争の行方 世界の運命の分岐点」発売中) (@Gurenko_Andrii) September 26, 2026
今回のドイツ州議会選挙および各氏の分析から、私たち日本が、そして日本自由党が学ぶべき教訓は極めて明白です。
第一に、**「国民の切実な生活不安や負担増を放置した主流派政権は、必ず自滅する」**ということです。
脱原発や再エネ推進による光熱費高騰、社会保障負担の増大、現場の受入体制や治安を無視した拙速な外国人受入れなど、エリート層の「美しいお題目」が国民生活を圧迫した時、既存政党への怒りは一気に噴き出します。日本においても、減税や規制改革による「国民の生活防衛(可処分所得の拡大)」を本気で断行しなければ、政治不信は深まるばかりです。
第二に、**「生活防衛の受け皿となる勢力は、地道な地方議会の実務で信頼を勝ち取らなければならない」**という点です。
ザクセン・アンハルト州でAfDが圧倒的な支持を得たのは、単なる排外主義のアピールではなく、市町村や地方議会でインフラや治安といった身近な課題に愚直に向き合ってきた実績があったからです。日本自由党としても、派手なスローガン先行ではなく、地方行政のムダ削減や減税といった具体的な「実務改革」を草の根から積み重ねていく必要があります。
そして第三に、最も警戒すべきは**「既存政治への怒りや生活不安が、外国勢力による情報工作・世論誘導に利用されるリスク」**です。
グレンコ・アンドリー氏が鋭く指摘されている通り、AfDの掲げる「対露制裁解除」や「安価なロシア産エネルギーの再開」は、一見すると国民生活を守る魅力的な選択肢に見せかけながら、その実態は西側自由主義陣営を分断するロシアの工作・ハイブリッド戦と完全に利害が一致しています。
日本国内においても、「反グローバリズム」や「生活防衛」を掲げながら、裏でロシアや中国といった全体主義国家のプロパガンダを無批判に垂れ流す勢力が存在します。これは真の保守でも国益擁護でもありません。
日本自由党は、国民の重税感や物価高に対しては**「徹底した減税と規制改革による生活防衛」を断行しつつ、安全保障においてはロシアや中国の侵略・情報工作に断固として対峙する「現実主義に基づく強固な自由主義・安保政策」**を堅持してまいります。
既成政党の失政による自滅の間隙をぬって、国益を損なうポピュリズムや工作勢力が跋扈することを防ぐためにも、私たちは確かな実務力と健全な国家観を持った受け皿として、着実に歩みを進めてまいります。
この趣旨にご賛同いただける方々には、是非とも日本自由党へのご入党(党員費月額980円)のご検討をお願い申し上げます。



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