今回は(も)私が時々出演させていただいているインターネット番組、ニッポンジャーナルから。
ロシアの軍事に関する専門家、小泉悠氏。
YouTube スパイチャンネル、山田敏弘氏。
先に、重要ポイントをまとめておきます。
🛡️ 現代の安全保障とインテリジェンスの本質
1. 中国漁船2000隻の密集は漁業ではなく、有事に海を封鎖するための「物理的なバリア」の公開演習である。
2. ロシア軍の死者数は米国の戦後全戦争の合計の3倍に達し、もはや21世紀の常識を超えた残虐な消耗戦となっている。
3. 「降伏すれば平和になる」は幻想であり、占領下では戦闘が止まってもアイデンティティを奪う「構造的暴力」が続く。
4. 日本は「スパイ行為」の法的定義がないため、現行犯逮捕に膨大なリソースを浪費する非効率な「スパイ天国」のままである。
5. 日本の政治家や組織の多くは、中国の影響工作にさらされていても「自分が利用されている」という自覚が全くない。
6. ロシアは自国民の反発を避けるため、貧困国から「闇バイト」感覚で外国人兵士を調達し、戦場で使い捨てている。
7. ウクライナによるロシア奥地への精密攻撃成功は、衛星画像だけでなく現地潜入者による「人の目(ヒューミント)」の勝利である。
💡 補足:専門家が伝えたかった裏メッセージ
この放送を通じて小泉氏と山田氏が強調していたのは、「目に見える兵器」への対策と同じくらい、「目に見えない工作」への制度設計(法整備や監視体制)を急がなければ、日本の安全は砂上の楼閣に過ぎない、という強い警鐘でした。
#ニッポンジャーナル
中国漁船最大2000隻が、昨年末と今年1月の二回、東シナ海で逆L字型の隊列を作る
二回とも同じ経度
小泉悠氏「軍事的意味は良く分からない
有事の際、他のものと組み合わせて突破しにくいバリアが作れるのか?
(00:16:57)https://t.co/950Z59geKthttps://t.co/NFnIvguzgV— 勝田類2 (@OIAMAvpYhJ25899) February 24, 2026
#ニッポンジャーナル
小泉氏「海上民兵とはいえ、普段は漁師のおじさんたち
習近平の命令で、東経何度何分に何時間いろと命令される
迷惑なはなしだろう」
山田氏「有事のときは一番前に出される」
2023年当時、江崎道朗氏はアルバイト料の支払いが滞っていると伝えているhttps://t.co/QDeCucpJsN— 勝田類2 (@OIAMAvpYhJ25899) February 24, 2026
#ニッポンジャーナル
小泉悠氏が言及した雨宮処凛氏のエッセイ
第751回:「ママ戦争止めてくるわ」と『新しいリベラル』と、特殊な界隈で特殊な訓練を長期間受けてきたという自覚について。の巻(雨宮処凛) https://t.co/9CShlJsbZD #maga9— 勝田類2 (@OIAMAvpYhJ25899) February 24, 2026
#ニッポンジャーナル
小泉悠氏「占領されたウクライナでは、男性に対する性的暴行がすごく多い
男性捕虜にたいして屈辱感を与え、精神的に屈服させるため
降伏が文民に対する暴力の総量を減らさない限り、降伏には賛成できない」
(00:43:02)https://t.co/WHmFXLlNoQ— 勝田類2 (@OIAMAvpYhJ25899) February 24, 2026
#ニッポンジャーナル
戦死したら、高額の手当てを払う
露にしては珍しくちゃんと払っている
さらに、南アジア・アフリカからも傭兵している
ウの爆発事件は、露の特務機関がウ人をカネで雇ってやることがある
ウも、露人を雇って露に爆薬を仕掛けている」— 勝田類2 (@OIAMAvpYhJ25899) February 24, 2026
ということで、本編の動画です。
要約は以下の通り。
2026年2月24日にライブ配信された「ニッポンジャーナル」の内容を要約します。
軍事評論家の小泉悠氏と、初登場の国際ジャーナリスト山田敏弘氏による、日本の安全保障とインテリジェンスの「今」に切り込む1時間半の濃密な議論を再構成しました。
1. 東シナ海の「巨大な壁」:中国漁船2000隻による組織的動員
視聴者アンケートで最も注目を集めたのが、東シナ海の日中間線付近で観測された中国漁船の異常な行動です。
観測された異常事態の詳細
2025年12月25日前後と2026年1月11日前後の2回、統計125度付近のEEZ境界線上で、最大約2000隻の中国漁船が密集。南北470kmにわたる巨大な「逆L字型」の隊列を形成し、24時間以上にわたってその位置を維持しました。
小泉氏による「軍事・衛星」分析
小泉氏は、AIS(船舶自動識別装置)の生データを解析した結果として、「これほど正確に整列し、宇宙から見ても判別できる形で隊列を組むのは、漁業ではなく明白なデモンストレーション」と断言。有事の際に台湾周辺や尖閣諸島周辺で、他国の介入を物理的に阻む「海上バリア(壁)」を構築する予行演習である可能性を示唆しました。また、海上民兵が最前線に立ち、他国が手を出せば背後の海警局や海軍が介入するという、計算された「エスカレーション・ラダー」の一部であると分析しました。
山田氏による「情報戦・工作」分析
山田氏は、民間船にドローンを搭載して米軍サイトにわざと露出させる等の事例を引き合いに出し、「中国は見られることを前提に、影響工作(心理戦)を仕掛けている」と指摘。民間船という隠れ蓑を使い、「攻撃すれば非戦闘員への暴力になる」という言い逃れの余地を残しつつ、西側に圧力をかける手法の狡猾さを解説しました。
2. ウクライナ侵攻4年:凄惨な犠牲と「構造的暴力」の正体
ロシアによる全面侵攻開始から4年が経過し、戦争の形態が「21世紀とは思えない残虐な消耗戦」へと変質している実態が語られました。
想像を絶する人的犠牲
ロシア側の死者は32万5000人、死傷者合計は120万人近くに達しています。小泉氏は、この数字が第二次世界大戦後のアメリカが経験した全ての戦争(朝鮮、ベトナム、イラク等)の合計死者数の3倍であることに触れ、その異常さを強調。ロシアは兵士への高額な報酬や、ケニア・南アジアなどからの「外国人傭兵(闇バイト的勧誘)」を投入することで、国内の徴兵への不満を巧妙に回避しつつ、継戦能力を維持している冷徹な現実を明かしました。
「無抵抗なら平和」という幻想への警鐘
2万人の子供が連れ去られ、ロシア兵としての再教育(アイデンティティの抹消)が行われている問題に対し、小泉氏は強い危機感を表明。「無抵抗で降伏すれば命は助かる」という議論に対し、ロシアの占領下では「言葉を奪われ、同胞を敵として撃たされる」という「構造的暴力」が続くため、降伏が暴力の総量を減らすとは限らないと喝破しました。
北朝鮮による「戦場テスト」の脅威
山田氏は、北朝鮮がロシアに砲弾を供給する対価として、外貨だけでなく「実戦データ」や「軍事技術」を得ていることに言及。これが巡り巡って東アジアの安全保障を直接的に脅かすという、地政学的な連結性の恐ろしさを浮き彫りにしました。
3. 日本のインテリジェンスの脆弱性と「スパイ天国」の実態
番組後半は、山田敏弘氏が専門とするスパイ工作の実態と、日本の法整備の遅れに焦点が当てられました。
垂秀夫前大使の疑惑と中国の「網」
対中強硬派の垂氏を巡る二重生活疑惑に関し、山田氏は「米英のインテリジェンス機関も強い関心を持って背景を調査している」と述べました。中国の工作は、対象者に直接接触するだけでなく、周囲の協力者や宗教団体などを介してじわじわと包囲網を狭める点に特徴があり、本人が無自覚なまま影響下にあるケースも多いと警告しました。
ロシアスパイの巧妙な接近術
1月に書類送検されたロシアのスパイ(SVR所属)の事例を詳細に解説。「スマホがある時代にわざと道を聞く」という古典的な接近から始まり、数ヶ月かけて飲食を共にして信頼関係を築き、最終的に精密技術の情報を盗み出す。山田氏は、日本の現行法では、情報の受け渡しの「決定的瞬間」を現行犯で押さえる必要があるため、捜査に膨大なリソースが必要で効率が極めて悪い現状を訴えました。
スパイ防止法とACD(アクティブ・サイバー・ディフェンス)への展望
高市氏が提唱するスパイ防止法の制定に対し、石破政権内の慎重論(岩屋氏や村上氏ら)との摩擦が取り上げられました。小泉氏は、「情報機関の権限強化は不可欠だが、それと同時に、弁護士や検察などの第三者がその運用を民主的にチェックする『監視装置』の設置をセットで議論すべき」と、健全な国家運営のための知恵を求めました。
4. ウクライナの「自立した反撃」:工業力が生む新兵器
ウクライナがロシア奥地の軍事工場を、自国開発の巡航ミサイル(通称:フラミンゴ)で攻撃した事例が紹介されました。
精密攻撃を支えるヒューミント
衛星画像だけでは判別不能な工場の特定の建屋(イスカンデル製造拠点)を狙い撃てたのは、内部に情報源を持つ「ヒューミント(人的諜報)」の成果であると小泉氏は分析。
基礎工業力の重要性
「フラミンゴ」は練習機のエンジンを流用して作られており、有事の際に自国で兵器を「デッチ上げる(独自生産する)」能力がいかに継戦能力に寄与するかを強調。日本も、コモディティ化した技術と独自技術を切り分け、有事に備えた工業基盤を再構築すべきであるとの提言がなされました。
番組の総括と今後の視点
今回の放送では、**「見えない脅威(スパイ・工作)」と「見える脅威(軍艦・ミサイル)」**が複雑に絡み合う現代戦の様相が、ゲスト二人の専門知によって鮮明に描き出されました。特に、日本国内に潜むスパイ活動への法的・組織的な対抗手段の欠如は、緊急の課題として浮き彫りになりました。
専門家ならではの視点、また、なかなか報道されないが重要な点をまとめてみました。
「ニッポンジャーナル(2026年2月24日配信)」における、軍事・インテリジェンスの専門家である小泉悠氏と山田敏弘氏ならではの視点、および大手メディアでは深掘りされにくい「不都合な真実」を整理しました。
専門家ならではの分析と独自の指摘
1. 中国漁船2000隻の「壁」に隠された軍事ロジック
「エスカレーション・ラダー」の構築: 単なる威嚇ではなく、漁船(海上民兵)を最前線に置くことで、他国が排除に動けば「民間人への攻撃」を口実に海警局や海軍が介入する「罠」を仕掛けている(小泉氏)。
AIS解析の「裏側」: 一般的な船舶追跡サイトを見るだけでなく、膨大な生データを購入し、特定のアルゴリズムで中国船籍のみを抽出して初めて「巨大な逆L字型の隊列」という意図的な配置が見えてくるという、技術的な情報収集の重要性(小泉氏)。
「見られること」を前提とした情報戦: 中国はあえて衛星や西側の監視網に映るように動き、「これだけの動員が可能だ」という心理的プレッシャーを与える「影響工作」としてこれを利用している(山田氏)。
2. ロシア・ウクライナ戦線の「地政学的連結」
北朝鮮による「実戦テスト場」化: 北朝鮮は砲弾供給の対価として、自国兵器が現代戦でどう機能するかという「究極の実戦データ」とロシアの軍事ノウハウを得ており、これが直接的に日本の安全保障を脅かすフェーズに入っている(山田氏)。
「闇バイト」化する軍動員: プーチンが国内で大規模な徴兵を避けられるのは、ケニアや南アジアなどの貧困層を「高額な報酬」で誘い、戦場の使い捨て兵力として活用する「世界規模の闇バイト的リクルート」が成立しているため(小泉氏)。
3. 日本のインテリジェンスの「知られざる実態」
外務省「儀典官室」の隠れた機能: 本来は外交官の登録等を行う部署だが、実際には各国の外交官の「真の所属(スパイかどうか)」を把握・追跡する、日本における数少ないインテリジェンス機能の拠点を担っている(山田氏)。
無自覚な協力者の存在: 日本の政治家や組織が中国の影響工作を受けていても、本人たちは「交流の一環」だと思い込んでおり、「何がスパイ行為か」の定義がないために、自分が利用されていることにすら気づかない「無自覚な脆弱性」(山田氏)。
主要メディアで報道されにくい「不都合な点」
1. 「降伏=平和」という議論の虚構
「構造的暴力」の継続: 戦闘が終わっても、占領下では「言葉の禁止」「同胞同士での戦わせ(強制徴兵)」「子供の再教育」が続く。専門家の視点では、降伏は暴力の終了ではなく、**「物理的暴力から構造的暴力への移行」**に過ぎないという冷厳な指摘(小泉氏)。
2. 日本の法執行の「絶望的な非効率性」
現行法の限界: スパイ防止法がないため、警察はスパイを「窃盗」や「詐欺」で立件せざるを得ない。情報の受け渡しの「瞬間」を店員に変装してまで押さえる必要があり、一つの案件に膨大なリソースを割かなければならない現状(山田氏)。
3. 西側諸国の「二重基準」と信頼
情報の「出し渋り」: 日本のセキュリティ・クリアランスや情報保持能力への不信感から、米英などの同盟国は「他国には共有するが日本には教えない」という情報の選別を現在進行形で行っている(山田氏)。
4. 精密攻撃を支える「地上の目」
衛星画像の限界: ロシア奥地の軍事工場攻撃において、どの建屋が重要かを特定できたのは、衛星画像(GEOINT)だけでなく、現地に潜入した情報員による「ヒューミント(人的諜報)」の成果。大手メディアが報じる「ハイテク戦争」の裏には、依然として泥臭いスパイ工作が不可欠である点。
インテリジェンスの欠如は、国家にとって最大の脆弱性と言えます。
目に見える兵器の議論を超え、今こそ『見えない盾』を構築するための法整備と、我々一人一人の自覚が問われています。