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自民党が「国旗損壊罪」を修正へ〜SNS投稿は対象外も、残る憲法上の問題点

今回は(も)私が政策立案でお世話になっている救国シンクタンク(チャンネルくらら)の動画から。

国旗損壊罪について。

内容は以下の通り。

動画で話されている内容は、一見難しそうですが、要するに「国旗(日の丸)を破ったり汚したりした人を罰する法律(国旗損壊罪)を新しく作ろうという動きがあるけれど、それは法律のプロから見ると問題だらけだよ」というお話です。

専門用語を使わずに、3つのポイントにかみ砕いて説明しますね。

① なぜ「国旗を傷つけたら逮捕」はダメなのか?

法律では、国旗をわざと傷つける行為も「自分の意見を伝えるための一つの表現(アピール)」とみなされます。

日本には「表現の自由(憲法21条)」や「どんな考えを持っても自由(思想・良心の自由:憲法19条)」という、とても大事なルールがあります。

もし「国旗を大切にしない奴はペナルティだ!」という法律を作ってしまうと、国が国民に対して「日の丸を強制的に大切にしろ」と思想を押し付けることになってしまうため、憲法違反になってしまうのです。

② 「外国の国旗は守られてるのに不公平」のウソ

「外国の国旗を破ったら罰せられるのに、日本の国旗は守られないなんておかしい!」という意見があります。

ですが、これは目的が全然違います。外国の国旗を守っているのは、それをやると相手の国と戦争や大ゲンカ(外交問題)になって日本が危なくなるのを防ぐためです。つまり「日本を守るため」の安全保障のルールです。

そのため、「不公平だから日本の国旗も同じように守ろう」というのは、法律の理屈としてはおかしな話になります。

③ 日の丸よりも「皇室」を守る方が先!

日本の歴史や伝統を考えると、「日本の国が一つにまとまるための象徴」は、日の丸(ただの旗)ではなく「天皇陛下や皇室」です。

今、SNSなどで皇室に対するひどい誹謗中傷やバッシングが問題になっています。

動画では、「本当の国の象徴である皇室がこれだけ攻撃されているのに、そっちは守らずに、ただの識別マークである日の丸を守る法律を優先して作ろうとするのは、やるべき順番(優先順位)が逆でおかしいでしょ!」と強く主張しています。

まとめると…

  • 国旗を傷つける行為を無理に罰しようとすると、国民の自由(憲法)を縛る「思想統制」になってしまう。

  • そんな穴だらけの新しい法律を作るくらいなら、今まさにネットでひどいバッシングを受けている「皇室」を今の法律でしっかりお守りすることの方がよっぽど大事である。

という、国のあり方と法律のバランスについての解説でした。

救国シンクタンクのレポートも共有します。

横山賢司メルマガ 第38回「続、国旗損壊罪に関する憲法問題について」

◆◆ 救国シンクタンクメールマガジン26/05/28号 ◆◆

国旗損壊罪の創設を目的とする刑法改正法案が自民党の部会で了承され、令和8年特別国会に提出される見通しという報道が出ています。

従前、弊職は、国旗損壊罪が思想良心の自由に違反する可能性が高いと指摘させていただきましたが、漏れ伝わってくる自民党内の議論を聞くと憲法論による検討はほとんど行われず、刑法又は刑事政策の観点からの議論がほとんどの様子らしいです。

その中で、外国国旗損壊等罪(刑法92条)とのバランスやG7加盟国等において自国の国旗損壊罪が制定されている比較法学の観点から賛成する意見が述べられているようなので、その点について考察をしてみたいと思います。

まず、外国国旗損壊等罪の保護法益は、「国家の対外的安全、国際関係的安全」という外交・安全保障に関する国益が対象となり、保護法益が「国旗を大切に思う気持ち」という個人の価値観となる自国の国旗損壊罪と性質が全く異なります。

そうすると、‥‥

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(文責:事務局)

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レポートの概要は以下の通り。

メルマガの主要ポイント

  • 自民党内の検討不足: 国旗損壊罪の創設を目指す刑法改正法案が自民党部会で了承され国会提出の見通しだが、党内では憲法論による検討がほとんどなされていない。

  • 外国国旗損壊等罪との違い(保護法益のズレ):

    • 外国国旗の損壊を罰するのは「外交・安全保障(国益)」を守るため。

    • 自国国旗の損壊を罰するのは「国旗を大切に思う気持ち(個人の価値観)」を守るため。

    • 両者は性質が全く異なるため、「外国国旗の法律とバランスを取る」という賛成論は理由にならない。

  • 世界(G7など)の状況との違い(比較法学の観点):

    • 共和国(米・仏・独・伊など): 憲法やその解釈によって「国旗が国家の象徴である」と明確に定められているため、国旗損壊罪が存在する。

    • 立憲君主国(英・カナダ・蘭など): 国家の象徴は「王室」であり国旗ではないため、自国の国旗損壊罪は制定されていない。

  • 日本における憲法上の無理: 日本の憲法上の象徴は「天皇陛下・ご皇室」であり、国旗ではない。個人の人権(思想良心の自由や表現の自由)を制限してまで国旗を守るべきとする憲法上の根拠(法益)を導き出すのは無理がある。

  • 真に優先すべきは「皇室へのお守り」: 国旗損壊罪を新設するよりも、現行憲法で国家の象徴と定められているご皇室への侮辱行為・名誉毀損行為に対処する方が先決である。

  • 具体的な法改正の提案: 皇室への名誉毀損等を訴える際、ハードルとなっている「内閣総理大臣の告訴を必要とする規定(刑法232条2項)」の見直しを求めるべきである。

記事本文を読みたい方は、救国シンクタンクの会員登録をお勧めいたします。

アメリカの事例について、補足。

G7各国の国旗損壊罪に関する法整備や実態を整理すると、国によって法的アプローチや実際の運用には大きな違いがあります。

まずアメリカでは、国旗を焼くなどの行為を刑事罰の対象とする法律がかつて存在していましたが、連邦最高裁判所が1989年および1990年の判決で、これらの行為を憲法が保障する表現の自由の一部(象徴的表現行為)と認め、国旗損壊を処罰する法律は違憲であるという判断を下しました。

そのため、現在のアメリカでは国旗を傷つける行為を法律で処罰することは原則としてできません。

次にイギリスやカナダでは、自国旗の損壊そのものを直接処罰する独立した法律は存在しません。

抗議デモなどで国旗が損壊された場合でも、それが他人の所有物を破壊する器物損壊罪に該当するか、あるいは公共の秩序を著しく乱す治安妨害などの罪に問われる可能性があるにとどまり、国旗に対する不敬そのものを罪とする仕組みにはなっていません。

一方で、フランス、ドイツ、イタリアといった欧州の主要国には、自国旗や国家のシンボルを侮辱・損壊する行為を処罰する法規定が刑法などに存在します。

しかし、これらの国々でも実際の適用には極めて慎重です。

欧州人権条約が保障する表現の自由との兼ね合いがあるため、単なる政治的な抗議の意思表示として行われたケースでは処罰が見送られたり、裁判で無罪となったりすることが少なくありません。

また、処罰の対象となるのも、公の場や公式な行事で国家の尊厳を著しく傷つける目的で行われた悪質なケースなどに限定される傾向があります。

このように、G7全体を見渡すと、法律自体が存在しない国、違憲と判断されている国、法律はあっても表現の自由への配慮から運用が極めて限定的な国に分かれており、一概にすべての国で日本が目指すような刑事罰の整備や厳格な運用が行われているわけではないのが実態です。

アメリカでは連邦最高裁判所によって、国旗損壊罪(国旗侮辱罪)に対して「表現の自由の観点から違憲」とする明確な判決が下されています。

この歴史的な経緯は以下の通りです。

1. ランドマークとなった「テキサス州対ジョンソン事件」(1989年)

1984年の共和党全国大会の際、当時のレーガン政権の政策に抗議するためにアメリカ国旗(星条旗)を燃やした政治活動家(グレゴリー・ジョンソン)が、テキサス州の国旗冒涜禁止法によって逮捕・有罪(禁錮1年、罰金2,000ドル)となりました。

これに対し、1989年に連邦最高裁は 5対4 の僅差で「国旗を燃やす行為は、憲法修正第1条が保障する『表現の自由(象徴的表現行為)』にあたり、これを処罰する州法は違憲である」との判決を下しました。

当時のウィリアム・ブレナン最高裁判事は、判決理由の中で以下のような有名な言葉を残しています。

「修正第1条の基本原則があるとするならば、それは、社会がその思想を不快であるとか、受け入れがたいと考えたという理由だけで、政府がその思想の表現を禁止することはできないということだ」

2. 連邦法「国旗保護法」も翌年に違憲(1990年)

この判決に当時のブッシュ総理(父)や議会が猛反発し、アメリカ議会は1989年に国旗を損壊する行為を連邦犯罪とする「国旗保護法」を制定しました。

しかし翌1990年、最高裁は「アメリカ合衆国対アイクマン事件」において、この連邦法に対しても再び「違憲」との判決を下し、退けました。

3. メルマガの文脈との整合性

横山先生のメルマガで「アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアの4か国には自国の国旗損壊罪が制定されている」とあるのは、アメリカにおいては「議会が何度も法律を作ろうとした(制定しようとした歴史がある)」あるいは「現在も象徴としての位置づけは議論され続けている」という背景を指しているものと思われます。

しかし法的な運用としては、最高裁の違憲判決によって「国旗を燃やす政治的プロテスト(抗議)であっても、国家が刑事罰を科すことは思想統制になるためできない」というのがアメリカの確立された憲法解釈となっています。

国会では議論が大詰めを迎えているようです。

2026年6月15日 20時00分
有料記事

野平悠一

日本の国旗を傷つける行為を法律で禁じる「国旗損壊罪」の創設をめぐり、自民党は15日、法案修正の方針を固めた。損壊する様子をSNSなどに投稿する行為を処罰対象から外す方向だ。参院で与党が過半数割れするなかでも法案を成立させるため、国民民主党の要請を踏まえた。国民民主は16日に開く党会合で賛否を議論する。

国旗損壊罪、非公表資料にみる首相の真の狙い 「コスパ良い」の声も

複数の与党関係者が明らかにした。与党は国旗損壊処罰法案の議員立法による提出をめざし、国民民主や参政党に賛同を求めていた。自民がまとめた法案は、「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と国旗を損壊、除去または汚損」した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すとの内容。自ら国旗を損壊する状況を撮影し、その映像を事後的にSNSなどに投稿する行為も処罰対象に含まれる。

(以下、有料記事)

この記事を、横山先生の見解をもとに生成AIで評価いただきました。ご参考までに。

これまでの横山先生のメルマガ等の議論(「表現の自由」や「思想統制」の憲法問題)と、この最新ニュースがどのように結びついているのか、ポイントを整理して解説します。

記事から読み取れる最新の動きと政治的背景

  • 「SNS投稿の処罰」をめぐる修正

    当初、自民党がまとめた法案では「自分で国旗を破るなどした動画をSNSに投稿する行為」も逮捕・処罰の対象に含まれていました。しかし、これがまさにアメリカの違憲判決や憲法学者から指摘されていた「表現の自由(憲法21条)に対する過度な侵害・思想統制」という懸念の核心部分でした。今回の修正で、この「配信行為の処罰」がひとまず削除される方向となりました。

  • 国民民主党によるブレーキと「参院過半数割れ」の現実

    現在の高市早苗政権(2026年2月発足)において、参議院で与党が過半数を持っていないという政治的状況があります。そのため、法案を成立させるためには国民民主党などの協力が不可欠であり、国民民主党が「表現の自由を守る観点」から要請した修正(SNS投稿の除外)を自民党が受け入れざるを得なかった、という現実的な妥協案となっています。

  • 法案の核心は残ったまま

    SNSへの投稿行為は対象外となりましたが、「人に著しく不快・嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と(人前で直接)国旗を傷つけた」場合は、依然として「2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」という厳しい刑事罰が科される建付けのままです。

メルマガ・動画の議論との繋がり

横山先生がメルガマで指摘していた「自民党内では憲法論による検討がほとんど行われていない」という懸念が、まさに国会の場で野党(国民民主党など)から「表現の自由を侵害しすぎている」と突っ込まれる形で表面化したと言えます。

SNS配信の処罰を外したとはいえ、「著しく不快な方法での公然たる損壊」を罰するという本質部分には、依然として「何をもって不快とするか」という主観が入り込むため、憲法19条(思想良心の自由)や21条(表現の自由)の観点からの問題の根っこは消えていません。

また、記事にある「高市首相の真の狙い」という有料部分の示唆も含め、国家の本来の象徴である「皇室のバッシング対策」よりも、政治的なアピールとして「国旗損壊罪(コスパが良いとも評される政策)」が優先されている構図は、横山先生が「優先順位が逆である」と批判していた点と完全に一致しています。

この国旗損壊罪の法案をめぐっては、自民党が作成した当初の案(SNS投稿も処罰対象としていた段階)の具体的な内容や罰則について、こちらの動画 LDP drafts law against damaging the national flag でも報じられています。今回のニュースで修正が入る前の、自民党の本来の法案の建付けを確認するのに参考になります。

自民党が目指す「国旗損壊罪」の創設は、一見すると愛国的な法整備のように思えるかもしれません。しかし、救国シンクタンクの横山先生や各専門家が鋭く指摘されている通り、一歩間違えれば私たちの「表現の自由」や「思想・良心の自由」を揺るがしかねない重い憲法上の課題を孕んでいます。

国民民主党の要請によって「SNS投稿の処罰除外」という修正方針が固まったことは、まさにこうした憲法上の懸念(表現の自由への過度な侵害)が国会論戦の現場で表面化した結果と言えるでしょう。これによってネット配信への縛りはひとまず回避される方向ですが、だからといって問題の本質がクリアされたわけではありません。「何をもって著しく不快とするか」という主観的な基準で刑事罰を科す建付けである以上、依然として曖昧さは残ったままです。

諸外国の事例を見ても、アメリカでは最高裁によって明確に違憲判決が下されており、欧州の立憲君主国などでも国旗損壊に刑事罰を科すことには極めて慎重です。自民党内で行われている議論は、こうした比較法学の観点や、我が国の憲法上の位置づけに照らし合わせても、いまだ十分に尽くされているとは言えません。

皇室典範改正の議論にも一定の目途が立ちつつある今、私たちは国家のあり方や国民の基本的人権に関わる法案に対して、より冷静で緻密な議論を求めていく必要があります。

単なる政治的アピールやムードに流されることなく、憲法の基本理念に則った本質的な法政策が行われるよう、私もブログやYouTubeなどの発信活動を通じて、この問題をしっかりと注視し、声を上げてまいりたいと思います。

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