コメ価格高騰の原因について、浅川芳裕さんがX上で指摘していました。
端的に言うと、問題の本質は農水省が正しく統計をとれていないこと ということです。
コメ高騰の真犯人は農水省。作況指数の2年連続ミスで不作を隠し、「消えた21万トン」などと供給不足を誤魔化してきた。時代遅れの収穫量予想が市場を混乱させ、価格高騰を招いた。国民の主食が危機に瀕する中、一切責任を取らない。解決策は農水省の統計部解体と科学的な統計手法導入しかない 1/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
農水省は層別に水田サンプルを抽出するというが、基準が曖昧で、品種差・地域差を十分補正できていない。また、水田農家の観察眼を反映せず、坪刈り調査に過大に依存する。微気象や生育の変動を捕捉できず、サンプル配分の不均衡で信頼区間が広い。その結果、不作を見逃し、市場からの信頼は失墜…
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
農水省のランダム標本の選び方自体も、統計学上、怪しい。たとえば、コメ生産量日本一の新潟県で370筆に対し、石川県185筆。新潟は石川の5.5倍の面積なのに標本は2倍。農水省にその理由を聞くと「昔からそうしてる」と埒が明かない。新潟予想が外れると全国への影響は多大だが改善しない 5/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
品質差が作況指数に反映されない問題も大きい。たとえば、新潟の2023年作況指数は98だが、猛暑で品質が低下。コシヒカリの一等米比率は5%未満と過去最低で、例年80%から激減。白濁や胴割れが増え、歩留まりが低下し食用米が減少。農水省は品質低下を反映せず、供給量を過大評価した 7/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
農業評論家の土門剛氏は「農家のサインなしで調査費用を税金から計上するのか」と統計部に問うが一向に返答なし。農水省の作況調査で「空出張」疑惑が浮上。空出張とは実態のない出張で経費を請求する行為。農水省は不正経費や統計不備で追及された過去もあり、調査への不信感は高まるばかり 9/25▼
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長年、現場から指摘されるふるい目問題も深刻。農家は1.8~2.0mmのふるいで小粒やくず米を除くが、「平年収穫量」の基準は1.70mmのまま固定され、問題を放置したまま。農家の実態とズレた基準で、収量誤差を助長している。農水省の硬直的な統計により、市場の信頼性は下がるばかり 11/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
平年収穫量は検討会委員の口頭意見をもとに、官僚が決める旧態依然の体制で、主観的かつ不透明。技術進歩の反映も定量基準がなく、異常気象の評価も不足。統計学的にデータの客観性や再現性が損なわれ、バイアス混入のリスクが高い。農水省の閉鎖的な手法では政治的な意図で、介入が自由自在 13/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
アメリカは当年の収量予測だけでなく、線形トレンドモデルで将来の収量トレンドも予測。過去100年の収量データや技術進歩を基に、コメは年約70ポンド/エーカー増、2034/35年度生産量は252百万cwtと推定。日本でも将来のコメ生産量は国民にとって大きな関心事。科学的予測で透明なコメ業界に 15/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
コメの作況調査・改善案②は農家報告の追加。地域別に代表的な農家を抽出し、異常気象や生育状況、直播普及など技術変化や報告を受け、分散の変動要因を補完。アメリカのように実測と連携し、無作為サンプルでの坪刈り調査依存を脱却。①の層別分析と統合し予測の現実性と正確性を向上 17/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
コメの作況調査・改善案④は飼料用米混入の防止強化。調査対象外かつ多収品種が多い飼料用米が混入すると、平均が過大となり不作が隠れる。調査前に圃場の用途を厳格に定義し、農地台帳と衛星データ連携で飼料用米圃場を事前除外する仕組みを構築。調査対象を明確化し、統計の信頼性を高める 19/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
コメの作況調査・改善案⑥は品質データを加味した総合的な予測モデルの導入。収穫量(kg/ha)に一等米比率と歩留まり率を乗じた「食用米供給量=収穫量 ×一等米比率 ×歩留まり率」を予測。品質を説明変数に追加し、統計モデルを向上させ、過大評価のバイアスを補正し、供給予測の精度を高める 21/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
ただ、いくら農家や米業者が誤りを指摘しても、一切認めない“無謬性”体制の農水省には自己改革は期待できない。志ある稲作農家とコメ業者が協業し、科学的な作況指数を構築する時。自ら資金を出し、収穫量予想システムを整え、不足時・過剰時の説明責任を負う。生産者主導で高騰危機を解決せよ 23/25▼
— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
有益な参考記事:https://t.co/qDjVfxnGeBhttps://t.co/dl3NJtFFAdhttps://t.co/H8w1P5aaqt
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— 農業と食料の専門家/浅川芳裕 (@yoshiasakawa) March 22, 2025
政府の統計専門家の現状については、質問主意書で取り上げたことがあります。
岸田内閣が推し進めるEBPMを実践する上で必要不可欠である政府職員の統計に関する専門性に関する質問主意書(令和6年5月9日提出)
農水省の統計部の問題について、浅川芳裕氏の指摘に反論できるような状況なのか、あるいは改善すべき状況なのか、国会で質問しようと思います。
霞が関の統計の問題は以前から問題が指摘されており、農水省以外の問題も指摘があれば取り上げていきたいところです。
※農水省の統計の未熟さの問題と、厚労省による統計不正とは問題の質が異なりますが。
コメント
結局、どの議員も既得権益でがんじがらめ似なって米騒動については本音が言えないようにみえます。浜田議員の質疑に期待しています。米輸入に警戒感があろうと米菓子の大半は輸入です。
コメ価格高騰の原因は、高くても売れるからだと思います。