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週2回、発行しています。参考までに8月~9月までのタイトルは以下。
【015】CIAやMI6を語る前に――陸軍中野学校と上田昌雄大佐から現代の安全保障を考える
【014】日本共産党が警察予備隊に対して行ったとされる「内部浸透工作」
【013】吉田政権の二つの戦い――インテリジェンスと経済政策で「敗戦革命」を止めた
【012】教科書が語らぬ真実 二・一ゼネストは共産革命の危機だった
【011】ソ連赤軍情報総局(GRU)に直結する工作員として日本に帰国した野坂参三
【010】白の名を持ちながら真っ赤に染まった男たち――アメリカを共産主義へ傾けたスノーとホワイト
【009】冬戦争で国際的に大きな非難を浴びたソ連に対し、大日本帝国は武力介入を示唆すべきだったのでは?
【008】インド独立を陰で支えた日本人 藤原岩市 大きな功績にも関わらず教科書に掲載されない謎
【007】ソ連崩壊後に公開されたモスクワの共産党・コミンテルン関連一次資料群「リッツキドニー文書」
【006】多くの日本国民に知ってもらうことで自虐史観を改善する可能性のある「ヴェノナ文書」
【005】無防備な民間人を狙ったソ連軍による卑劣な攻撃「三船殉難事件」
【004】今こそ再評価すべきノンキャリア外交官、若杉要と米国共産党調書
【003】プロジェクトフラ 重要にも関わらずあまり知られていない現状
【002】明石元二郎と復命書『落花流水』—日本はかつて情報戦の勝者だった
【001】創刊のご挨拶と「葛根廟事件」
当初は政治に関する幅広い話題を扱う予定でしたが、今年が終戦80周年ということもあり、歴史の話題を中心に扱っております。
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メルマガ本文、色々と調べながら書いているのですが、自分にとっても大変勉強になります。始めて良かったと思います。
さて、今回はそのメルマガ準備調査において見つけたインターネット上の論文を紹介します。
日本軍とインテリジェンス――成功と失敗の事例から――小谷 賢 防衛研究所紀要第 11 巻第 1 号(2008 年 11 月)
小谷賢さんの論文ですが、その前にご本人の自己紹介動画を。
要約は以下の通り。
小谷賢氏の講演内容要約
1. 研究の原点と興味の出発点
- 小谷氏の関心の出発点は幼少期の「ガンダム」や「ガンプラ」。
- そこから戦車や戦闘機などのスケールモデルに熱中。
- 小学校高学年の頃にフォークランド紛争が起き、テレビで戦闘機や艦船の映像を見て軍事への関心が一層高まった。
2. 学問的キャリアの始まり
- 大学院では国際政治学を専攻し、日本では外交史を研究。
- 当時の日本の国際政治学は「平和学」や「戦争否定」に偏っており、軍事や安全保障の学問的基盤が薄かった。
- 指導教官の勧めでイギリス・ロンドン大学キングスカレッジの「戦争研究学部(War Studies)」に留学。
- ここで第一次世界大戦の戦闘を作戦地図を用いて徹底的に分析する授業を受け、机上の知識から実戦的な理解へと深化。
3. 防衛研究所での活動
- 帰国後、防衛研究所に採用。公務員試験に加えて「ミッドウェー作戦の問題点を書け」といった専門的試験もあった。
- 主な仕事は太平洋戦争に関する一次資料の調査・レポート作成。朝から晩まで資料庫にこもり、徹底的に研究。
4. インテリジェンス研究との出会い
- キングスカレッジ在学中に「インテリジェンス研究」という授業に出会う。
- 当初は知識不足でついていけなかったが、必死に読書し勉強するうちに面白さに気づき、のめり込む。
- 日本には体系的なインテリジェンス研究の蓄積がなく、残された資料を自力で整理・体系化する必要があった。
- その成果が著書『日本軍のインテリジェンス』へと結実。
5. 現在の研究と立場
- 日本大学危機管理学部に移籍し、教育・研究に従事。
- 専門は「戦後日本のインテリジェンス研究」。資料が乏しく困難だが、収集から始め研究を進めている。
- 日本ではアングロサクソン諸国と異なりインテリジェンス研究が遅れており、一次資料を掘り起こして論文や本にまとめる地道な作業を続けている。
まとめ
小谷氏の研究の原点は「軍事好き」という個人的な関心にあり、ガンダムから始まり、フォークランド紛争、スケールモデル作りを経て、本格的な軍事・インテリジェンス研究に進んだ。
日本では学問的基盤が弱い分野を、自ら資料に当たり、体系化しようとする姿勢が特徴的であり、戦後日本のインテリジェンス研究を切り拓いている。
ここで、本題、上記論文に関して、生成AIで要約してもらいました。
まず、論文そのものに入る前の前提として。
先の大戦において、緒戦の日本軍は、周到な情報収集・工作・秘匿で戦術的成果を得た(マレー・香港・パレンバン・真珠湾)とはどういうことか?
マレー(マレー半島侵攻~シンガポール陥落)
- 時期:1941年12月8日~1942年2月15日
- 成果:コタバル上陸から電撃進撃、シンガポールを陥落。F機関の対印兵工作・周到な地誌調査が奏功。英印豪混成守備の弱点を突き、英極東の要を失わせた。
香港(香港攻略戦)
- 時期:1941年12月8日~12月25日
- 成果:興亜機関が破壊・撹乱・買収を実施、水源・要所を押さえ英軍を圧迫し、聖誕節(12/25)に降伏。華僑地下組織(洪幇)活用と事前潜入で短期制圧。
パレンバン(スマトラ島・製油所空挺奇襲)
- 時期:1942年2月14日
- 成果:空挺部隊が製油所・飛行場をほぼ無傷で制圧。上田昌雄らのEEIに基づく文献・実地・航空写真分析→作戦化が教科書的に成功し、石油資源を確保。
真珠湾(ハワイ・米太平洋艦隊基地奇襲)
- 時期:1941年12月7日(日本時間12月8日)
- 成果:米太平洋艦隊の戦艦戦力を一時無力化(空母は不在で撃破できず)。吉川猛夫の現地偵察、商船偵察、無線封止など秘匿徹底で戦術的奇襲に成功。ただし戦略的決着には至らず。
一方、戦争後半における、作戦失敗で敵に情報資料を奪われ、その後の対処を誤る、などの失敗事例も簡潔に紹介します。
① 1942年1月「伊124」沈没:暗号資料が敵の手に
- 発生場所:オーストラリア北方・ダーウィン沖(ティモール海)
- 何が起きた:潜水艦沈没でD暗号関連資料が回収される。
- なぜ問題:以後、解読が進みやすくなる土台に。
- すべきだった:暗号総入替+通信量抑制。
② 1942年6月「ミッドウェー」:解読の兆しを無視
- 発生場所:北太平洋・ミッドウェー環礁周辺海域
- 何が起きた:敵に作戦を読まれ待ち伏せ。兆候を軽視し大敗。
- なぜ問題:兆候段階で止めれば被害回避の余地。
- すべきだった:疑わしきは即停止→暗号全面更新→恒常的原因調査。
③ 1943年4月「山本撃墜(甲事件)」:要人予定が読まれた疑い
- 発生場所:ソロモン諸島・ブーゲンビル島南部上空(ブイン近郊)
- 何が起きた:移動予定電報を基に待ち伏せ撃墜。
- なぜ問題:最高機密なのに確証主義で是正が後手。
- すべきだった:暗号即総入替、予定の分割・直前・偽装通知、無線規律の再教育。
④ 1944年4月「海軍乙事件」:暗号書&Z作戦計画が一時流出
- 発生場所:パラオ→ダバオ航路上で遭難/参謀長機はフィリピン・セブ島沖で不時着(書類はゲリラ経由で米側に渡り複製)
- 何が起きた:暗号書・Z作戦計画が一時敵手に。返還後も大事にせず。
- なぜ問題:敵に迎撃計画を先読みされうるのに、議論は**メンツ(虜囚論争)**へ逸脱。
- すべきだった:計画即廃棄・再立案、暗号体系総入替、携行機密の最小化&喪失前提設計。
これらを踏まえて、論文本文の要約は以下。
以下は、頂いたテキスト(小谷 賢「日本軍とインテリジェンス――成功と失敗の事例から」防衛研究所紀要11巻1号, 2008)の要点を、流れが分かるように整理した要約です。
目的と視点
- 太平洋戦争緒戦(開戦直後)の日本軍におけるインテリジェンスの役割を検討。
- 英米研究が強調する「連合軍側の油断・情報失敗」だけでは説明できない、日本側の情報運用(成功と失敗)の実像を事例で示す。
日本軍の情報収集の実態
- 情報源は多層:通信情報(シギント)、武官報告、捕虜尋問・鹵獲書類、諜者(スパイ)、陸軍・外務省情報、公開情報(新聞・雑誌・放送)など。
- 海軍の「状況判断資料」(1944.10〜1945.7)では、収集1484件のうち非公開情報(とくに特種情報=傍受解読)が3分の1超を占め、シギント比重が大きい。
- ただし、通信情報は「生もの」で扱いが難しく、他情報との突合・分析を経ないと誤判の危険(実松譲の回想)。
陸軍インテリジェンス:評価と成功事例
対英米イメージ
- 英軍評価:現地兵(印・マレー兵)中心で統率と団結に難、訓練は防勢色が強い——と低めに見積もる傾向。
- 米軍評価:まとまった史料は少なく、当初の関心はソ連軍に向き、米軍については観念的・精神主義的見立てが残存。
成功事例
- マレー侵攻:1935年以降のバンコク拠点化、詳細な地誌・防御施設調査(『英領馬来情報記録』)。海南島での上陸訓練、F(藤原)機関の対印兵工作が奏功。
- 香港攻略:興亜機関が破壊・撹乱・買収等の工作と地下組織(洪幇)活用で側面支援。水源・要所の事前把握が降伏促進に寄与。
- パレンバン空挺奇襲:上田昌雄(中野学校)がEEIに基づき文献・実地・航空写真で施設構造まで特定。情報→分析→作戦部隊活用の「インテリジェンス・サイクル」が教科書的に回転し、製油所を無傷占領。
海軍インテリジェンス:見積もり・真珠湾
戦力見積もりと戦略観
- 1941年時点で対米比「約7割」(運用率考慮で7.5割)を算出。ランチェスター法則的に「短期なら互角、長期は不利」と認識。英極東艦隊は質・射程で優越と評価。
- 海軍は「英米不可分」と判断し、戦うなら差が最小の早期(1941年)という合理的戦術判断。ただし、戦略的勝利の道筋(米世論の厭戦や独の欧州制覇頼み)には脆弱性。
真珠湾作戦
- 山本五十六のトップダウンで情報・訓練・秘匿を徹底。
- ホノルル在外情報(吉川猛夫)、商船搭乗調査、通信情報、天候・航路調査などで目標・錨地特定。無線封止も遵守。
- 戦術的インテリジェンスの金字塔だが、戦略的出口は示し切れず。
失敗と制度的弱点
防諜・暗号の問題
- 海軍は暗号・機密漏洩が多発:
- 1942/1 伊124の暗号資料流出 → 以降のD暗号解読リスク増大。
- ミッドウェー:暗号被解読の兆候を軽視、原因究明・対策が徹底されず敗北。
- 山本撃墜(甲事件):傍受解読による待ち伏せの可能性が濃厚も、確証主義に固執し更新・是正を怠る。
- 海軍乙事件(1944/4):暗号書・Z作戦計画が敵手に渡り複製されるも、組織の関心は「虜囚の辱め」論争へ逸脱、情報保全よりメンツを優先。
- 結論:海軍は「暗号が敵に渡る前提の設計・運用」が弱く、自己点検と是正が機能不全。
情報共有・情勢判断の断絶
- 作戦部が独自判断を優先し、情報部の情勢判断を軽視。
- 台湾沖航空戦の戦果誤認(空母19隻撃沈発表):現場報告を鵜呑み、特情の傍受・公開情報と整合せず。その誤判が**捷一号作戦(レイテ)**の悲劇へ連鎖。
- 情報部は冷静(「空母・戦艦沈まず」)でも、士気配慮名目で受け入れられず。構造的に「縦割り・作戦至上主義」がインテリジェンスを殺した。
総括(著者の結論)
- 緒戦の日本軍は、周到な情報収集・工作・秘匿で戦術的成果を得た(マレー・香港・パレンバン・真珠湾)。
- だが、戦争が進むほど、防諜不全と情報共有不全でインテリジェンスは劣化し、後半はほぼ機能不全。
- 現代への示唆:
- 情報保全(漏洩対策・暗号設計・事故後の迅速な是正)を制度で担保すること。
- 作戦部門と情報部門を分立させつつ横断連携させ、客観的判断が組織意思決定に反映されるメカニズム(縦割り打破・常時の共有文化)を築くこと。
一言での要旨
「緒戦の勝利は“情報の勝ち”でもあったが、後半の敗北は“防諜と共有の失敗”が拡大再生産された結果である。」
改めて、先の大戦をこのような視点から見直すことは重要と思います。
引き続き、小谷賢さんの書籍や資料から色々と学んでいきたいと思います。
コメント
「あなたは〇〇をしてください。」というよりは、
あなたには〇〇や⬜︎⬜︎ができますという呼びかけが、よろしいでしょうか。その波及効果を含めて書いてみませんか。もちろん選挙は度外視で国民国家のために、最大でも信頼を得る目的で…ということです。本来は、つい話してしまいたくな関心を呼び寄せる文章で、なにも言わないのが理想的ですが。
知識層以外はターゲット外で良いですが、基本的なワードの概要を掲載する方法は理解してくれましたね。
小谷さんの論文は大変楽しいです。有意義でした。