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成年被後見人の被選挙権に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。2020年9月16日に提出したものです。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

今回は、成年被後見人が選挙に立候補すると想定した場合の質問をしてみました。

bBearさんによる写真ACからの写真

成年被後見人についての紹介は以下を引用します。

Q 成年被後見人とは、どのような方をいうのでしょうか?

成年被後見人とは、民法では以下のように、定義されています。

成年被後見人 … 精神上の障害により、事理を弁識する能力を『欠く』常況にある者
ちなみに、成年被後見人に似たような方で、

被保佐人 … 精神上の障害により、事理を弁識する能力が『著しく不十分』である者
被補助人 … 精神上の障害により、事理を弁識あする能力が『不十分』である者
という方の定義もあります。
つまり、簡単にいうと、

成年被後見人 … しっかりしているときがほとんどない方
被保佐人    … 忘れるときがだいぶん増えてきたが、しっかりしているときもある方
被補助人    … 以前と比べて、忘れっぽくなった方
といえるでしょう。

今回紹介する私の提出した質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

成年被後見人の被選挙権に関する質問主意書

 成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第二十一号)によって、成年被後見人であっても、被選挙権を行使することができるようになった。従来、政府は成年被後見人の選挙権及び被選挙権をはく奪してきた理由について、「成年被後見人になりますと、精神上の障害により事理を弁別する能力を欠く常況、こういう要件のもとに被後見人になるわけでありまして、事理を弁別する能力を欠く常の状況にあるということですから、通常は政治参画を期待できないということで、これはこれで公職選挙法の規定も一定の合理性がある」(平成二十三年二月九日衆議院予算委員会)であるとか、「民法改正以前、平成十一年でありますけれども、禁治産者についてはその要件が心神喪失の常況にある者であるから、行政上の行為をほとんど期待できないため、選挙権及び被選挙権を有しないこととされておりました。平成十一年の民法改正により、禁治産者は成年被後見人と呼称が変わり、その定義は、心神喪失の常況にある者から、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に改められたわけであります。その対象者は一致するものでありまして、選挙時に個別に能力を審査することも困難でありますので、従前の禁治産者同様、選挙権及び被選挙権を認めないこととされた」(平成二十三年七月二十八日参議院内閣委員会)などと答弁してきたが、このような考え方は、成年後見人制度発足の理念である「自己決定の尊重、残存能力の活用」と真っ向から反するものであって、誤りであることは明らかであった。令和の時代になり、重度身体障害者の国会議員が誕生し、当事者の立場から生きづらさを訴えることにより、二十年以上熱心にバリアフリーに取り組んできた赤羽国土交通大臣であっても気づかない、当事者視点の意見を政府は直接取り入れることができるようになり、我が国のバリアフリーはより一層進んでいる。ここから、成年被後見人の議員が誕生したとしても、成年被後見人の立場からの主張は、行政にとって傾聴に値する意見がまったく出ないとは思えず、むしろ、障害のある人も通常の生活をすることができるような社会を作るというノーマライゼーション精神で行政を運営するにあたって、意義ある意見も出ると考えるのが自然である。そこで以下質問する。

一 民法第七条の「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」とはどのような状態の者を指すと考えているか。

一について
民法(明治二十九年法律第八十九号)第七条の「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」は、認知症等の精神上の障害により法律行為をするのに必要な判断能力が欠けているのが通常の状態にある者を指すものと認識している。

二 公職の候補者となるに際して、民法第七条の「事理を弁識する能力」を有する必要はあると考えているか。

二について
公職選挙法(昭和二十五年法律第百号。以下「法」という。)において、公職の候補者となる要件として、御指摘の「民法第七条の「事理を弁識する能力」を有する」ことは規定されていない。

三 成年被後見人が公職の候補者に立候補した際、成年後見人はその立候補を取り消すことができるか。取り消せる場合、成年被後見人が立候補するにあたって供託した供託金は、成年被後見人に返還されるのか。また、地方公共団体の長の選挙であって、成年被後見人の立候補を成年後見人が取り消した結果、候補者が一人となった場合、選挙の期日は、公職選挙法第八十六条の四第七項により延期されるか。政府の見解如何。

三について
お尋ねに関し、成年被後見人が、法第八十六条第二項、第三項若しくは第八項又は第八十六条の四第一項、第二項、第五項、第六項若しくは第八項の規定による公職の候補者の届出により公職の候補者となった場合、当該届出を成年後見人が取り消すことができることを定めた規定はない。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。また、答弁書の文字がいわゆる青枠の五ミリ以内に収まっていなくてもかまわない。

成年被後見人の方が選挙に立候補する状況が今後あるのかどうかは分かりませんが、仮にあると想定した場合の質問をしてみました。

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