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金融庁法令等遵守調査室のメンバーの選出・任命に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年6月10日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は、以前金融機関に勤めておられた方で、勤務時に金融庁に公益通報をしたところ、結局勤務先をやめざるを得なくなった方からいただいたご意見をもとにした質問です。質問主意書の内容を解説した動画がこちら↓。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

金融庁法令等遵守調査室のメンバーの選出・任命に関する質問主意書

 金融機関の不正に関する公益通報を受け付ける金融庁法令等遵守調査室のメンバー等が大手金融機関の取締役や監査役等を務める弁護士の事務所から選出されており、不正を調査する側の人物が不正を調査される側の大手金融機関から間接的な利益供与を受けている関係にある(証券取引等監視委員会においても同様)との指摘が私のもとに寄せられた。金融庁はそれら利益相反関係を国民に開示しておらず、金融庁及び証券取引等監視委員会の職員による大手金融機関に対する忖度・癒着・情報漏洩の原因となる可能性がある。ここ数年だけでも大手金融機関による不正が相次いでおり、過去にも、金融庁は大手金融機関に関する公益通報を受理することなく、参議院財政金融委員会で公益通報事案が公になった後に公益通報として受理したという事案がある(二〇一四年の第一生命保険株式会社による不払い隠し及び虚偽報告等)。

令和三年四月十二日現在の金融庁法令等遵守調査室のメンバーは、室長の田中豊氏(総合政策局参事)ほか十一名となっている。法令等遵守調査室は、大手金融機関の取締役等を務める若しくは顧問契約を結んでいる弁護士の事務所から出向してきた弁護士が金融機関の法令違反等について公益通報として受理するか否かを検討しており、金融庁及び証券取引等監視委員会の他の部門においても同様の事案が散見される。これは、日本生命保険相互会社から金銭的な利益供与を受けている弁護士の事務所から選出された人物が日本生命保険相互会社の不正を調査する可能性があるなど、重大な利益相反関係といえる。

例えば、法令等遵守調査室の伊藤侑也氏は牛島総合法律事務所に所属する弁護士であり、その牛島総合法律事務所の代表の牛島信氏は日本生命保険相互会社の社外取締役を務めている人物である。その他の人物に関しても、大手金融機関の取締役や監査役、顧問弁護士、取引先弁護士の事務所から金融庁及び証券取引等監視委員会に出向し、金融機関の不正の検査等に関与している。金融機関の不正を調査するかどうかを決定する権限を持つ人物若しくはそれを調査する人物が、不正の調査を受ける金融機関から多額の利益供与を受けている弁護士の事務所から選出されていることは重大な利益相反ではないかと考える。

以上を踏まえ、以下質問する。

一 公益通報者保護法を踏まえた国の行政機関の通報対応に関するガイドライン(内部の職員等からの通報)(平成二十九年三月二十一日一部改正)によれば、利益相反関係の排除について次のように定められている。

「(五)利益相反関係の排除

① 各行政機関の職員は、自らが関係する通報事案への対応に関与してはならない。

② 各行政機関は、通報対応の各段階において、通報事案への対応に関与する者が当該通報事案に利益相反関係を有していないかどうかを確認するものとする。」

この「利益相反関係」、「自らが関係する通報事案」とは具体的にどのような関係を想定しているか。また、どの程度の関係であれば利益相反にないと判断しているのか。金融庁及び証券取引等監視委員会による行政指導等が開示されている事件について弁護士が関与したものについては関与した弁護士名、その出向元事務所名及び利益相反関係の有無について示されたい。

一について
「公益通報者保護法を踏まえた国の行政機関の通報対応に関するガイドライン(内部の職員等からの通報)」(平成十七年七月十九日関係省庁申合せ)に基づき御質問を受けているが、「日本生命保険相互会社から金銭的な利益供与を受けている弁護士の事務所から選出された人物が日本生命保険相互会社の不正を調査する可能性があるなど、重大な利益相反関係といえる」との御指摘を踏まえると、「公益通報者保護法を踏まえた国の行政機関の通報対応に関するガイドライン(外部の労働者等からの通報)」(平成十七年七月十九日関係省庁申合せ)に基づきお答えすべきものと考えられることから、以下、これを前提としてお答えすることとする。

 お尋ねの「「利益相反関係」、「自らが関係する通報事案」とは具体的にどのような関係を想定しているか」については、例えば、通報受付担当者、調査担当者等の通報事案への対応に関与する者が、法令違反行為を行った当事者である、法令違反行為の意思決定に関与した、法令違反行為を行った者と親族であった等の場合がこれに当たり得る。

 また、お尋ねの「どの程度の関係であれば利益相反にないと判断しているのか」については、個別の事案ごとに金融庁及び証券取引等監視委員会(以下「金融庁等」という。)において判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

 さらに、「行政指導等が開示されている事件」についてのお尋ねについては、その意味するところが明らかではないことから、お答えすることは困難である。

二 大手金融機関の取締役等を務める人物が代表を務める弁護士事務所等から、金融庁及び証券取引等監視委員会に出向している弁護士が公益通報内容の審査や金融機関に対する調査等を担当することは利益相反関係にないとの認識か。その事実を何故国民に開示していないのか。税金で運営されている金融庁及び証券取引等監視委員会の重大な利益相反関係を国民に開示する必要はないとの認識か。政府の見解を伺いたい。

二について
金融庁等において弁護士資格を持つ者を職員として採用するに当たっては、人事院規則八―一二(職員の任免)等の関係法令にのっとり、広く募集を行い任期付職員として採用していることから、「弁護士事務所等から、金融庁及び証券取引等監視委員会に出向している弁護士」との御指摘は当たらず、「弁護士事務所等から、金融庁及び証券取引等監視委員会に出向している弁護士が公益通報内容の審査や金融機関に対する調査等を担当すること」はないと考えている。

三 利益相反関係の排除のために、金融庁及び証券取引等監視委員会において、職員及び出向元の弁護士事務所等と金融機関の人材(役職員)、資金(融資等)、取引関係などについて調べているか。調べているならば、どのように調べ、何を把握したか。

三について
お尋ねの趣旨が明らかではないことから、お答えすることは困難である。

四 前記一のガイドラインには「通報対応の各段階において、通報事案への対応に関与する者が当該通報事案に利益相反関係を有していないかどうかを確認するもの」と定められているが、金融庁法令等遵守調査室及びその窓口は、その後の各段階のうち、どの段階でどのように、利益相反関係を有していないかどうかを確認しているか。また、国民から公益通報を受ける第一段階の法令等遵守調査室に、大手金融機関の弁護士がいる時点で、既に利益相反関係にあるのではないか。政府の見解を伺いたい。

四について
利益相反関係を有していないかどうかの確認については、公益通報を受理するかを検討する段階において、通報事案への対応に関与する者に対して通報事案との関係を自己申告させるとともに、過去の勤務経歴等の確認を通じて、個別の事案ごとに金融庁等において確認を行っている。

 また、金融庁等において弁護士資格を持つ者を職員として採用するに当たっては、人事院規則八―一二(職員の任免)等の関係法令にのっとり、広く募集を行い任期付職員として採用していることから、「法令等遵守調査室に、大手金融機関の弁護士がいる」との御指摘は当たらないものと考えている。

五 金融庁及び証券取引等監視委員会は公益通報の各段階において議事録等を作成しているか。作成しているのであれば、いつから議事録の作成を始めたか。また、過去において議事録等を作成しておらず、「公益通報進捗状況表」等の結果欄に数行程度のコメントを残しているだけであるならば、公益通報から受理・不受理を決定するまでに、審査に数か月間の時間を費やした事案については、審査の進捗状況等を振り返ることや過去に議論された詳細な審査内容等を把握することができないが、どのようにして、過去に議論した内容等を把握しているのか。また、役職員個人が保有している議事録等の資料はあるか。政府の見解を伺いたい。

五について
公益通報者保護法(平成十六年法律第百二十二号)においては、議事録の作成は求められておらず、議事録の作成は行っていないが、金融庁等において、関係部局又は通報者に連絡を取り、通報の内容となる事実等をできる限り正確に把握しており、「公益通報進捗状況表」等において通報者等と連絡を取った日や結論等を記載しており、過去の対応状況を把握していると考えている。

六 金融庁及び証券取引等監視委員会は、公益通報の各段階において関与した職員の全ての名前を記録するなどし、問題発生時及び重大な利益相反関係が明らかになった場合に備え、トレーサビリティを確保しているか。

六について
お尋ねの「トレーサビリティ」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

七 金融庁及び証券取引等監視委員会の職員に金融機関の利害関係者が多くいる中で、それぞれの各部門は利益相反関係にある人物に対して、具体的にどのように情報隔壁を構築しているか。利益相反関係にある人物が公益通報情報にアクセスできないような、コンピュータシステムの構築、会議からの除外、公益通報資料の閲覧及びコピー等の防止等の具体的な対応について示されたい。また、金融機関の取締役等を務める弁護士の事務所から出向してきた弁護士らに対して、出向時に内部情報及び公益通報事案等に関する口外禁止条項等を書面で締結しているか、伺いたい。

七について
通報への対応に係る記録及び関係文書については、アクセス制限を設定すること、法令等遵守調査室の会議への出席者を限定することなどにより、担当者以外の者が取り扱うことができないように管理している。

 また、お尋ねの「内部情報及び公益通報事案等に関する口外禁止条項等を書面で締結しているか」については、金融庁等において弁護士資格を持つ者を職員として採用するに当たっては、人事院規則八―一二(職員の任免)等の関係法令にのっとり、広く募集を行い任期付職員として採用していることから、「弁護士の事務所から出向してきた弁護士」との御指摘は当たらず、また、国家公務員には、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条の規定により、退職後も含めて職務上知ることのできた秘密を守る義務が課されており、御指摘のような書面を締結する必要はないと考えている。

八 金融庁及び証券取引等監視委員会に弁護士事務所等から弁護士の出向を受け入れる場合、どのようなプロセスで出向元の弁護士事務所やその出向者を決定しているか。具体的にその選考プロセスの各段階における議事録等を残しているか。何故、官僚・検事総長の天下り先や大手金融機関と関係のある弁護士の事務所ばかりから選出されているのか。政府の見解を伺いたい。

八について
金融庁等において弁護士資格を持つ者を職員として採用するに当たっては、人事院規則八―一二(職員の任免)等の関係法令にのっとり、広く募集を行い任期付職員として採用していることから、「弁護士事務所等から弁護士の出向を受け入れる」ことはなく、前段のお尋ねにお答えすることは困難である。

 また、後段のお尋ねについては、「官僚・検事総長の天下り先や大手金融機関と関係のある弁護士の事務所ばかりから選出されている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、職員の採用に当たっては、人事院規則等にのっとった適正な手続を通じて、募集する官職に係る能力及び適性があると認められる者を採用している。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

相談者の方はYouTubeに他にいくつも動画をアップされています。

相談者の方から相談いただいた際にどうしようか考えた結果、質問主意書として提出することにしました。様々な方にとって良い形で落ち着くことを願っています。

相談者の方から、別の内容の相談もいただいており、そちらの内容も質問主意書として提出しています。そちらの方も今後紹介する予定です。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

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